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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2022.08.22 Mon

Woodford Reserve Old FashionedOshiruko Fashioned

静谷和典さん(新宿ウイスキーサロン)東京・新宿


静谷和典さん(新宿ウイスキーサロン)によるウッドフォードリザーブ オリジナル オールドファッションド「Oshiruko Fashioned / おしるこファッションド」をご紹介します。

Oshiruko Fashioned
レシピ
・ウッドフォードリザーブ
(羊羹インフューズ) 50ml
・胡麻シロップ 5~10ml
・The Japanese Bitters
HINOKI(檜)3dash
・ゆずピール 1片
・金平糖
・桝 2個(下準備)「ウッドフォードリザーブ(羊羹インフューズ)」ウッドフォードリザーブ1本(750ml)に対し、好みの羊羹約100gを1週間浸ける。「胡麻シロップ」黒胡麻を乾煎りし、黒胡麻に対して同じ重さのシンプルシロップを加え、弱火から中火で約20分煮詰める。
つくり方
桝の裏面を炙り、もう1個の桝でかぶせて燻香を封じ込める。デキャンタに、ウッドフォードリザーブ(羊羹インフューズ)を注ぎ、右回しにスワリングし、胡麻シロップ、The Japanese Bitters-HINOKI(檜)、氷を加える。デキャンタにストレーナーを付け、先のかぶせた方の桝に注ぎ、デキャンタの中の氷を入れる。ゆずピールを振りかけ、カクテルに入れる。金平糖を添えて提供する。

羊羹、胡麻、ゆずなどを取り入れて、
和のテイストを前面に

静谷和典さんインタビュー


世界的には、バーテンダーの名刺代わりといえるカクテル
さまざまなウイスキーカクテルがある中でも、オールドファッションドは、世界最古のカクテルの部類に入るほどクラシックでありながら、その人気は頂点を極めるほど。英国の『Drinks International』というサイトが毎年発表するカクテルの人気ランキング「The World’s Best-Selling Classic Cocktails」においては、2022年版こそ第2位になりましたが、長らく第1位に君臨していました。世界的に見れば、バーテンダーの数だけレシピがあるといっても過言ではなく、ある種、バーテンダーの名刺代わりともいえるでしょう。元来のレシピは、ウイスキーと角砂糖、ビターズぐらいで、アレンジしやすいのもアドバンテージですし、それだけ古いカクテルが、今なお世界の人気カクテルの頂点として飲まれているというは、僕にとっては微笑ましいことです。

ウイスキーをストレートで愉しんでいただくための“突破口“になりうる
僕が最終的に目指すところは、ウイスキーをストレートで飲んでいただくことです。それは、ウイスキー専門バーを営み、マスター・オブ・ウイスキーでもある自分の役割かと思っています。ハイボールが定着した日本で、ストレートへとつながる“クッション“という点で、オールドファッションドは高い可能性を秘めています。ハイボールよりはアルコール度数が高く、ストレートよりは低い。ウイスキーをロックやストレートで愉しんでいただくための”突破口”といえるカクテルですね。
ウッドフォードリザーブは、個人的には”最もスコッチに近いバーボン“だと思っています。単式のポットスチルで3回蒸留しているバーボンは、これまでずっとこの銘柄以外はありませんでした。スコッチに製法が近く、スコッチ好きの方にも案内しやすいうえ、非常に味わいのバランスがいいですね。単式蒸留のためか、味の差別化が難しい面もあるバーボンにおいて、トウモロコシやライ麦といった材料由来の味わいをしっかり残しています。

日本で飲むオールドファッションドとして、記憶に残るものを
「新宿ウイスキーサロン」は、ジャパニーズウイスキーバーの立ち位置なので、オールドファッションドを和のテイストで提供したい想いがあります。「おしるこファッションド」としたのは、度数が高めの部分を甘さでフォローするのと同時に、ストレートへの“クッション“と考え、より入門的で親しみやすいものを意識しました。
この先、海外からのお客様が戻られた際には、日本で飲むオールドファッションドとして、記憶に残るものをつくりたかったというのもあります。「何を使っているの?」と聞かれたときに、小豆にしても、胡麻や桝にしても、日本の文化を知ってもらうための代名詞的なものをカクテルを通して説明できます。バーでのカクテルは見て愉しむものでもあると思うので、桝を炙ったり、香りを閉じ込めたり。メイキングのプロセスや香りといった意外性もおもしろがっていただけたら、と思います。

静谷和典(しずやかずのり)
1985年、栃木県生まれ。新宿三丁目「BAR LIVET」「BAR 新宿ウイスキーサロン」オーナーバーテンダー。ウイスキーベースのカクテルの開発・普及を目指すバーテンダーチーム「Whisktail.tokyo」の代表を務める。ウイスキー文化研究所が主宰する知識、鑑定能力を問う資格認定制度の最難関「マスター・オブ・ウイスキー」を取得しており、雑誌『Whisky Galore』のテイスターとしても活動中。


新宿ウイスキーサロン
東京都新宿区新宿3-12-1佐藤ビル3階
ジャパニーズクラフトディスティラリーをテーマに、現在稼働中で熟成3年以上のボトルをリリースする国内全蒸留所のウイスキーを揃える。希少なジャパニーズウイスキーの飲み比べが可能。ウイスキーのカクテルを「Whisktail(ウイスクテイル)」と称し、特に力を入れている。モクテルや旬のフレッシュフルーツカクテルも評判。ゲストバーテンダーを迎えるなどイベントも積極的に開催。



静谷和典さん(新宿ウイスキーサロン)の「Oshiruko Fashioned / おしるこファッションド」メイキング動画をご覧になれます。撮影場所:新宿ウイスキーサロン

インタビュー・文 沼由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『読本 本格焼酎。』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。



   

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