BAR TIMES

NEW2019.07.11 Thu

バーで飲むべきスコッチハイボール私は、デュワーズハイボール。

酒向 明浩 / デュワーズハイボール

アメリカでスコッチといえばデュワーズ。1846年にスコットランドで誕生以来、170年以上にわたって愛されるブレンデッドスコッチだ。中でも、初代マスターブレンダーA.J.キャメロンが手がけたデュワーズ ホワイト・ラベルは、そのスムースな味わいからもっともハイボールに合うという。バーテンダー酒向明浩氏もこのハイボールを愛するひとり。酒向氏はなぜ数あるスコッチの中からデュワーズ、しかもホワイト・ラベルのハイボールを選ぶのか、その魅力を聞いた。(撮影/銀座酒向バー)


バランスが崩れにくいから薄くてもおいしい。
バーテンダーにもウイスキー初心者にも最適のスコッチ。

酒向氏のデュワーズ好きは周知の事実。居酒屋に行っても、仲間の店へ行っても、後輩の店へ行っても、そして自身の店でも飲むのはいつもデュワーズハイボールと決まっている。そこまで惚れ込む理由は何か。

「何と言うか、自分にビシッと合うんですよ。食事の後はお茶飲んでシメるじゃないですけど、僕にとってデュワーズハイボールはそれと同じ感覚ですね。飲んでいてホッとするというか、もう体がそうなっちゃってる(笑)。いい意味で突出した個性がない分飲み飽きないし、ホワイト・ラベルはブレンドを複雑にしていないから、バランスが崩れにくいんだと思います。ブレンドが複雑だと少しの水加減で苦味とか甘味が口の中でバラバラになっちゃうから。たまに他の店で薄いデュワーズハイボールが出てくることもありますけど、“おいしくない”って思うことはないですね。そういう意味では、バーテンダーとしてミスの少ないスコッチハイボールができるし、ウイスキーをあまり飲んだことのないお客様にも入りやすいスコッチだと思います。」

うちのハイボールは1:2。
濃さを感じさせないほどスムースなホワイト・ラベル。

酒向バーのスタイルとして、シンプルなタンブラーに大きめの氷を2つ、デュワーズと炭酸の割合は1:2。なかなかの濃さだ。バーで飲むスコッチハイボールとはどんな点が違うのだろうか。

「だいたい45mlくらい入ります。でもデュワーズだとそのくらいで丁度いい。そこがホワイト・ラベルのすごいところで、何でこんなにスムースなんだってお客様も驚かれます。コツは素早くつくることと、瓶の炭酸を使うこと。ペットボトルの炭酸は泡が長持ちしにくいので、バーで飲むハイボールとしてはちょっとね。いくら濃いめと言っても半分以上が炭酸なので、そこはこだわっています。普段はレモンを入れたりはしませんが、何杯か飲まれたお客様にはレモンピール絞って柑橘の香りだけグラスにまとわせます。これだけで味の変化が楽しめるんです。もうひとつ、バーでこそできるハイボールとして、キーモルトのアバフェルディをフロートさせたりもします。アバフェルディの華やかさとホワイト・ラベルのスムースさの両方を味わえる一杯です。」


アメリカでスコッチといえばデュワーズ。
客にすすめられた1杯のハイボールが一生ものに。

30年前、ガスライト霞ヶ関のカウンターに立っていた酒向氏は、客のすすめで初めてデュワーズハイボールを飲んだ。それから今にいたるまで、まさしく飽きることなく飲み続けているという。

「霞ヶ関には当時、商社や船会社が結構あって、お客様もそこで働いている方が多かったんです。アメリカ帰りの方もいて大抵皆さん『ホワイト・ラベルくれ』って言うんですよ。『アメリカ行ったらデュワーズなんだぜ!』とか『ニューヨーク行ったらホワイト・ラベル飲まなきゃダメなんだぜ!』っていう具合にね(笑)。その頃まだ若かったからスコッチのことを全然知らなくて、垢抜けたお酒だなっていう印象しかありませんでした。『なんだ、飲んだこことないのか』って、ひとりのお客様が僕にハイボールを飲ませてくれました。驚くほどおいしかった。あの時いただいた1杯のハイボールが一生の付き合いになりました。」


