2024.04.22 Mon
「WOODFORD RESERVE 1st A Spectacular Discovery」優勝者インタビュー「よし、優勝をとりに行こう!」がモチベーション。緊張が楽しさに変わった瞬間、自然体のパフォーマンスが発揮できた
生天目 達成さん(BEE'S KNEES/京都)[PR]ブラウンフォーマンジャパン株式会社
日本におけるウッドフォードリザーブ初のカクテルコンペティション「WOODFORD RESERVE 1st A Spectacular Discovery」。次世代のバーシーンを牽引する若手バーテンダー10名が、ジャパンファイナリストとして2024年3月19日、渋谷のTRUNK(HOTEL)に集結した。ウッドフォードリザーブが誇る「ひと口ごとに五感がきらめく200以上の味と香り」の特徴を最大限に生かした「Newオールドファッションド」をテーマに、それぞれの選手たちはプレゼンテーションを交えながら、審査員も舌を巻くほどの高いクリエイティビティを発揮した。そして、その頂点に立ったのが、初代優勝者の生天目 達成さんだ。ウッドフォードリザーブの魅力やコンペティションに注いだ想い、優勝した今の気持ちについて話を聞いた。
編集部 この度は優勝おめでとうございました。初代優勝者となった今のお気持ちをお聞かせください。
生天目 ありがとうございます。3位と2位が発表された時、あぁ、もうダメかって思っていたので、最後に自分の名前が呼ばれた瞬間「ウソだろっ!」て。僕自身が一番驚きました(笑)。今まで数々のコンペティションに出場しましたけど、初めての優勝だったのでめちゃくちゃ嬉しかったです。
編集部 表彰台ではものすごく喜びを爆発させていました(笑)。優勝につながったポイントはどのあたりにあったと思いますか。
生天目 自然体でいけたところですかね。僕はウッドフォードリザーブが大好きで、いかにこのウイスキーが素晴らしいポテンシャルを持っているかとか、このウイスキーでつくった自分のオールドファッションドを是非飲んでもらいたい、という普段の営業と同じ熱量で審査員の方々にプレゼンテーションできたからだと僕は思っています。審査員の一人、ウッドフォードリザーブのアジアブランド大使であるホリー・グラハムさんからは、ウッドフォードリザーブの味わいがもっとも感じられた作品だったと嬉しい評価をいただきました。
編集部 プレゼンテーション前は少し緊張した面持ちでしたが。
生天目 それはやっぱり緊張しますよ(笑)。しかも、ジャパンファイナルの会場が、僕の予想を遥かに超える豪華絢爛な雰囲気だったので、プレッシャーとワクワクする気持ちが混ざり合った独特の緊張感でした。でも、大会出場が決まった時、「よし、優勝をとりに行こう!」っていう気持ちで準備していたので、結果が出せて本当に良かったです。
編集部 BEE’S KNEESの先輩バーテンダーである有吉 徹さんからはどんな言葉をかけられましたか。
生天目 「お前やったなー!」って、すごく喜んでくれました。いつもお世話になっている先輩からそう言ってもらえて僕も嬉しかったです。
編集部 今大会では、ウッドフォードリザーブの特徴である「ひと口ごとに五感がきらめく200以上の味と香り」を引き出した、Newオールドファッションドを創作するというのがテーマでした。生天目さんはこのテーマをどう捉え、どのように取り組もうと考えましたか。
生天目 まず、レシピやカクテルの見た目から“New”を感じられる必要があると考えました。一方で、ウッドフォードリザーブのクラシカルなオールドファッションドの味わいも外してはいけない。Newとクラシカルな要素を両方詰め込んだ新感覚のカクテルに仕上げようと、それを再現できる材料を探しました。
編集部 そのNewを感じさせるものこそが、ウィニングカクテル「Triple crown(トリプル クラウン)」で使用したレッドオニオンバルサミコ酢だったのでしょうか。
生天目 そうなんです。ウッドフォードリザーブがケンタッキーダービーのオフィシャルバーボンウイスキーであることから、その土地の文化や関連する事柄をストーリーとして構築したかったんです。あちらでは、「ケンタッキー・ベネディクティン・スプレッド」といって、クリームチーズにキュウリなどを混ぜ、パンやクラッカーにディップして食べるカントリーフードがあって、100年以上も前から地元で愛されています。特にケンタッキーダービーの時期にはよく食されていて、オニオンも欠かせない素材なんです。僕はこのオニオンをどうにかしてNewオールドファッションドに生かせないかと、以前から知っていた「レッドオニオンバルサミコ酢」を合わせてみたんです。カクテルとして僕も先輩も使ったことがなかったですし、もしかすると誰も使ったことがないかもしれない、これは面白いって。で、実際に合わせてみたら抜群のバランスをみせたんです。
しかも、この「ケンタッキー・ベネディクティン・スプレッド」は、その名の通り“ベネディクティンさん”という人が考えたレシピなんですよ。僕の「Triple crown」にも薬草酒のベネディクティンが入っているので、この一杯にケンタッキーにまつわる様々な要素が含まれているんです。
編集部 「Triple crown」はどのような味わいですか。
