2023.03.22 Wed
Woodford Reserve Signature Cocktails甘やかなウイスキー、カカオバターのコク、トニックの酸味をコーヒーがまとめる
松島 瑠里さん / TIGRATOPR:ブラウンフォーマンジャパン
2022年 バータイムズは、20人のトップバーテンダーがつくるウッドフォードリザーブのオールドファッションドをご紹介する「Old Fashioned Original Cocktail」を実施。大きな反響をいただきました。第二弾となる2023年は、オールドファッションドに限定せず、それぞれの個性を活かしたシグネチャーカクテルをテーマとした企画「Woodford Reserve Signature Cocktails」を展開いたします。さらに、本企画では、ウッドフォードリザーブがブランドテーマに掲げる〈女性の活躍〉に関連して、15人の女性バーテンダーのストーリーに注目します。カクテルについてだけでなく、バーテンダーという仕事を選んだきっかけ、その魅力や難しさ、これからの目標など、バーテンダーとしてのストーリーもじっくりとお訊きします。
スペシャルティコーヒーとジェラートも手がけるバーでバーテンダーを目指す
バーであり、スペシャルティコーヒーを愉しめるカフェであり、吟味した素材でジェラートをつくるジェラテリアでもある。東京・四谷「TIGRATO」は多面的な顔をもつ店である。
松島瑠里さんは、2021年9月に「TIGRATO」へ入店した。学生時代の5年間、ジェラート店で販売のアルバイトをしていた経験から、ジェラートづくりに興味があったという。社会に出て、自分が尊敬できる人と働きたいと思っていたところ、知人から「TIGRATO」を紹介される。店を訪れてみると、カウンターできびきびとカクテルをつくり、明るい接客をするバーテンダーの高宮裕輔さんがきらきらと輝いて見えた。自分もこうなってみたい、この人の元で働いてみたい、と入店を決めた。
働き始めてからは毎日が目まぐるしい。上質なスペシャルティコーヒーとエスプレッソマシーンを扱い、ジェラートをつくり、バーテンダーとしてカクテルも提供する。
「まだどれも深いところまでたどり着けてなく、ひとつずつ勉強するしかありません。バーにもあまり行ったことがなかったので、ゼロからのスタートです」
入店から1年半を経て、最近では、カクテルのレシピを考案し、カウンターでシェイカーを振り、メニューにないリクエストにも応えることも増えてきた。成長のために、とカクテルコンペティションへも積極的に挑戦している。
おもしろいけれど難しい。自分らしい接客ができるよう日々精進
「接客はおもしろくてやりがいがある仕事だと思う反面、もっとも難しいとも感じます。人見知りなのでなかなか初対面の方と打ち解けられなかったり、年上のお客さまが多くどこまで距離を詰めていいのか、お客さまがどんな接客を求めているのかと考えすぎてしまったり」
松島さんは、バーテンダーという仕事の難しさをそう語る一方、反応が直ちに見られることにやりがいも感じている。
「ありがとうと言ってもらえたときや笑顔が見られたときに、仕事の喜びを感じます。緊張でうまく接客できない面もありますが、これからいろいろな挑戦をして自分の持ち味や個性、自分の接客を確立していきたいです。1年半働いても接客についての正解が全然見えませんが、私らしい接客ができるようめげずに精進したいと思っています。記憶力が唯一の取り柄なので(笑)、何気ない会話や表情、お名前や好みのお酒を覚えておくことを大切にしています。日々の何気ない日常の中にヒントがあると思うので、自分だけの考えにとらわれずに吸収していくことを大切にしたいです」
「フルーティーな香りで甘さを感じられるウイスキーはたくさんありますが、アメリカンウイスキーは香りと舌の両方で甘さを感じられるのが特徴だと思います。なかでもウッドフォードリザーブは、バーボンでは珍しく、銅製のポットスチルで蒸溜しているので、とてもなめらかで口当たりがよく飲みやすいと思います。重厚感もしっかり感じられ、まさにスーパープレミアムバーボンの名にふさわしいバーボンだと思います。今回はコーヒーを使ったカクテルを提案しましたが、もし他のアプローチを考えるなら、フレッシュフルーツカクテルとしてりんごと組み合わせてみたいですね。ウッドフォードリザーブの個性が感じられて、フルーツにもなじむ一杯になると思います」
カクテル創りにかかった日数は約2週間。キーワードやイメージを書き出したマインドマップは、A4用紙4枚に渡った。緻密なコンセプトづくりは、ウッドフォードリザーブと「TIGRATO」の共通点を探すことから始まった。
「コンセプトの軸は、ウッドフォードリザーブ蒸溜所のウイスキーキャットのエリヤと、イタリア語でトラ猫を表す『TIGRATO』のこと、ディスティラーのクリス・モリスとエリザベス・マッコールの五感に訴えるウイスキーづくりです」
「この店『TIGRATO』が立っている土地は、画家・藤田嗣治氏が住んでいた跡地です。彼の絵は独自の乳白色を使うのが特徴で、その乳白色を思わせるカカオバターを素材に使用することに。藤田氏のパトロンはシャンパン会社の方だったことから、シャンパンの原料であるぶどうを採用。ウイスキーキャットのエリヤはネズミ狩りがあまり得意でありませんでしたが、蒸溜所には欠かせない存在でした。この事から『愛らしい』という花言葉を持つエルダーフラワーを使用したトニックウォーターを使用しました。さらにここに、『TIGRATO』の大きな魅力であるスペシャルティコーヒーを合わせます。味わいだけでなく、五感の中でも記憶に残りやすく、脳にダイレクトに伝わる嗅覚に訴えかけるべくコーヒーの香りを取り入れました。カクテル名は、コーヒーの香りで『TIGRATO』を思い出してほしい気持ちと、エリヤのように愛される心に思い浮かぶ存在になりたいという思いから決めました」
- remember
- 〈レシピ〉
- ・ウッドフォードリザーブ 30ml
・カカオバター 8g
・甜菜糖 5g
・お湯 15ml
・ソーヴィニヨンブランジュース 5ml
・フィーバーツリー エルダーフラワー トニックウォーター 45ml
・アイスコーヒー 20ml - 〈つくり方〉
- ①ウッドフォードリザーブ、カカオバター、甜菜糖、お湯、ソーヴィニヨンブランジュースをよく混ぜて冷やし、濾過しておく。
②グラスに氷(分量外)を入れる。ミキシンググラスに氷(分量外)を入れ、①を注いでステアし、グラスに注ぐ。
③②にフィーバーツリーエルダーフラワートニックウォーターを注ぎ、軽く混ぜ、アイスコーヒーをフロートする。
松島 瑠里(まつしま・るり)
千葉県出身。学生時代、ジェラート店で5年にわたるアルバイトで販売を経験。大学卒業後、歯科助手として働いた後、2021年9月より、東京・四谷「TIGRATO」に入店。バーテンダー業務と並行して、ジェラートの製造とレシピ開発、SNSを担当している。
インタビュー・文 沼 由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸溜酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『読本 本格焼酎。』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。
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