2022.06.10 Fri
ホイッスルピッグでつくるClassic & Originalカクテル
イタリアンリキュールと薬草酒。甘苦く、それでいてやさしい『オールドパル』
ホイッスルピッグ 10年 × BAR Foce 京中武将蒸留所の設立は2007年。ライ・ウイスキーの可能性にかけた伝説のマスター・ディスティラー(蒸留責任者)、デイヴ・ピッカレルが率いるチームによって生み出された。
今回、大阪・北新地にある「BAR Foce」オーナーバーテンダー・京中武将さんに、ホイッスルピッグ の原点ともいえる「10年 スモールバッチ・ライ」を使って、クラシックカクテルとオリジナルカクテルの2種を考案してもらった。
「ホイッスルピッグ」の蒸留所があるのは、アメリカ・バーモント州ショアハムの広大でのどかな農場の中。ライ・ウイスキーのよいところを大切に守り、無駄なものは排除し、ウイスキーのために革新を続けることが理念だ。その味わいのよさは、数々の賞を獲得してきたことからも伺い知れ、「ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ」については、権威ある全米のワイン専門誌「ワイン・エンシュージアスト」で96点という高得点を獲得するなど、ライ・ウイスキーの歴史を変えたともされる。
まずは京中さんが感じたホイッスルピッグのファーストインプレッションを訊いてみた。
「最初に感じたのはりんごや梨を思わせるフルーティーな味わいでした。そもそもライ・ウイスキー自体、飲みやすいウイスキーなのですが、ホイッスルピッグは繊細でクリアな美味しさがあってとてもスムース。他のライ・ウイスキーとはちょっと違うなと感じました」
ではその特徴をカクテルとしてどう活かしているのだろうか。
「マンハッタンやオールドパルといったステアでつくるカクテルと相性がいいと思います。繊細な味わいを壊さないように、あまり冷やしすぎないことです。その他にハイボールもいいですね。これまでライ・ウイスキーをハイボールでご提供することはあまりなかったのですが、フルーティーさとスパイシー感、余韻の長さはきっと合うんじゃないかと思って。特にウイスキーのご指定がなければホイッスルピッグのハイボールをおすすめしています」
ホイッスルピッグをベースに、クラシックカクテルとオリジナルカクテルの2つを考案してもらった。
まずは、クラシックカクテルから。京中さんが選んだのは『オールドパル』。ホイッスルピッグの特徴を捉え、どうツイストしたのだろうか。
「ホイッスルピッグの繊細な味わいを底上げするイメージで考えました。オールドパルはカンパリを使うのが一般的ですが、よりフルーティーな味わいに仕上げるためアペロールを使用します。それだけでは少し弱いので、パンチを出し、全体の味わいを引き締めるためにウニクムで苦味を補います。1ティースプーンと少量ですが、これがいい仕事をしてくれるんです。“甘苦い”という表現がありますが、アペロールの甘さとウニクムの苦味がバランスをとり、味わいにふくよかさが出ます。また、本来のオールドパルは同量の材料でつくりますが、ホイッスルピッグを40mlと比較的多めに入れ、副材料に負けないようにしっかりとウイスキー感を出します。ステアの前に、あらかじめワイングラスで全ての材料をスワリングし、馴染ませながら香りを立たせるのもポイントです。フルーティーで甘さがあり、ぐっと苦い。でもやさしい。締めの一杯にぜひ飲んでいただきたいカクテルです」
京中さんのオリジナルカクテルは、りんごとハチミツを使った『バーモント サンセット』。アメリカンレモネードから着想を得たそうだ。
「元々、りんごジュースの赤ワインフロートをご提供していたので、そこにハチミツの甘さとホイッスルピッグを加え、新たなカクテルとしました。ホイッスルピッグはアメリカのバーモント州でつくられていますが、バーモント州は長寿の州として有名で、りんご酢とハチミツを混ぜて飲む健康法が古くからあったそうです。それが日本にも伝わり、誰もが知るカレーの商品名になりました。りんごとハチミツの相性の良さは子供の頃からテレビコマーシャルで刷り込まれていたので、このカクテルに使う甘味は迷うことなくハチミツに(笑)。先ほどのオールドパルとは対照的に、りんごの爽やかさを全面に押し出し、主張しすぎない程度にホイッスルピッグを加え、アルコール感を抑えています。ひと口目はりんごの香りと芳醇な赤ワインを感じていただき、ふた口目からはマドラーでよく混ぜてお飲みいただくことをおすすめしています。どこにこんな甘さが隠れていたのか、というほどまったく別の表情が表れますよ」
【レシピ】
・ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ:40ml
・ドライベルモット:15ml
・アペロール:15ml
・ウニクム:1tsp
【つくり方】
1.材料をワイングラスに注ぎスワリングする。
2.氷を入れたミキシンググラスに注ぎステア。
3.カクテルグラスに注ぐ。
【レシピ】
・ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ:20ml
・りんごジュース:90ml
・ハチミツ:1tsp
・赤ワイン:30ml
【つくり方】
1.赤ワイン以外の材料をシェークする。
2.グラスに注ぎ、赤ワインをフロートする。
京中武将(きょうなか たけまさ)
1982年生まれ。2011年に行われた一般社団法人日本バーテンダー協会主催 第16回全国ジュニアカクテルコンペティションで優勝。翌年にはマリーブリザールカクテルコンペティションで優勝。その後も様々なカクテルコンペティションに出場し、優勝するなど好成績を残す。2016年に独立し、「BAR Foce(バーフォーチュ)」をオープン。現在に至る。
BAR Foce(バーフォーチュ)
店名はイタリア語で『港』。港は船が旅立つ出港と航海を終え帰港する場所であり、お客様にいつでも帰って来て頂ける場所でありたいと願いを込めてつけたという。扉や天井の梁、照明など船内をイメージした店内は落ち着ける空間。
大阪府大阪市北区曽根崎新地1-3-29 リップルMAXビル 5F
Tel:06-6455-8020