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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2024.06.17 Mon

セッションするたび、自由がみつかる。〜あなたとニッカの“セッション”〜型を打ち破り、新しいフィールドに挑むチャレンジ精神に共感

高野 真さん(BAR chapter/神奈川・横浜)
[PR]アサヒビール株式会社

2024年で創業90周年を迎えるニッカウヰスキー。数あるウイスキーの中でも、『ニッカ セッション』は2020年発売の比較的新しい銘柄だ。日本の「余市蒸溜所」「宮城峡蒸溜所」とスコットランド「ベン・ネヴィス蒸溜所」で造られたモルト原酒をブレンドし、「ブレンデット・モルト」という斬新な発想のもとに誕生。まさに、互いの個性を発揮しながら奏でる音楽セッションのような調和を堪能できる。

当企画では、3人のバーテンダーに『ニッカ セッション』を使ったカクテルを考案してもらう。さらに、「あなたとニッカの“セッション”」をテーマに自身のバーテンダー人生とニッカウヰスキーが共鳴し、「奏楽」する点を語ってもらった。

2人目は、横浜「BAR chapter(チャプター)」の高野 真さんだ。

日本のウイスキーの型を打ち破った『ニッカ セッション』

横浜の繁華な歓楽街。「BAR chapter」は居酒屋や中華料理店など飲食店が入るビルの4階に位置する。

バーに一歩入ると、喧騒は消え、凛とした空気に包まれた。少し背筋が伸びるようなキリリとしたオーセンティックなバーだ。レコードの音が心地よい。カウンターの中央では、オーナーバーテンダーの高野 真さんが手際よく美しい所作でカクテルをつくっている。流れるようなバーテンディングは見惚れてしまうほど。味わいへの期待も高まるというものである。 

29歳で独立し、2011年に店をオープン。今年で13年を迎える。高野さんにとってニッカウヰスキーは、「日本のウイスキーの中核にあるもの」。バックバーに欠かせない銘柄ばかりだと言う。知名度のみならず、その味わいに大きな魅力を感じている。 

「バーテンダーの道を歩み始めた24歳の時、竹鶴21年を飲んで、日本にこんなにも芳醇なウイスキーがあったんだと驚きました。円熟した味の奥行き、完成度の高さに感動しましたね」

「竹鶴」には思い入れが強く、その分、『ニッカ セッション』の登場に衝撃を受けた。

「グレーンを入れずに日本のモルトウイスキーとスコットランドのモルトウイスキーをブレンドするなんて。鮮やかなブルーボトルの見た目も新鮮で、こんなにも自由度が上がったんだと、型破りな発想に驚きました。飲んでみると、モルトの甘さに加えて、チョコレートのようなビター感に爽やかな香りが広がります。モルトだけのブレンデッドならではの力強さも感じますね。互いが補いあって、ニッカ セッションにしか出せない味わいがあります。力強いロックにもなるし、爽やかなハイボールにもなる汎用性の高いウイスキーです」


「BAR chapter」オーナーバーテンダーの高野 真さん。「複雑味のあるニッカ セッションはハイボールでも個性が映え、リピートされるお客様がとても多いウイスキーです」と。

甘味、苦味、旨味、塩味がジャムセッションする麦芽のデザートカクテル

「ウイスキーの原料である大麦麦芽を活かして、香ばしくも複雑で立体感のあるカクテルに仕立てることを目指しました。ごくわずかな塩を加えることで、甘味や旨味を引き立たせます。〆のカクテルとして、材料はなるべくシンプルに。それでいて甘味、苦味、旨味、塩味といった味わいがジャムセッションのごとく重なりあうように仕上げています」

span class=”caption”>オリジナルカクテル「New Attempt(ニュー アテンプト)」。クリーミーで甘く香ばしく、『ニッカ セッション』の味わいも存分に活かした秀逸のバランス。Attemptは「挑戦する」「試みる」といった意味を持つ。


New Attempt(ニュー アテンプト)
〈レシピ〉
・ニッカ セッション 30ml
・フランジェリコ(ヘーゼルナッツリキュール) 15ml
・自家製麦芽クリーム (*1) 60ml
・バニラシロップ 15ml
・塩 少々

(*1) 自家製麦芽クリーム
大麦麦芽10gに生クリーム90gを入れてブレンダーで攪拌する。1日寝かせて、ストレーナーで濾す。

(仕上げ用)
ビターチョコ

〈つくり方〉
すべての材料と氷をシェーカーに入れてシェイクし、カクテルグラスに注ぐ。
ビターチョコを削りながら振りかける。


「New Attempt」のカクテルメイキングはこちらからご覧いただけます。

いいと思うものを創り続け、新しい事にトライするチャレンジ精神に刺激を受けた

バーテンダーとしてのキャリアを堅実に積み上げてきた高野さんだが、この世界に入る前は精神科ソーシャルワーカーというまったく異業種の仕事に就いていた。

「高校3年生の時、ひさしぶりに会った友人が精神疾患を患っていて。その時何もできなかったことが心に残り、福祉の専門学校に進学して卒業後は病院で精神科ソーシャルワーカーとして2年働きました。その一方で、学生のときに飲食店でアルバイトをしていたのですが、お客様に喜んでいただくことへのやりがいが忘れられなくて、バーテンダーの道に入りました。ソーシャルワーカーの経験のおかげで、どんなお客様がいらしても物おじしなくなったと思います」

オリジナルカクテルのみならず、現在は自身の営むラーメン店のメニュー開発も手掛ける。縁を大事に、人を育てていきたいという思いも抱いている。

コロナ禍でバーの営業ができなかった際には、かねてより縁のあったラーメン店で働いた。バーとはまた違う食の世界を知り、人との縁と偶然のタイミングから、今年3月には何とラーメン店を開業してしまった。バーとラーメン店という異色の組み合わせで、新しいサービスを生むことも考えている。

「新しいことにトライするのが好きなんです。その点で、ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝さんのストーリーに刺激を受けます。今でこそ日本のウイスキーの父と言われていますが、右も左もわからない中で新しい何かを開拓していく素晴らしい精神をお持ちだと思いました。自身がいいと思うものを創り続け、新しい事にトライする精神です。時代が変わっていくなか、僕自身もチャレンジしていく心を忘れず、新しい種を蒔いていきたいと思います」


高野 真(たかの まこと)
『BAR chapter』オーナーバーテンダー。1982年生まれ、神奈川県出身。高校卒業後、福祉の専門学校に進学。卒業後は病院で精神科ソーシャルワーカーとして2年勤務。専門学生の頃に飲食店でアルバイトをした経験から、老舗ジャズバー「491house」にて5年間修業し、29歳で独立。2011年、2坪6席のみの「BAR chapter」を白楽駅前に開店し、今年で13年を迎える。2013年には横浜で開催されたカクテルコンペティションでグランプリを獲得。7年間の営業を経て、2018年、現住所へ移転。2024年、関内にラーメン店「つけめん 章」開店。

BAR chapter(バー チャプター)
神奈川県横浜市西区南幸2-10 -18 東海屋ビル 4F
アクセス: JR・地下鉄・私鉄『横浜』駅 徒歩5分
営業時間:18時〜27時/定休日は日曜
TEL:045-320-9300


インタビュー・文 沼 由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『読本 本格焼酎。』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』『EST! カクテルブック』(ともにプレジデント社)などがある。


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