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2023.06.1 Thu

BAR TIMES STOREアンバサダー 長尾和明さんインタビュー動画の中のバーテンダーに衝撃
世界で活躍するバーテンダーを目指す
第1回[バーテンダー編]

BAR TIMES 編集部

2023年4月から、BAR TIMES STORE アンバサダーとなった長尾和明さん(Bar LIBRE/池袋)に、就任記念インタビューを行いました。本企画では、アンバサダーとしてのお話だけではなく、バーテンダーという仕事を選んだきっかけ、その魅力など、バーテンダーとしてのストーリーもご紹介いたします。盛りだくさんのお話を聞くことができたので、「バーテンダー編」「ベトナム編」「アンバサダー編」の3回に分けてご紹介いたします。第1回の今回は、長尾さんがいかにしてバーテンダーになったのか、どんな苦労があったのか、そして現在のBar LIBREのオーナーである清崎雄二郎氏との出会いなどを綴った「バーテンダー編」をお届けいたします。

2万円を握りしめ、銀座のバーを初体験。偶然の出会いから地元香川でバーテンダー人生がスタート

編集部 本日はよろしくお願いいたします。BAR TIMES STOREとして初めてのアンバサダー起用ということで、長尾さんと一緒に今後はどんな活動ができるか、とても楽しみにしています。

長尾 こちらこそ、よろしくお願いします。

編集部 まずは、長尾さん自身について知りたいのですが、何がきっかけでバーテンダーの道を志したのでしょう。

長尾 バーテンダーになる前は、居酒屋とカフェを掛け持ちしながら、何となく将来は自分のお店を持ちたいと夢を描いていました。居酒屋なのかカフェなのか…。そんな時、台湾のバーテンダー Angus Zou(アンガス・ゾウ)の動画を目にしたんです。あまりのカッコ良さにすごい衝撃を受けました。それをきっかけに、自分がやりたいのは居酒屋やカフェではなく、”海外で活躍するバーテンダーだ”という夢を持ち始めたんです。それが23歳の時でした。


1本の動画によって想像もしなかったバーテンダーの道を歩むようになった長尾さん。

編集部 バーテンダーという道があると知ったんですね。

長尾 知らなかったんですよね、それまでバーなんて行ったことないですから。で、バーテンダーという職業にすっかり惚れ込んでしまって、翌週にはもう地元香川から東京に向かい、銀座や赤坂へカクテルを飲みに行きました。2万円を握りしめて。

編集部 わざわざ銀座まで。

長尾 バーといえば銀座っていうイメージがあったんですよね。で、事前に調べて4軒まわりました。実際に見てもやっぱりバーテンダーはカッコいいって思ったんです。それで、香川に戻って居酒屋の店長に「僕、バーテンダーになります!東京に行きます!」って言いました(笑)。

編集部 東京のバーで働くつもりだったのですか。

長尾 はい。そうしたら、店長と仲の良いお客様が、香川でバーを開くからうちで働かないかって。話を聞くと、僕が行った赤坂のバーにいた方が香川出身で、その方が今度の新しい店のマネージャーになるって言うんです。すごく偶然で、これも運命と思ってお世話になることにしたんです。それが「Bar HEEL(バー ヒール)」という6席だけの会員制のバーでした。すごくカッコいい内装でね。今でもあるんですよ。そこから僕のバーテンダー人生がスタートしたんです。

編集部 「Bar HEEL」には何年くらいいたのですか。

長尾 約4年です。お店の1階に「Bar TIE(バー タイ)」という2号店があって、そこでもカウンターに立っていましたし、金曜日は別のバーで修業をして、日曜日は元々働いていたカフェで鍋を振っていました(笑)。なので、まったく休みがなかったんですよね。日々覚えることがたくさんあって、本当に勉強させてもらいました。

大会への挑戦で海外進出の夢も現実に。「Bar LIBRE」オーナー 清崎雄二郎氏との印象的な出会い

編集部 長尾さんはこれまでにも様々な大会に挑戦されていますよね。

長尾 「Bar HEEL」にいた時期は、協会団体やメーカーの大会など色々と挑戦してました。ちょうどその頃から海外で働くお話もちらほらあって。シンガポールとかハワイとか、上海とか。実際に現地を見に行ったりもしたんですよ。でも、なかなか踏ん切りがつかなくて。

