2022.09.12 Mon
ブッシュミルズ ブランドアンバサダー就任記念インタビューいいウイスキーの特徴はトロピカル感
ブッシュミルズにはそれがある
川原 洋輔さん(MIXOLOGY HERITAGE/東京)ブッシュミルズ12年をフィックススタイルで
川原 洋輔さんインタビュー ③
考案されたカクテルについて教えてください。
コンセプトは「夏の訪れ」です。フィックスという非常に古いカクテルのアレンジなのですが、夏らしいトロピカルな味わいのネオクラシックカクテルです。このフィックススタイルで、「夏の訪れ」をコンセプトに初夏から夏にむけて楽しんでいただけるようなカクテルを創作しました。自家製のパイナップルコーディアルにクローブやシナモンなどを合わせ、ブッシュミルズのスパイス感とマッチさせました。また、アルコール添加もブッシュミルズを使用しているので、よりベースの12年の特徴が引き出されていると思います。
フィックススタイルはどのようなカクテルですか。
デイジーがベリー系のシロップを使うのに対し、フィックスはパイナップルのシロップを使うカクテルで、シェークはせずクラッシュアイスを入れてそのまま飲むとても古いスタイルのカクテルです。このお店はクラシックがテーマなので、こういったカクテルも提供しています。禁酒法時代には多くのカクテルが誕生して、100年以上も形を変えずに親しまれているロングセラーカクテルは、すごくシンプルで名前もキャッチーなものが多いんです。しかも普及性があるので、どの国でもどんな環境でもわりと再現性があります。フィックスもそのひとつですね。
ブッシュミルズ シングルモルト12年をフィックススタイルにしたのはなぜですか。
私個人の考えとして、すごくいいウイスキーの特徴はトロピカルな香りの成分があることなんです。酒質が高いと言われていた時代の古いウイスキーにはそういった特徴がありますが、ブッシュミルズにはそれがあるんです。発酵の段階やつくる工程によるものだと思われますが、ウイスキーづくりを妥協なく続けてきた証です。たまたまこの味わいになっているわけではない。ですから、トロピカルな味わいの特徴を持つブッシュミルズにはパイナップルを使ったフィックスが合うと思いました。
どのような味わいですか。
リゾートのプールサイドで飲みたくなるようなトロピカルカクテルな味わいです。スコッチでつくるサイレントサードなどの急激に加水して仕上げるウイスキーベースのカクテルはどうしても独特の酸味が伴います。しかしブッシュミルズのような3回蒸溜によるエレガントな酒質のウイスキーを使用することでこの問題は解決します。ブッシュミルズにみられるトロピカルフレーバーとパイナップルの相性は抜群です。最後にアブサンの香りを纏わせることにより、ウイスキーの旨味とフルーツの旨味をさらに引き出すことができます。季節ごとにフルーツを変えてオータムフィックスやウインターフィックスなどもいいですね。
- アイリッシュ・サマー・フィックス
- レシピ
- ・ブッシュミルズ シングルモルト12年 40ml
・自家製パイナップルコーディアル 25ml
・レモンジュース 10ml
・フィノ シェリー 10ml
・アブサン 3spray
・パイナップルチップ、ミントの葉 - つくり方
- アブサン以外の材料をカクテルシェーカーに入れ、混ぜ合わせておく。氷を入れてシェークし、ダブルストレインしてロックグラスに注ぎ入れる。クラッシュアイスで満たし、ガーニッシュを飾りアブサンをスプレーして香りを纏わせる。
川原 洋輔(かわはら ようすけ)
バーテンダーの道を志してからいくつかの都内のバーでの経験を積み、赤坂プリンスクラシックハウス内「バー・ナポレオン」のヘッドバーテンダーに就任。その後、Aoyama Treehouse 「The Bar」マネージャーに就任。2020年にMixology グループへ入社し、現在は「MIXOLOGY HERITAGE」にて勤務。