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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2022.06.24 Fri

ホイッスルピッグでつくるClassic & Originalカクテル
ホイッスルピッグがこだわる“熟成感”を、奥深いコンセプトと巧みな手法で表現した2つのカクテル。

ホイッスルピッグ 10年 × The Bar Top Note III 野間真吾

アメリカ最大の出品数を誇る「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2017」にて、最優秀ウイスキー(Best in Show)の称号を獲得したライ・ウイスキー「ホイッスルピッグ」。世界で最も多くの賞を獲得しているライ・ウイスキーである。
蒸留所の設立は2007年。ライ・ウイスキーの可能性にかけた伝説のマスター・ディスティラー(蒸留責任者)、デイヴ・ピッカレルが率いるチームによって生み出された。

今回、広島市紙屋町にある「The Bar Top Note III」で、オーナーバーテンダーである野間真吾さんに、ホイッスルピッグの原点ともいえる「10年 スモールバッチ・ライ」を使って、クラシックカクテルとオリジナルカクテルの2種を考案してもらった。


「ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ」は、複雑で深味のあるブランドの原点

「ホイッスルピッグ」の蒸留所があるのは、アメリカ・バーモント州ショアハムの広大でのどかな農場の中。ライ・ウイスキーのよいところを大切に守り、無駄なものは排除し、ウイスキーのために革新を続けることが理念だ。その味わいのよさは、数々の賞を獲得してきたことからも伺い知れ、「ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ」については、権威ある全米のワイン専門誌「ワイン・エンシュージアスト」で96点という高得点を獲得するなど、ライ・ウイスキーの歴史を変えたともされる。。


スタンダードならマンハッタン。ロングステアでホイッスルピッグの甘い香味を引き出す

はじめに、ホイッスルピッグを初めて飲んだ際の感想を野間さんに訊いてみると。

「通常のライ・ウイスキーは、原料に最低でも51%以上のライ麦が使われていますが、ホイッスルピッグはほぼ100%のライ麦を使用していることから、スパイシーな風味がありながらも芳醇な香りがあり、控えめな甘さが存分に楽しめるのが魅力だと感じました」

ホイッスルピッグはどのようなカクテルと相性が良いと野間さんは考えるのだろう。

「やはり、スタンダードカクテルでしょうか。例えばマンハッタンなら、ロングステアでホイッスルピッグが持つ甘いキャラメルやバニラ香を引き出させることで、ビターズの苦味との相性が良くなります。スペアミントのような爽やかなニュアンスもあるので、すっきりとした飲み心地のマンハッタンが楽しめると思います。また、ホイッスルピッグにはオレンジピールのような香りもあるので、オレンジジュースを使用するニューヨークも合うと思います。ライ麦の香ばしさとオレンジのフルーティーさがより引き立った味わいに仕上がると思いますよ」

 

古い仲間と熟成はどちらも長い年月を要するもの。熟成を意識し、とろけるような『オールドパル』にツイスト

今回、クラシックカクテルとオリジナルカクテルをテーマに、2つのカクテルを考案してもらった。まずは、クラシックカクテルから。野間さんは、考え抜かれたコンセプトで『オールドパル』のツイストカクテル『Long aging Old Pal』を紹介してくれた。

「ライ・ウイスキーの概念を覆すホイッスルピッグの複雑な味わいは、熟成年数の長さにあると考えます。そのロング エイジングをヒントに、すっきりとしがちなオールドパルを、より熟成年数を感じるようツイストしました。バーボン樽で熟成させたカンパリと、チャーを施したバレルスティックを漬け込んだベルモットを使用することで、カクテル自体をロング エイジングしたかのようなとろけるオールドパルに仕上げました。また、幻のスパイス『馬告(マーガオ)』を振りかけ、爽やかなレモングラスのような香りを最後まで飽きずに楽しむことができます。オールドパルは、“古い仲間”という意味で、古い仲間は長い年月をかけることで絆が生まれます。熟成も長い年月をかけることにおいては同じ意味を持ちます。『Long aging Old Pal』はそんなコンセプトを持たせたカクテルです」

