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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2023.05.31 Wed

『ニッカ セッション』からインスパイアされる音楽とは2人の個性派ソウルシンガーの一体感とシンクロする『ニッカ セッション』のコーヒーカクテル

高宮裕輔さん(TIGRATO / 東京・四谷)
PR:アサヒビール『ニッカ セッション』。ジャパニーズとスコティッシュモルトの伝統と技術はそのままに、これまででは考えられないブルーボトル、新たな創造や潮流を躍動的に表現したブルーのラベルデザイン、そしてカクテルベースとしての高い可能性。何もかもが新しいウイスキーなのだ。このウイスキーを創造するのに、ブレンダーがイメージしたのは「音楽」。音を奏でるようにモルトを重ねた、心地よい音楽のようなウイスキーを目指した。そんな『ニッカ セッション』からはどんな音楽が聴こえてくるのか。インスパイアされる音楽と、その曲を耳にしながら愉しみたいカクテルを4人のバーテンダーに訊く。

多彩なフックのある個性的なモルトが一体になって調和している

小路に立つ「TIGRATO」は、バーには珍しく昼からのオープンである。大きな窓からは自然光が差し、ともすると落ち着いたカフェのような入りやすさがある。ここで味わえるのは、上質なスペシャルティコーヒーに、素材を吟味した自家製のジェラート。そして、バーテンダー・高宮裕輔さんが生み出すカクテルの数々だ。
現在のスタイルに行きついたのは、営業時間帯や扱うメニュー、来店してくれる客層の幅などを踏まえ、高宮さんがバーテンダーとしての新しい働き方を模索したゆえ。コロナ禍では、オンラインバーなるものも発信してきた。なにしろ「まずやってみよう!」が信条なのだ。

さっそく、自由な感性と創造性から生まれた『ニッカ セッション』の印象と味わいを訊いた。

「黒や透明のボトルが多いなかで、ブルーの色味は新しさを感じました。口に含んだときの飲み口は穏やかで、樽の風味やハチミツのような甘味、バニラ感、ほのかな柑橘の風味、ビター感、それにカカオっぽさも感じられます。斬新な造りでいて、何もかもが新しいというのではなく飲みごたえのある“ニッカらしさ”を残していますね。原酒の個性も感じられますが、それらが調和しているイメージです」

さらに、少し加水して味わってもらう。

「麦由来の甘さを感じられる香りが出てきました。グレーンが入っていない分、麦っぽさが強く感じられます。個性を感じるならトワイスアップは最適な飲み方かもしれません。ハイボールもとてもいいと思います。穏やかでいて、さらっとしすぎず、飲みごたえがあるんです」

 


東京・四谷「TIGRATO」の高宮裕輔さん。「グラスを見れば粘性を感じ取れますが、香りも飲み口も穏やかで、余韻の広がりを感じます」。

福原美穂とAIの歌声から感じられる「固定観念に囚われなくていい」
というメッセージが『ニッカ セッション』と同調

音を奏でるようにモルトを重ねて造られた『ニッカ セッション』。高宮さんが選んだ曲は、日本を代表する女性ソウルシンガー、福原美穂さんとAIさんがコラボレーションした「O2 featuring AI」という曲だ。パワフルなふたりのディーバが重ねる歌声と歌詞からは「常識や固定観念に囚われなくていい」というメッセージがびしびし伝わってくる。

「自分たちで新しい時代をつくっていくんだというメッセージを強く感じて、『ニッカ セッション』に込められた考えと合うと思いました。僕自身も大切にしていることです。「TIGRATO」を始める時、昼からバーができるわけないなんて言われたりもしました。でも気付けば、世の中の風潮として明るいうちから開店するバーも増えました。常識は、時代によって変わるもので、それを続けていく信念が大事なんだと感じています。福原美穂さんとAIさんは、ふたりとも個性的なソウルシンガーでその個性が合わさって新しいものを創っている。さらに共に海外にもルーツがあることも、その力が強い理由かと感じました。『ニッカ セッション』のスコッチとジャパニーズのブレンドという、これまでないウイスキーを生み出した視点とこの曲のメッセージがシンクロしたのです」

