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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2024.03.8 Fri

「セントパトリックスデー」記念企画
ブッシュミルズで祝うアイリッシュウイスキーカクテル
街が緑に染まる祝祭に乾杯したい
グリーンが冴えるピスタチオのカクテル。

深水 稔大さん(HUGE/NUMBER EIGHT DISTILLERY/FEVER-TREE)
3月17日「セントパトリックスデー」は、アイルランド最大のお祭りが催される日。緑色の扮装でパレードしたり、噴水の水を緑色に染めたりと、街中が緑色に染まる。アイルランドで初めてキリスト教を広めた司教の聖パトリックの命日で、アメリカやカナダ、オーストラリア、ここ日本でも大きな祝祭が催される。
それはまさに、400年以上の歴史を持つ世界最古のウイスキー認可蒸溜所「ブッシュミルズ」を味わうのにぴったりの日でもある。「セントパトリックスデー」に向けて、トップバーテンダーがブッシュミルズのハイボールとオリジナルカクテルを考案。
アイルランドの伝統に祝杯をあげよう!

伸びしろのあるアイリッシュウイスキー。
その中でも高いポテンシャルを感じるブッシュミルズ

バーテンダー、そして蒸溜家としても活躍する深水稔大さん。レストラン事業を展開するHUGEに所属し、メニューや商品の開発、新店舗の立ち上げなど幅広く活躍している。
普段、カウンターに立つバーでは、ウイスキーをリクエストされることが多く、アイリッシュウイスキーの可能性を感じると語る。

ジンの蒸溜も手掛けるバーテンダーの深水稔大さん。バーでジンやテキーラなど多彩なスピリッツを扱うなかでも、「日々、ウイスキーの需要の高さを感じています」と語る。

 

「スコッチやジャパニーズを所望されることが多いのですが、最近はアイリッシュウイスキーのお問い合わせもいただくことが増えました。それでも、ウイスキーの需要が高い状況においてはまだマイナーな存在。その分、伸びしろの大きさを感じます。なかでもブッシュミルズは、アイリッシュウイスキーの伝統的な製法の3回蒸溜による柔らかさがあって飲み疲れず、その一方でシングルモルトに力を入れて多彩な展開があるのが強味。熟成年数による味わいの違いが愉しめます」

種類ごとに飲み方を変えて味わうのもいい。
深水さんいわく、「スタンダードのオリジナルやブラックブッシュはハイボールに。10年、12年、16年、21年といったシングルモルトはロックやストレートがお薦めです。飲み口の柔らかさは、ウイスキーに馴れていない方にも薦めやすく、ウイスキーを味わう際にブッシュミルズを “軸” にしておくと比較対照がしやすいかと思います」

「ブッシュミルズ ブラックブッシュ」の果実味と
スパイシー感がトニックと合わさり、ジューシーに!

食前や食後、リフレッシュの一杯としてもシーンを選ばずに愉しめるハイボール。
深水さんは、「ブッシュミルズ ブラックブッシュ」をベースに、フィーバーツリー プレミアムトニックを合わせることを提案する。

「オロロソシェリー樽とバーボン樽での長期熟成によるしっかりした風味があるブラックブッシュにはいつもの炭酸水割りでなく、フィーバーツリー プレミアムトニックを合わせると、甘味と酸味が加わってぐっとジューシーになります。仮に、ベースをスタンダードの『THE ORIGINAL』にするなら、フローラルな味わいのフィーバーツリー メディタレーニアンを合わせるのがいいですね。ハイボールと一言でいっても実はウイスキーのカクテル。多様性があって、トニックウォーターを選ぶことでその相性のよさを感じられます」


シェリー樽熟成由来の熟した果実の香りと重厚な味わいが特徴のブッシュミルズ ブラックブッシュのハイボール。フィーバーツリー プレミアムトニックと合わせることで、ピールを振りかけただけでも果汁をたっぷり搾り入れたようなジューシーさが広がる。

BLACK BUSH tonic (ブラックブッシュトニック)


〈レシピ〉
・ブッシュミルズ ブラックブッシュ:45 ml
・フィーバーツリー プレミアム トニックウォーター:180ml
・オレンジピール   

〈つくり方〉
1.グラスに氷を入れ、ブッシュミルズ ブラックブッシュを注ぎ、ステアする。
2.フィーバーツリー プレミアムトニックウォーターを注いで軽くステアし、オレンジピールを絞りかける。


BLACK BUSH tonic (ブラックブッシュトニック)のカクテルメイキング動画はこちら

手製ミルクパンチに「ブッシュミルズ シングルモルト10年」をフロートして、
いろんな表情を味わう

セントパトリックスデーにふさわしいオリジナルカクテルとして差し出したのは、クリアな緑色が美しい一杯。
「ブッシュミルズ シングルモルト10年」をフロートさせた2層の色味も魅力的だ。

「どうやって緑色を表現しようかと考えたときに、ピスタチオが思い浮かびました。ミルクウォッシュの手法を使うことで、まろやかなミルキーさが加わります。そこにフィーバーツリー ジンジャービアを合わせることでスパイス感が後味となってキレが生まれます。シングルモルト10年は、輪郭がしっかりしているのに全体的には柔らかい飲み口なため、フロートにしてもスムースな飲み心地に。最初はブッシュミルズ本来の味わいを、後半は全体を混ぜて一体感を愉しんでください。甘さはありますがそう度数が高くないので、食前や食後のカクテル、あるいはベリーやチョコレートを使ったデザートやチーズと合わせてもよいかと思います」


シェリー樽とバーボン樽で10年以上熟成したブッシュミルズ シングルモルト10年は、ハチミツ、バニラやチョコレートなどの甘い香りと複雑な味わいが特徴。コク豊かでまろやかなミルクパンチと同調しながらも、フレッシュな力強さが際立つ。

St.Green (セント グリーン)


〈材料〉
・ブッシュミルズ シングルモルト10年:45ml
・ピスタチオ ジンジャー ミルクパンチ(*1) :120ml
・ブルーキュラソー:4dash

(*1)ピスタチオペースト30gをフィーバーツリー ジンジャービア1本(200ml)で伸ばし、牛乳60mlを加えた後、酸(レモン汁など)を加えてタンパク質を凝固させる。ペーパーフィルターで濾し、プレーンシロップで適宜甘味を付ける。

〈つくり方〉
1.ミキシングティンにピスタチオ ジンジャー ミルクパンチ、ブルーキュラソーを入れ、スワリングする。
2.グラスに氷を入れ、1を注ぐ。ブッシュミルズ シングルモルト10年をバースプーンに伝わせて静かに注ぎ、フロートする。


St.Green (セント グリーン)のカクテルメイキング動画はこちら


深水 稔大(ふかみ としひろ)
1977年、熊本県生まれ。学生時代にBarでアルバイトをしたことをきっかけに飲食業界へ。株式会社HUGEではバーテンダーとして現場に立つ傍ら、商品開発や新店舗の立ち上げに関わる。2019年、FEVER-TREEジャパンアンバサダー就任。同年、都市型マイクロディスティラリー「NUMBER EIGHT DISTILLERY」蒸留責任者に就任し、ジン造りも行うハイブリッドバーテンダーとして多岐に活動中。2017年より、有志のバーテンダーでチャリティーイベントを主催。


インタビュー・文 沼 由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。


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