2023.03.1 Wed
Woodford Reserve Signature Cocktailsアニスの香りとスパイシーな余韻が
寒い夜には相応しい
五十嵐 愛さん / Flying BumblebeePR:ブラウンフォーマンジャパン
2022年 バータイムズは、20人のトップバーテンダーがつくるウッドフォードリザーブのオールドファッションドをご紹介する「Old Fashioned Original Cocktail」を実施。大きな反響をいただきました。第二弾となる2023年は、オールドファッションドに限定せず、それぞれの個性を活かしたシグネチャーカクテルをテーマとした企画「Woodford Reserve Signature Cocktails」を展開いたします。さらに、本企画では、ウッドフォードリザーブがブランドテーマに掲げる〈女性の活躍〉に関連して、15人の女性バーテンダーのストーリーに注目します。カクテルについてだけでなく、バーテンダーという仕事を選んだきっかけ、その魅力や難しさ、これからの目標など、バーテンダーとしてのストーリーもじっくりとお訊きします。
パティシエからバーテンダーへ転身
「暗がりのお店に入るのが若い時分には新鮮で、その内装にも惹かれました。黒いTシャツに帽子を被ったバーテンダーさんが立っていて、いま思えばカジュアルなバー。接客が心地良くて、その人に憧れるというよりもカウンターの中へ入りたいという気持ちが強くなりました」
製菓の専門学校を出てパティスリーで働いていた五十嵐さんは、先輩に連れて行かれたバーで衝撃を受ける。仕事を辞め、求人情報誌を頼りにまったくの未経験で渋谷のバーへ。その後、池袋の「BAR Too」と恵比寿の「Bar TRENCH」でカクテルだけでなく接客における話し方や英語での対応などを学び、シンガポールへ渡った後に代官山で独立。パティシエからバーテンダーへと目指す道を変えたが、その経験は今も活かされているようだ。
「ケーキはいろいろな素材を混ぜ合わせずに何層にも重ねてつくっていたり、食感を出しています。層の厚さや組み合わせ、アクセントの効かせ方はカクテルづくりにおいて参考になっていますね。オリジナルの『フィナンシェカクテル』は焼菓子のフィナンシェをそのまま再現しているのではなく、焦がしバターや卵白などの材料を使ってデザートカクテルに再構築しています。シロップなどの基本的なつくり方や衛生面も学校で習っておいて良かったなと思います」
味わいのニュアンスを慎重に汲み取る
海外で働いたことも、お店のメニューに反映されている。シンガポールでは20代でもバーを楽しみ、アルコール度数の高いショートカクテルをオーダーする。さらに求められるのは、甘味・酸味がはっきりしていて、ひと口目のインパクトが強いカクテル。海外で美味しいと感じた味の構成は、日本にそのまま持ち帰った。
「甘い、酸っぱい、ドライといったご注文は、もう一歩踏み込んでなるべくご希望に沿えるようにしています。何を飲みたいのかうまく伝えられなかったり、人によって味覚は異なりますから。例えば甘いカクテルをご所望の場合は、クリーム系かフルーティ系かを伺います。クリームなら全く酸味のない甘口のものや重いもの、フルーティなら甘酸っぱいものを求めていらっしゃることが多いですね。ドライという表現も難しくて、よく聞いてみると酸味のあるものだったり。そういったニュアンスを慎重に汲み取ることが大切だと考えています」
メニューには、シンガポールで人気だったオールドファッションドが4種類並ぶ。さまざまなバリエーションを飲んでみたいという要望に応えるためだ。ウイスキーベースで何か飲みたいなら、今回創作したというオリジナルカクテルかオールドファッションドを試してみてほしい。