名誉アンバサダーとしてスコットランドへ。
改めて実感するキーモルトの素晴らしさ。

今年、デュワーズの名誉アンバサダーに就任した酒向氏は、活動の一貫としてスコットランドへ向かい、初めてデュワーズのキーモルトであるアバフェルディ蒸留所へ訪れた。

「いいところでした。初留釜と再留釜がそれぞれ2基ずつのこぢんまりした蒸留所でしたけど、ビジターセンターもあって施設も充実していました。裏手は木々がうっそうと茂る深い森になっているんですけど、帰国後皆に写真を見せたら『本当にスコットランド行ったの?』って疑われるくらい信州あたりの山を思わせる日本っぽい風景なんです(笑)。そのくらい自然が豊かで、目の前には仕込み水に使われているピティリー川がさらさらと流れていました。さすがは“水の神のプール”と言われるだけあって透明度の高い、きれいな水でしたね。仕込み水に使っているのはもう少し上流の水なんですが、試しに目の前の水でデュワーズを割ってみると、今まで味わったことのないおいしさに感激しました。その時に思ったんです、デュワーズはこの水があるからこそなんだってね。蒸留所で働く人たちも、アバフェルディはデュワーズのためにあるっていうプライドを持っているから、自然や水、製法すべてを昔と変えないように守っているんです。だからでしょうね、ウイスキーって原酒が変わると味わいも少しずつ変わるものですが、デュワーズに関しては大きく変わらないんです。変わったとしてもその振れ幅は許容範囲。むしろ、ここ最近うまくなったんじゃないかって仲間同士で話しているほどですよ(笑)。」


ハイランド地方にあるアバフェルディ蒸留所。

ピティリー川は砂金沈着物を含むことで有名。


トミー・デュワーが世界に広めたように、
デュワーズハイボールをお客様に広めていきたい。

カウンターに立つ酒向氏は、毎日デュワーズハイボールを飲む。それを見た客も「デュワーズソーダ」と言って同じものを注文する。客が商品を指定してハイボールを注文する、いわゆるブランドコールをするバーもめずらしい。それほど酒向氏の店ではデュワーズハイボールが浸透しているのだ。

「昔からカウンターでデュワーズハイボールを飲んでいます。そうすると『マスターいつも何飲んでいるの?』ってお客様に聞かれるので、これですっておすすめすると、皆さんもうそればっかり(笑)。飲みやすいから自宅でも飲んでいるっていう方も増えて、ちょっと複雑な気持ちです。もっとうちの店に来てもらいたいですからね(笑)。僕は銀座の他に台湾にも店を持っていますが、実はそこでも着実にデュワーズハイボールファンが増えているんです。強炭酸サーバーを導入して、グラスの中で踊る気泡をライトで照らし、視覚的においしさを訴える演出をしたら効果てきめん。ハイボールって台湾ではあんまり飲まれていなかったんですが、今ではすっかり定番の一杯になりました。僕自身、台湾に行ってもおいしいデュワーズハイボールを飲みたいですからね(笑)。デュワーズ創業者の息子であるトミー・デュワーが、世界中を回ってデュワーズを広めたように、名誉アンバサダーとして私もデュワーズハイボールをもっと多くのお客様におすすめし、広めていきたいと思います。」


酒向 明浩(さこう あきひろ)。岐阜県出身。日本バーテンダー協会主催第18回全国バーテンダー技能競技大会で優勝。2010年に銀座酒向Barをオープン。2017年に台北市にも店を構えるなど国内外で精力的に活動を行う傍ら、現在は日本バーテンダー協会副会長も務める。



酒向氏のバーには所狭しとデュワーズのオールドボトルや貴重なアイテムが置かれている。デュワーズを愛する酒向氏ならではのコレクションだ。


 


酒向氏による「デュワーズハイボール」メイキング動画をBAR TIMESチャンネルでご覧ください。


撮影取材:BAR TIMES
取材協力:バカルディ ジャパン株式会社

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