“誰からも長く愛される”をキーワードに自家製コーラと紅茶を合わせた樽香るカクテル

2つ目はオリジナルカクテル。「痛み無くして、得るもの無し」を意味する英語のことわざ『No pain, no gain(ノーペイン・ノーゲイン)』がカクテル名だ。そのコンセプトを聞くと。

「伝説のマスターディスティラー、デイヴ・ピッカレルは、かつてこう言いました。「失敗をしても構わない。失敗はウイスキーと共に飲んで忘れるものだ」と。ブレンディングや追加熟成の研究を重ねに重ね、彼はついに複雑で深味のある素晴らしいライウイスキーを誕生させ、近年では数々の輝かしい賞を獲得するまでになりました。“努力は形となって報われる、そして長く愛される物へと変化する”。『誰からも長く愛されるカクテル』をコンセプトに、自家製のコーラを使ったカクテルを考えました。コーラフレーバーの味わいと香りは、世界中の誰をも虜にし、長く愛され続けていますから。この自家製コーラは、ホイッスルピッグの持つバニラ香やキャラメル、アニスの爽やかな香りや味わいを増幅させてくれます。また、オリジナルブレンドのハニーバニラティー(紅茶)と合わせることで、タンニンと自家製コーラが交わり、樽の香りのようなニュアンスを感じられます」


 


 

クラシックカクテル『Long aging オールドパル』

【レシピ】
・ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ:20ml
・カンパリカスクテイル:20ml
・BARREL AGING アンティカフォーミュラー:20ml
・オールスパイスシロップ:1tsp
・馬告(マーガオ):少量

【つくり方】
材料をシェークし、氷を入れたロックグラスに注ぎ、マーガオを振りかける。


オリジナルカクテル『No pain, no gain』

【レシピ】
・ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ:30ml
・自家製コーラ:150ml
(シナモン、クローブ、花椒、スターアニス、ちんぴ)
・ハニーバニラティー:3g
・インフューズドカカオバナーヌ:15ml
・洗双糖:5g
・フレッシュレモン:1/8カット
・シナモンスティック:1本
・オレンジピール:ガーニッシュ

【つくり方】
1.小さめの鍋にクラフトコーラ、レモン、シナモンスティック、ハニーバニラティーを入れて強火で30秒程沸騰させる。
2.ハニーバニラティーの茶液が抽出出来たらミキシンググラスに濾す。
3.濾したクラフトコーラティーの中に洗双糖を入れ熱いうちに溶け込ませる。
4.洗双糖が溶けたらホイッスルピッグ、インフューズドカカオバナーヌを入れ、氷を入れて急冷させる。
5.香りを楽しめるよう、氷を入れた大きめなワイングラスを使用。
6.仕上げにオレンジピールを振りかける。


野間真吾(のま しんご)
広島県広島市生まれ。広島市内のオーセンティックバーやホテルバーで修業を積み、2013年に独立。第1号店となる「The Bar Top Note」をオープンさせ、その2年後には「The Bar Top Note別館」を、2019年には「The Bar Top Note III」をオープン。その他、オリジナルフレーバーティーの専門店も市内に2店舗展開する。MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社が主催する「ヘネシー カクテルコンペティション 2019」においてグランドチャンピオンとなるなど、国内外を問わずカクテルコンペティションへも積極的に挑戦。地元酒造のアンバサダーをはじめ、セミナー講師、観光プロモーターなども務め、地元広島の特産品を使った商品開発に携わるなど、地方の魅力を広く世の中に伝える活動に力を注ぐ。

The Bar Top Note III
マンションの2階に位置する隠れ家的な印象の一軒。煌びやかな雰囲気ながら、和を感じさせる調度品が置かれ、華やかさと落ち着きが同居するインテリア。カウンター席とテーブル席のほか、個室やシークレットルームもあり、大人の秘密基地のような空間。
広島県広島市中区紙屋町1-4-3 2F
Tel: 082-258-1277


   

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