生天目 ベースにしっかりとウッドフォードリザーブを使用しているので、まずボリューム感があります。副材料のグリオッティン リキュールはチェリーの果実味があってフレッシュな酸味があり、薬草酒のベネディクティンで苦味を、レッドオニオンバルサミコ酢で深いコクを感じます。ガーニッシュを食べるとまた違った味わいに変化することもオールドファッションドの元来の楽しみ方の一つを表現しています。
編集部 (ひと口飲んで)喉を通った後の余韻にオニオンを感じます。確かに、これまでにない新しいオールドファッションドの形ですね。新しい形と言えば、なぜステムグラスを使用しているのですか。
生天目 さっきも言った通り、見た目にもNewが感じられる必要があります。それと、ロックスタイルで氷による加水で味わいを変えたくなかったこと。また、空気中の温度は上にいくほど暖かくなるので、背の高いグラスを使うことで飲みすすめるうちに液体の温度が変化し、より味わいを感じやすくなると思ったからです。しかもこのグラス、よく見ると玉ねぎの形に似てません?(笑)王冠にも似たこのグラスのシルエットも気に入っています。
編集部 なるほど。王冠の形がカクテル名にもつながってきますね。
生天目 古いものと新しいものが調和したNewオールドファッションドで、ウッドフォードリザーブのこれまでの功績をカクテルで表現したくて「Triple crown」とこれ以上ない賞賛の言葉を冠した名前の作品にしました。うちのお店は世界各国からお客様がいらっしゃるので、会話をしながらカクテルのレシピやネーミングについて多くのインスピレーションを得ることができました。それは最大の利点でした。
編集部 優勝後に感じたことはありますか。
生天目 今までずっと自分を見てくれていた先輩や友人、お客様からお祝いの言葉をいただき、やっと一つ結果として物事を達成することが出来たと感じています。
編集部 今後はまた新しいオールドファッションドを創造されるのでしょうか。
生天目 そうですね。今大会で他の選手がつくったカクテルもすごく刺激になりましたし、何よりも僕自身がクラシックカクテルのツイストが好きなので、これからもどんどん深掘りしていきたいですね。そう言う意味では、今回のNewオールドファッションドというテーマは僕もずっとやりたかったことなので、すごく楽しかったです。
編集部 副賞としてウッドフォードリザーブの蒸溜所見学が贈られますが、現地でどんなことを吸収したいですか。
生天目 大好きなウッドフォードリザーブがどうつくられているのか間近で見られるのは本当に楽しみです。また、できる限り多くのバーに足を運んで、新しいカクテルや現地のバーテンダーが使う材料やテクニックを見て、聞いて、それをどんどん取り入れて自分の引き出しを増やしていきたいです。まだまだ知らないことの多いこの世界で、自分の経験が誰かを幸せにすることが出来るように挑戦し、勉強します!
編集部 今後のご活躍をBAR TIMESも応援しています。本日はどうもありがとうございました。
- Triple crown(トリプル クラウン)
- 〈レシピ〉
- ・ウッドフォードリザーブ/40ml
・ベネディクティン/3.5ml
・グリオッティン リキュール/5ml
・アンゴスチュラビターズ/1dash
・レッドオニオンバルサミコ酢/10drop
・レモンピール(ガーニッシュ)
・グリオッティンチェリー(ガーニッシュ)
・クランベリーチョコレート(ガーニッシュ) - 〈つくり方〉
- ①ミキシンググラスに全ての材料を入れて、氷を加えてステアし、カクテルグラスに注ぐ。
②レモンピールのオイルを振りかけ、カクテルピンに刺したグリオッティンチェリーとクランベリーチョコレートを飾る。
▼プロフィール▼
生天目 達成(なまため・たつなり)
18歳より横浜、東京のレストランにて研鑽を積む。2014年バーテンダーとしてのキャリアアップの為、オーストラリアに渡豪。様々なタイプのバーにて経験を積む。帰国後、2017年より横浜のバー、Newjackにて勤務。2020年Anfa主催のフレアコンペティションにて金賞を受賞。同年より姉妹店である京都のバー、BEE’S KNEESにて勤務。京都から世界へをテーマに、各国から訪れるゲストに最高の時間とカクテルの楽しい体験を提供している。
BEE’S KNEES
BEE’S KNEESは、アメリカの禁酒法時代の潜り酒場をテーマにしたバーで、黄色のTHE BOOK STOREと書かれた扉が目印。店名でもあるクラシックカクテル「ビーズニーズ」を京都風にアレンジしたものや、マフィアをテーマにしたノットゴットファーザーはミニチュアのホンブルグハットと一緒に提供するなど、定番カクテルを遊び心溢れるアレンジに。権威ある「アジアのベストバー50(Asia’s 50 Best Bars)」 に2020年より4年連続で選ばれている国内外から注目されているバー。
◎住所:京都府京都市中京区紙屋町364 マツヤビル 1階
◎電話番号:075-585-5595
◎営業時間:18:00-1:00
◎定休日:日曜日
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