曲名の「O2」は「酸素」を意味する。そこから高宮さんがイメージしたのは、深く呼吸をして酸素を吸い込むように、忙しない日常の合間にひと息つけるカクテルだ。

「新しいものを創るときにはそれなりに向かい風もあるだろうし、息苦しさもあるかもしれません。店には近くの大学の学生から会社員の方、近くにお住いの方など幅広い層のお客様がやって来ます。バーに来るお客様みんながハッピーな状況ではないと思うんです。そんなときに寄り添えるカクテルをつくりたいと思いました」

 


『ニッカ セッション』を味わいながら聴きたい曲として挙げた「O2 featuring AI」を収録した、福原美穂さんのアルバム「The Soul Extreme EP」。提供:(株)ソニー・ミュージックレーベルズ

「ソウルフルな2人の個性的な歌声が合わさって生まれる新しさと歌詞から伝わるメッセージが、『ニッカ セッション』と重なります」。

コーヒー、ほうじ茶、カカオと異なる個性が融合して生まれる一体感を表現

高宮さんが考案したのは、スペシャルティコーヒーにほうじ茶、そしてカカオバターを合わせたカクテルだ。『ニッカ セッション』を軸に、もっと副材料を絞っても十分に味わい深いカクテルになり得るが、存在感のある材料を合わせる点にこそ高宮さんの考えがある。

「『ニッカ セッション』が体現しているように、いろんな個性が融合して生まれる一体感をカクテルでも表現したいと思いました。目指したのは、『ニッカ セッション』のようにスムースな飲み口でいて余韻が広がる味わいです。今回使うコーヒー豆は、“サンタテレッサ”という品種をアナエロビックという特殊な製法で仕上げたもの。シナモンやブルーベリーといった味わいが感じられます。コーヒー、ほうじ茶、カカオバターといった風味の中にベリー感を出したかったので選びました。また、エアロプレスは一般的にコーヒーの抽出器具として認識されているものですが、僕にとっては便利な抽出器具であり、コーヒーだけに囚われなくていいと考えています」

プレミックスしておいた材料で挽きたてのコーヒー豆を抽出することで、それは香り高いカクテルが完成する。ひと息つくのにぴったりなティースタイルで、香りを閉じ込めないよう冷やしすぎずに提供するのがコツだ。
香りに癒され、ひと口味わうごとに息を深く吸う。前向きなメッセージと、背中を押してくれるバーテンダーがつくる味わい深いカクテルに、気持ちは上向きになるに違いない。


抽出したてのコーヒーやほうじ茶、そこに溶け込むコク豊かなカカオバターなど、味わい豊かな副素材が『ニッカ セッション』と一体となったコーヒーカクテル。


O2
〈レシピ〉
◎プレミックス (つくりやすい分量)
・ニッカセッション  50ml
・ほうじ茶の茶葉   5g
・カカオバター    20g
・カシスシロップ   5g
・てんさい糖     15g
・お湯        40ml
———————————————-
・コーヒー豆   10g
〈つくり方〉
①コーヒー豆を挽き、コーヒーの抽出器・エアロプレスにセットする。
②プレミックスした素材90mlを①のエアロプレスに注ぎ、かき混ぜる。
③ミキシンググラスに②をセットして抽出し、氷を加えステアする。
④急須に氷を入れ、③を注ぎ入れ、グラスに注ぐ。



O2のカクテルメイキングはこちらからご覧いただけます。


高宮 裕輔(たかみやゆうすけ)
東京・四谷「TIGRATO」バーテンダー、ディレクター、株式会社はくすけ代表。世界的なカクテルコンペティションにおいてファイナリストに名を連ねる実力派バーテンダー。カクテル以外にもコーヒーやジェラートを楽しめる店として、2018年東京・四ッ谷に「TIGRATO(ティグラート)」を開店。昼から営業するなど、バーテンダーの働き方改革にも尽力している。コーヒーへの造詣が深く、日本におけるコーヒーカクテルの第一人者として知られている。

インタビュー・文 沼 由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。


   

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