fbpx

バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2022.08.1 Mon

Woodford Reserve Old FashionedSpicy Old Fashioned

鹿山博康さん(Bar BenFiddich)東京・新宿


鹿山博康さん(Bar BenFiddich)によるウッドフォードリザーブ オリジナル オールドファッションド「Spicy Old Fashioned / スパイシーオールドファッションド」をご紹介します。

Spicy Old Fashioned
レシピ
・ウッドフォードリザーブ 60ml
・角砂糖 1個
・オレンジスライス 1枚
<ホールスパイス>
・シナモン 1片
・クローブ 2粒
・オールスパイス 2粒
・コリアンダーシード 6~8粒
・カルダモン 1粒
・ナツメグ 1粒
つくり方
薬研に、ホールスパイスを入れてすり潰す。ウッドフォードリザーブを30ml、オレンジスライス、角砂糖を入れ、さらにすり潰す。残りのウッドフォードリザーブを注ぎ、すべてをボストンシェイカーへ入れ、温度のゆるい氷を加えて、加水を意識しながらシェイクする。ストレーナーを付け、ロックグラスに注ぎ、オレンジピールを振りかける。

すり潰したてのスパイスの
香りと味をまとわせ、重厚かつリッチに

鹿山博康さんインタビュー


外国人客から「君らしいオールドファッションドを」と注文が続いた
バー通の方が、初めてのバーに行くととりあえずジントニックを頼むように、海外では1杯目にオールドファッションドを頼む方がとても多いですね。汎用性も自由度も高く、バーの個性が反映されやすいカクテルなのでしょう。
「Bar BenFiddich」の開店は2013年で、官民挙げたさまざまな振興策のもと、インバウンドが急増したのがほぼ同時期です。それまで勤めていた、六本木「BarAmber」でも、もちろんつくったことはありましたが、海外のお客様は揃って「オールドファッションドで、お前のスタイルを見せてくれ。Surprise me!」と注文される。きっと、多くのバーテンダーがタジタジしたことでしょう。僕も同様です。それで、海外に行った際には、先々のバーでオールドファッションドを頼みました。比較対象を得て、僕なりにアジャストできるようになっていきました。

ウッドフォードリザーブなら、満足感の高い重厚さとリッチさが生まれる
古いカクテルブックにオールドファッションドのレシピが載っていますが、結構違いがあるんです。19世紀のとあるカクテルブックには、アブサンが1dash入っているものも。レシピも解釈の仕方もいろいろあるので、たくさん飲み比べて試作を重ねて僕なりの解釈ができるようになっていきました。
ウッドフォードリザーブは、濃厚で、リッチで、奥行きがある。そこに副素材を重ねていくと、非常に満足感の高い重厚さとリッチさが生まれるんです。それはある種、ハンバーガーでいうところの”ビッグマック”なんです。いい意味で、ボリューミー。濃厚で食べごたえ(飲みごたえ)がある。だから、いろんなホールスパイスをがんがん使っても負けずに、より複合的になるのです。

太陽系の惑星のように、ウッドフォードリザーブを軸にスパイスが周っているイメージ
今回、考案した「Spicy Old Fashioned」は、すり潰したてのホールスパイスの香りと味をウッドフォードリザーブにまとわせるものです。ウイスキーに、スパイスの洋服を着させてあげる、まとわせる、ボリューム感を出すイメージ。ウッドフォードリザーブが太陽だとしたら、太陽系の惑星のように、その周りをいろんなスパイスと柑橘の風味がぐるぐる周っているというべきでしょうか。スパイスの選び方は、カレーにも通じるように、バランスが取りやすいものを選んでいます。意外と、ちびちびゆっくり飲めるカクテルでもあるので、アメリカ人になったつもりで、1杯目から頼んでみてください。

鹿山博康(かやまひろやす)
1983年、埼玉県生まれ。2013年7月、バー「Bar BenFiddich」を開業。『Farm to glass』を提唱し、外秩父の麓・ときがわ町にある自身の畑で採取したボタニカルをはじめ、界隈で自生する日本在来種の草・根・木・皮などもカクテルにする。2015年ボタニスト・ジン・フォリッジ・カクテルコンペティション優勝。海外でのゲストバーテンディングにも積極的に取り組んでいる。


Bar BenFiddich
東京都新宿区西新宿1-13-7 大和家ビル9階
アブサンやジンなど薬草酒の揃えが厚く、薬研やすり鉢ですり潰したスパイスやフレッシュなハーブを使ったカクテルを堪能できる。ウィリアム・リード・ビジネス・メディア主催、 アジア最⾼のバーアワード「AsiaBest Bar 50」においては、2016年より6年連続選出。2021年は、自店最高上位となる9位に選出される。手製の土器でカクテルをサーブすることも。



鹿山博康さんの「Spicy Old Fashioned / スパイシーオールドファッションド」メイキング動画をご覧になれます。撮影場所:Bar BenFiddich

インタビュー・文 沼由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『読本 本格焼酎。』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。



   

BAR TIMES INFORMATION

関連記事はこちら

PAGE TOP