2024.07.2 Tue
「ホイッスルピッグ カクテルコンペティション 2024」優勝者インタビューカクテルラヴァーの間で話題
ライ麦100%のプレミアム ライ・ウイスキー「ホイッスルピッグ」カクテルコンペティション 初代チャンピオン
保志 綾 さん(Bar Dealan-Dé/東京)プレミアム ライ・ウイスキーブランド「ホイッスルピッグ」は、日本初開催となる「ホイッスルピッグ カクテルコンペティション 2024」を5月21日に行いました。総エントリー数は200件にものぼり、「Relax with Rye」をテーマに第一次、第二次審査を通過した10名のファイナリストが最終決戦の会場に集結。審査員や多くのゲストが見守る中、各選手ともプレゼンテーションを交えながら腕を競い合い、自由で豊かなクリエイティビティを発揮しました。頂点に立ったのは、東京・西麻布にあるBar Dealan-Dé(バー ディランジ)の保志 綾さん。コンペティションへの挑戦は数年ぶりという保志さんに、ホイッスルピッグの魅力や大会にかけた想い、初代チャンピオンとなった気持ちをうかがいました。
編集部 この度は優勝おめでとうございます。まずは、初代チャンピオンになった今のお気持ちをお聞かせください。
保志 優勝が決まった瞬間は本当に驚きと喜びでいっぱいでした。コンペティションに挑戦するのは数年ぶりで、その間、結婚、妊娠、出産、育児と新しいステージを経験し、環境の変化の中で自分自身がどこまでやれるのか、不安はありましたけど試してみたかったんです。なので、この結果にとても満足しています。「ホイッスルピッグ」は欧米を中心に知名度も人気も高いブランドなので、その大会で優勝を手にすることができて本当に嬉しいです。
編集部 ご自身で、優勝につながったポイントはどのあたりにあったと思いますか。
保志 やはり、「ホイッスルピッグ」の味わいを最大に引き出し、活かすことができたからだと思います。その点においては私がもっとも得意とする分野なんです。それと、創作したカクテルの材料はどこでも手に入るものなので、その再現性の高さもポイントだったのかもしれませんね。コンペ終了後に、審査員の方々とお話しする機会があったのですが、共通して「純粋に美味しかった」と言っていただけました。バーテンダーとしてこれ以上にない褒め言葉です。
編集部 今大会のエントリー数は実に200件にものぼり、第一次、第二次審査を経て10名がファイナルに進出しました。最終決戦はどのようなモチベーションで臨みましたか。
保志 当店からもう一人のバーテンダー、天井も挑戦し、第二次審査に進んでいましたので、ファイナルで是非一緒に闘いたいと思っていました。残念ながら最終に残ったのは私だったので、それならば天井の分も背負って必ず優勝するぞという気持ちが強くなり、責任感とやる気が一層高まりました。
編集部 第二次審査に提出する動画撮影ではなかなか苦労したとお聞きしました。
保志 アナログ人間なのでとても難しかったです。普段は動画を撮ることはあまりないので、すぐさまスタッフに相談して方向性やコンセプトを打ち合わせ、全面的に協力を仰ぎました。最近のコンペティションは進んでいるんですね(笑)。
編集部 ここからはカクテルについてお聞きします。今大会のテーマは「Relax with Rye」でした。保志さんはこのテーマをどう捉え、どのように取り組もうと考えましたか。
保志 日常でのリラックスシーンを考えた時、バーでお客様がリラックスしている姿が自然と思い浮かんだんです。その情景を形にしようと取り組みました。
仕事柄、日本国内はもとより世界中のバーを巡り、カクテルのトレンドや味わいの傾向などを視察するのですが、昨今エスプレッソ・マティーニの人気が高まっていることに注目し、ライ麦100%の香り高い「ホイッスルピッグ」で、新しいスタイルのエスプッレッソ・マティーニを提供できないかと考えたんです。一般的には三角形のマティーニグラスが使われますが、それだとちょっとリラックスというイメージにはならないんですよね。デミタスカップで提供すれば肩肘張らずに楽しめる最高のリラックスタイムになるんじゃないかなと思ったんです。
編集部 それが「MJ’s espresso」なんですね。
保志 はい。「MJ’s espresso」のコンセプトは、『ホイッスルピッグカフェ』という空想のカフェが舞台で、オーナーのMJが提供するおすすめのカクテルなんです。リラックスしたい時や集中したい時、ホッと一息つきたい時に寄り添ってくれる一杯をイメージしました。
