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NEW2024.07.3 Wed

ザ・バルヴェニー クラフトマンシップ プロジェクト〜匠のいるBARを訪れて「20代、30代の常連客が、バルヴェニーを飲む理由。」

井上晃次さん(BAR Inoue/白山)
ちょうど今から1年ほど前「ザ・バルヴェニー クラフトマンシップ プロジェクト」と称し、日本有数の文教地区である東京都文京区を中心に本活動がスタート。確かな技術と比類なき職人魂が深い味わいを織りなすクラフトウイスキー、ザ・バルヴェニーを味わうためオリジナルの銀器を伝統工芸士:笠原宗峰氏の手により製作。この銀器を使用し実際に来店客へ、ザ・バルヴェニーを提供してきた4名のバーテンダーへ、この1年の変化や気づきについて訊いてみた。

伝統工芸士、笠原宗峰氏の銀器開発ストーリーや、昨年の「ザ・バルヴェニー クラフトマンシップ プロジェクト」の詳細はこちらのリンクからご覧ください。
https://www.bar-times.com/balvenie/

人と人の繋がりが強い店ならではの広がり 

「ザ・バルヴェニー クラフトマンシップ プロジェクト」始動1年を振り返ってみていかがですか?

「もともとバルヴェニーを飲まれるお客様はいらっしゃいましたし、私から強く勧める、ということはなかったのですが、いつの間にかお客様の間でブームになってました。」

店内の盛り上がりをいつも嬉しそうに見守る井上さん

すごいですね。何か秘訣はあるんでしょうか?

「この店は“私から→お客様”というコミュニケーションよりも“お客様⇄お客様”のコミュニケーションの方が圧倒的に多いので、誰か一人、気に入ってくれて話題にしてくれるとみんな興味を持って試してみようか、という空気にはなりますね。」

常連さんが多いということですよね。

「もちろん、よく来てくれる顔なじみのお客様も多いですが、ガチガチの常連客ばかり、という店かというとそうでもない。紹介できてくれる人もいますが、意外に多いのが通りかかって中をのぞいて恐る恐る入ってみる…という。」

今もたくさんお客様がいらっしゃってますが、一緒に来られたお仲間だけじゃなく、たまたま隣に座られた方にみなさん気軽に声かけられる雰囲気がありますね。

今日もBAR Inoue のカウンターは盛況。両端の遠い席同士で会話が飛び交うことも。

「癖がないのに、しっかり味わえる。私たちにちょうどいいウイスキー。」 

せっかくなので、お客様にもお話しを伺おうと思いますが、宜しいでしょうか?

(来店客:ナタリーさん ※以下 ナタリー)「はい。でも元々ワイン好きだったので、あまりウイスキー詳しくないですが大丈夫でしょうか?笑」

ワイン好きと言いながら、今バルヴェニーを飲んでらっしゃいますが、どういうきっかけで飲むようになったんでしょう?

ナタリー:「ここに来て周りの人が話題にしてて、じゃちょっと飲んでみようかなって。ウイスキーは私には重いかなって思ってしばらく離れてたんですけど、バルヴェニーは飲みやすいし、甘さもあるのにスッキリしてて、これはいいかもって。」

お隣の男性もバルヴェニー飲まれてますね。

(来店客:五十嵐さん ※以下 五十嵐)「はい。僕はもともとウイスキーが1番好きなので、かなり飲ませていただいてます。癖のある味はあまり好きではないんですが、ちゃんと個性は欲しいので、ここのところバルヴェニーのハイボールばっかり。」

ナタリー:「ワインのお話になってしまって恐縮ですが、選ぶポイントって意外にストーリーだったりするんですよね。ボルドーでなんとか賞をとりましたって羅列されるよりも、このワインはこういう人が作っていて…なんて聞くと飲みたくなる。周りの人からの受け売りですがバルヴェニーにもブランドストーリーがあって、未だに手作業で作られる工程があるんだ、なんて聞くと味わってみたくなります。」

中央がナタリーさんと五十嵐さん。他のお客様も交え、会話がつきない。

五十嵐:「あと、アレ、すごいよね。」(バルヴェニーの銀器グラスを指差して)「初めて見た時『何あれ⁈』って。 ナタリーの言うストーリーじゃないですけど、これは何かあるぞ、となって(笑)井上さんに色々とお話を伺って深みにハマった感じはあります。」

ナタリー:「今は何か他のものを飲んでいて、ちょっと物足りないなって時にバルヴェニーを注文するようになって。飲みやすいんだけど、味がしっかりしてて満足度の高い1杯です。」

五十嵐:「意外と女性もよく飲んでるなぁと思いますね。ここに一人でこられてる方なんかバルヴェニー連打してるイメージ。あ、ほら、あそこにも笑」(他の顔なじみの来店客を指差して)
「もともとハイボールは好きなんですが、特にこのグラスがキンキンに冷えて美味しい!」

オリジナル銀器のグラスでバルヴェニー ハイボールを愉しむ。グラスを持つ手からも心地よい冷たさが伝わる。

仲がいいのに近すぎない、ここへ来るお客様同士とバルヴェニーは似た関係

みなさん仲がいいだけでなく、お若いですよね?拝見したところ20〜30代の方ばかりという印象ですが、こういうBARでこの年代が集まるのも珍しいんじゃないでしょうか?

「土地柄というのもありますし、みんな仲がいいのに踏み込み過ぎない感じもちょうどいいのかもしれないですね。バルヴェニーがブームになったのも、僕からの一方的なレコメンドではなく、周りのお客さんからジワジワと浸透していったのがよかったんだと思います。正しい正しくないに関わらず、価値観の押し付けとかは嫌がられる傾向にあるかな、とも思いますしね。
バルヴェニーの佇まいというか、ありようも似ている気がします。多くを語らず、押し付けず、でも飲んでもらえれば魅力がわかるという。」

井上さんご自身の人との距離の取り方も、似ている気がします。

「そうかもしれませんね。意識はしてないですけど 笑
一度飲んだお客様が、自然と次もバルヴェニーをオーダーしてくれるように、一度来店されたお客様が、また来たくなる、という場所にしたいですね。」

▼プロフィール
井上晃次さん(いのうえ こうじ)
「BAR Inoue」オーナーバーテンダー。高校卒業後、銀座のビアホール「銀座ライオン」のホールスタッフ、刑務官、コンビニエンスストア店員、ホテルの配膳係、郵便配達員、立ち食い蕎麦店、洋服販売員など20種以上の職種を経験する。その中でも、23歳から2年務めた千葉県船橋のオーセンティックバー「ブルーカナリア」での経験が大きな影響を及ぼす。「東京ディズニーシー」内のラウンジや、都内高層マンションの住民専用バーを経て、2020年、自身の店を開店。

▼店舗情報
BAR Inoue
東京都文京区白山5-3-8
Tel:03-6801-5991

昨年の「ザ・バルヴェニー クラフトマンシップ プロジェクト」の詳細はこちらのバナーからご覧ください。

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