編集部 すごいですね、そんなにオファーが。

長尾 ある時、いつも良くしてくださるバーテンダーの方から、後輩がベトナムでバーを開くので一度会ってみたらって声をかけてくれたんです。それで、詳しい話を聞きに東京へ行きました。これまでもそういった機会はありましたけど、お会いする方はだいたいオールバックに白ジャケットを着たいかにもバーテンダーらしい感じの人が多かったんですよね(笑)。で、当日、ホテルの喫茶店で待っていたら、遠くの方から茶髪で紺のストライプのスーツを着た人が、肩で風を切って歩いて来るのが見えて。あ、変な人来たなって(笑)。それが今のオーナー、清崎でした。


Bar LIBREオーナーの清崎さん(左から2番目)と長尾さん(右)。長尾さんは清崎さんのことを「キヨさん」と呼び、リスペクトと信頼の深さを感じる。


清崎さんとの出会いを楽しそうに話す長尾さん。清崎さんのユニークな人柄に惚れ込んだよう。
編集部 個性が強めだったんですね(笑)。

長尾 この人と仕事したいって、瞬間的に思いました。でもベトナムですからね。今でこそ次々にバーが誕生してますけど、その当時、日本人バーテンダーが店を出すなんてないですから。シンガポールやハワイとかならまだ上手くいきそうな想像はできますけど、ベトナムってどうなんだろうって。しかも、リゾート地のダナンですからね。そうしたら清崎が「誰もやっていないところでやりたいんだよね」って言うんですよ。この人面白いなって(笑)。誰もやっていないところで挑戦できるなら、自分も楽しいだろうなって思えたんです。

編集部 それで「Bar LIBRE」に入られたんですね。

長尾 はい。入社して1ヶ月で「Bar LIBRE ダナン ルーフトップバー」の立ち上げでベトナムのダナンへ飛びました。僕の人生を大きく変えた本当に貴重な経験でした。

第2回「ベトナム編」へ続く

長尾 和明(ながお・かずあき)


2010年 地元香川県高松市のダイニングバーで1年間ホールサービスを学ぶ。2013年に6席だけの会員制バー「Bar HEEL」で修業。その後、「Bar HEEL」プロデュースの「Bar TIE」のカウンターに立つ。2017年に「Bar LIBRE」のオーナーである清崎雄二郎氏と出会い、入社。1ヶ月でベトナムのリゾート地 ダナンに渡り、約2年間「Bar LIBRE DaNang Rooftop」のマネージャーを務める。ダナンで開催された「Tito’s vodka competition」で優勝。「OPIHR World adventurer cocktail competition」にも出場する。2019年に「Bar LIBRE DaNang Rooftop」の閉店とともに帰国。2022年6月より「Bar LIBRE 池袋」のマネージャーに就任。その後も大会への出場に挑戦し、world class Japanでは、2022年に続いて2023年もtop10に入る。

Bar LIBRE(バー リブレ)


スペイン語で“自由”を意味する「Bar LIBRE」。自由をテーマにしたオーセンティックな雰囲気のミクソロジーバーだ。クラシックカクテルはもちろん、液体窒素などユニークな技法でつくるカクテルや季節のフルーツを使ったカクテルなど幅広いメニューを用意している。また、提供される器は、ガラス製グラスのほか、日本の作家による陶器で供されるカクテルもあり、味わいだけではなく見た目にも楽しませてくれる。

東京都豊島区西池袋3−25−8 相馬屋ビルB1F
Tel: 03-5956-6406
HP/Bar LIBRE


オーセンティックな雰囲気でありながら、くつろぎの空間が広がる「Bar LIBRE」の店内。長尾さんを筆頭に、様々な大会で受賞歴を持つバーテンダーによる自由な発想のカクテルが楽しめ、クラシックからこの店でしか味わえないオリジナルまで幅広いメニューを用意している。


   

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