編集部 MJとは、実際の「ホイッスルピッグ」のファームで飼育されているブタの名前、モーティマー・ジュニア(MJ)のことですね(笑)。どんな味わいが特徴ですか。
保志 練乳が入っているので甘味もふくよかですが、仕上げに塩を効かせたホイップクリームをフロートさせているので、甘味と塩味が絶妙なバランスを取り合っています。この塩味によって「ホイッスルピッグ」の輪郭がくっきり現れてくるんです。最後にコーヒー豆を2粒浮かべ、ブタちゃんの鼻をイメージさせた可愛らしい見た目に仕上げているところも気に入っています(笑)。
- MJ’s espresso(エムジェイズ エスプレッソ)
- 〈レシピ〉
- ・ホイッスルピッグ/35ml
・エスプレッソ/40ml
・練乳/10ml
・メイプルシロップ/5ml
・チェリーエキス/5ml
・生クリーム/20ml
・塩/ひとつまみ【ガーニッシュ】
・コーヒー豆/2粒 - 〈つくり方〉
- ①生クリーム、塩以外の材料をシェーカーに入れ、氷を加えてシェーク。
②デミタスカップに注ぎ、生クリームと塩を合わせたゆるめのホイップクリームを上からフロート。
③コーヒー豆を並べて浮かべる。
編集部 全体を通して保志さんにとってどのようなコンペティションでしたか。
保志 本当にたくさんの勉強をさせていただいた大会でした。ほぼ100%ライ麦でできたライ・ウイスキーのカクテル開発、動画作成、プレゼンテーションスタイルのファイナル、普段と違う環境での演技などすべての段階で勉強、勉強でした。先ほども言った通り、私自身も環境の変化があっての出場だったので、試行錯誤しながら進んで行きました。
特に、結婚や出産、育児などを理由に一旦カウンターを離れてしまう女性バーテンダーも多いと思います。復帰して長いブランクがあったとしても、こうして大会で優勝することができるんだと、私が身をもって示し、彼女たちに夢を与えられたのではないかと自負しています。この優勝を通じて、もっともっと女性バーテンダーの位置付けを上げていきたい、そんな風に思っています。もちろんそこには、支えてくれたお客様や関係者の皆様、家族がいてこそ。本当に感謝しています。
編集部 副賞として「ホイッスルピッグ」ファームへ招待されるとのことですが、どのようなことを吸収したいですか。
保志 「ホイッスルピッグ」を深く理解する上で、とても興味深いことがありました。ライ麦のデンプン質は糖化が難しく、作業過程で粘着性が高くなるんだそうです。つまり、ライ麦の比率が高くなればなるほど高い技術力が要求されることになります。「ホイッスルピッグ」は、ライ麦比率ほぼ100%にこだわり、研究を重ね、これまでのライ・ウイスキーの概念を覆す豊かな香ばしさと甘味、複雑な味わいを確立させました。実際にファームを訪れ、生産者の方々とお話ししたり、製造工程を見て、その素晴らしさに触れたいと思います。そしてお客様に「ホイッスルピッグ」がいかにクオリティの高いライ・ウイスキーなのかを伝えていきたいと思います。
そうそう、“『ホイッスルピッグカフェ』のMJオーナー”に実際会えるので挨拶しなくちゃと思ってます。今から楽しみです!
編集部 今後のご活躍をBAR TIMESも応援しています。本日はどうもありがとうございました。
▼プロフィール▼
保志 綾(ほし・あや)
福島県生まれ。数々の大会で優勝や受賞歴を誇るトップバーテンダー、保志雄一を父に持つ。大学卒業後、一般企業への就職が決まっていたが、父の仕事を知るべくバーでアルバイトをしたのを機に、本格的にバーテンダーの道を志す。中目黒「スプ―トニク」をはじめ、バーや鮨店で経験を積み、2017年、弟・拓也さんと「Bar Dealan-Dé」を開店。オーナーバーテンダーを務める。
Bar Dealan-Dé
小さな看板だけが目印の隠れ家的バー。「人とのつながりを大事に」をモットーに、コミュニケーションを大事にしている。カクテルを目指して来る客が多く、なかでも時代に左右されない、クラシックカクテルに力を入れる。
◎住所:東京都港区西麻布3-13-20 HIDEビル3F
◎電話番号:03-6432-9824
◎営業時間:18:00〜
◎定休日:日曜日、月曜日
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