2024.09.18 Wed
体験してほしい超絶美味な『プレミアムバーボン』229年続くビーム家の伝統を継承し、新しい伝統を創造していく
『ジムビーム蒸溜所』マスターディスティラー フレッド・ノウ氏
The Premium Bourbon Experience[PR]サントリー株式会社
ビーム家のマスターディスティラーのフレッド・ノウ氏は、ジムビーム蒸溜所の創業者から7代目に当たり、『ノブ クリーク』『ブッカーズ』『ベイゼルヘイデン』の生みの親ブッカー・ノウ氏の息子です。ビーム家がバーボンウイスキーを造り始めたのは1795年。バーボンウイスキーの歴史と共に歩んできたファミリーの一員として、2000年代からバーボンウイスキーが人気になった背景について、次のように語ります。
「1980年代後半から1990年代前半にかけて、父をはじめとした各社のマスターディスティラーたちが、より特別なバーボンウイスキーを造ることにチャレンジしました。父は、9年以上の長期熟成の『ノブクリーク』やスモールバッチの『ブッカーズ』、ライ麦比率の高いマッシュビルの『ベイゼルヘイデン』などをリリースしました。そして、造り手自ら各地を回り、バーボンウイスキーの魅力を消費者に伝えたのです。父はテイスティングセミナーのなかで、バーボンウイスキーの歴史も語るようにしました。他の著名なマスターディスティラーも、メディアに出演したり、人々と触れあって、バーボンウイスキーの楽しみ方を示しました。」
ウイスキー業界で働いている人たちは、マスターディスティラーに限らず、それぞれに優れた語り手であり、家族の話をするのが大好きです。フレッド氏の場合、家族がこの業界に229年間携わってきた歴史を話すことで、製品に信頼性が生まれ、人々に試してみたいと思ってもらえているといいます。人々は、フレッド氏が生み出した製品の背後に、伝統、遺産、そして家族が関わっていることを知っているのです。そして今、フレッド氏は息子のフレディ・ノウ氏に経営を引き継ぎ、伝統を継承しています。
他の蒸溜所で働いている人たちとも、ある意味、家族のようなものだとフレッド氏はいいます。酒販店の棚の上では競争が激しいですが、造り手たちはとても仲が良いのです。ウイスキーフェストで集まった時には、お互いの存在を心から楽しみ、話をしたり、これまで行った場所や取り組んでいることについて話したり、情報を共有したりして、楽しんでいます。それは兄弟愛のようなもので、バーボンウイスキー愛好家は大きな家族のようなものだとフレッド氏はいいます。バーボンウイスキーを造る人、愉しむ人…お互いに自分たちのやっていることを共有するのが大好きなのです。
約40年前にフレッド氏が働き始めた頃、蒸溜所に見学に来る人は、酒販店やバーのオーナー、あるいは大口の顧客など、ウイスキー業界の関係者がほとんどでした。蒸溜所内も見学用に整備はされていなかったのです。2012年にビジターセンター『アメリカン・スチルハウス』がオープンして、ようやく一般の観光客向けに蒸溜所を案内することができるようになりました。
そして、『ケンタッキー・バーボン・トレイル』の発展へと繋がっていきました。ケンタッキー州が、バーボンをフックにして観光業の火を再び燃え上がらせようと、一致団結した努力の結果です。当時の知事、スティーブ・ベッシャー知事は、北カリフォルニアのワイン産業を研究し、観光関係者と調査した結果、北カリフォルニアの人々がワイナリーで集客しているのと同じように、バーボンウイスキーの蒸溜所見学を充実させれば、観光ブームを起こせると考えたのです。最初は賭けでしたが、ケンタッキー州に10倍の利益をもたらすまでになりました。
フレッド氏は冗談で、『アメリカン・スティルハウス』のツアーは大人のディズニーワールドのようなものだ、といいます。蒸溜所が密集しているケンタッキー州に来れば、バーボンウイスキーの愛好者は、世界中のバーボン生産量の約90% を見て回ることができるのです。ツアーで知識を身につけた人々は、家に帰り、友人に「『ケンタッキー・バーボン・トレイル』をぜひ訪れて! 造り手から直接、話が聞けたんだ!!素晴らしいバーボンをたくさん試飲できた。」と宣伝するようになるのです。
人々は常に新しいものを求めており、それに応えるかのように、バーボンウイスキーからも限定品がリリースされてきました。フレディ氏のブランド『リトル ブック』もそのひとつです。『リトル ブック』は、フレディ氏が、アメリカンウイスキーの更なる発展のため、これまでアメリカではネガティブにとらえられてきたブレンドの概念を覆すべく、ライやコーンなど多様な原酒を使い開発したものです。
ブレンドによる味の構成は高い官能力を求められますが、フレディ氏はバーボン業界にイノベーションを起こしたフレッド・ノウ氏の生き写しかのように才能に恵まれており、製品は『Booker』に敬意を表してlittle “book”と名付けています。
アメリカンウイスキーというと、まだストレートバーボンの印象が強い傾向にありますが、ライやコーンなどの原料による違い、貯蔵年数による違いなど飲み手の興味を引けるようラベルには構成原酒が明記しているのです。
バーボンウイスキーが世界中で人気ですが、これは一過性のブームではなく、5年後、10年後も人々はバーボンウイスキーを愉しんでいるとフレッド氏は考えています。息子のフレディ氏による『リトル ブック』や、サントリー社と取り組んだ『リージェント』など、何か違うものを求める傾向は顕著になると予想しています。
『リージェント』は、サントリーの5代目チーフブレンダーである福與伸二氏と共に、バーボンウイスキーの可能性を追求して生み出されました。伝統的な製法で造られたストレートバーボンウイスキーに、赤ワイン樽とシェリー樽でそれぞれ追加の熟成を施し、それを日本のブレンド技術で新しいフレーバーに昇華したのです。福與氏との仕事を通じて、アメリカという国にとどまらず、日本という全く異なるウイスキー文化との融合を経験し、アメリカンウイスキーの新たな可能性を感じた、とフレッド氏はいいます。そして、「バーボンウイスキーの新しい伝統を創り出していきたい」と意気込みます。
229年続くビーム家のバーボンウイスキー造りの伝統に、革新を取り入れて生み出されたプレミアムバーボン。力強くも洗練された新しい美味しさに、人々は、未来への希望を見出すのでしょう。
文 馬越 ありさ
慶應義塾大学を卒業後、ラグジュアリーブランドに総合職として入社。『東京カレンダーweb』にてライター・デビュー。エッセイスト&オーナーバーマンの島地勝彦氏に師事し、ウイスキーに魅了される。蒸留所の立ち上げに参画した経験と、ウイスキープロフェッショナルの資格を活かし、業界専門誌などに執筆する他、『Advanced Time Online』(小学館)に連載を持つ。日本で唯一の蒸留酒の品評会・東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)の審査員も務める。