「力強く、ひと口目でインパクトがはっきり伝わる味わいを持つバーボン。その中でウッドフォードリザーブはエレガントかつ優しい甘味があり、樽の心地良い香りを楽しめます。ほかの材料との調和が取りやすいのでバランスの良い一杯に仕上がりますし、バーボンカクテルらしいパワフルさも出ますね。私が最も好きなカクテルは、ブルヴァルディエ。恵比寿で勤務していた頃にウッドフォードリザーブでつくってみたら、とても美味しくて。ジンベースのネグローニより飲み応えがあると感じました。当店ではウッドフォードリザーブとスカーレット、カルパノアンティカフォーミュラを使っていて、各1/3で混ぜるクラシックスタイルのレシピが好みです。ウイスキーをベースにしたカクテルは余韻が長く、甘味を強調してもダレない味わいの強さが魅力ですよね。海外からのお客さまにオールドファッションドをよくご注文いただくのですが、ベースを聞かれてウッドフォードリザーブだとお伝えすると“Good”と言われます」
五十嵐さんが大好きだというカクテル「ブルヴァルディエ」のツイスト。“In The Cold, Cold Night”と繰り返されるThe White Stripesのノスタルジックな曲が思い浮かぶような寒い夜、暖かい室内で外を眺めながらゆっくりと味わいたい一杯だ。しっかりとした甘味とアニスの香り、スパイシーな余韻があり、アルコール度数がやや強めでもオンザロックなら寄り添ってくれる。
「フィグ&スパイスシロップは自家製で、お世話になったパティスリーの先輩からレシピを教えて頂きました。もともとはドライイチジクを召し上がっていただくための浸け込み液で、アイスクリームに添えたりします。材料はドライフィグ、レーズン、赤ワイン、シェリー、シナモン、スターアニス、砂糖。店のオープン当初からずっと使い続けているシロップです」
ペイジョーズとアンゴスチュラ、2種類のビターズを用いているのは深みと複雑味を出すため。特にペイショーズは華やかな赤い色で、ウイスキーカクテルに入れると色合いがくっきりと映える。自宅で飲むのもいいが、あまり帰りたくない日、悩みごとがあってどこかでお酒を飲みたい気分の時にバーへ立ち寄って飲みたくなるようなカクテル。女性ボーカルの声を聴きながら、バラの氷が溶けていくのをぼんやりと見つめる……。そんな夜が、時にはあってもいい。
- In The Cold, Cold Night
- 〈レシピ〉
- ・ウッドフォードリザーブ 30ml
・スカーレット 15ml
・フィグ&スパイスシロップ 15ml
・ペイジョーズビターズ 2dashes
・アンゴスチュラビターズ 2dashes
・オレンジピール(ガーニッシュ) - 〈つくり方〉
- 材料をロックグラスに入れて混ぜ、氷を加える。オレンジピールを振りかける。
五十嵐 愛(いがらし・あい)
北海道札幌市出身。幼い頃からパティシエを目指し、製菓専門学校卒業後に上京。パティスリーで勤務する中、先輩に連れられたバーで働くバーテンダーに衝撃を受け、未経験から渋谷のバーで修業を始める。2015年、恵比寿「Bar TRENCH」在籍時に「ビーフィーター グローバル バーテンダーコンペティション」で日本一になり、シンガポールへ。2020年、独立して「Flying Bumblebee(フライング バンブルビー)」をオープン。アブサンをメインに30種類ほどの薬草酒を揃え、製菓や海外経験を活かしたカクテルを提供している。不定期で開催しているジャズライブが好評。
インタビュー・文 いしかわあさこ
東京都出身。ウイスキー専門誌の編集を経て、現在はバーライターとして活動している。世界のバーとカクテルトレンドを発信するWEBマガジン『DRINK PLANET』などに寄稿。編・著書に『The Art of Advanced Cocktail 最先端カクテルの技術』『Standard Cocktails With a Twist スタンダードカクテルの再構築』(旭屋出版)『重鎮バーテンダーが紡ぐスタンダードカクテル』『バーへいこう』『ジン カクテル』(スタジオタッククリエイティブ)がある。愛犬の名前は「カリラ」。
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ウッドフォードリザーブはこちらのオンラインストアでもお取り扱いしております。