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2024.08.20 Tue

BAR TIMES 特別編集洋酒肆 ふるかわ屋 様のエピソード

「NARITA ITTETSU to the BAR」 思い出のエピソード
洋酒肆 ふるかわ屋 様からのエピソード
酒場の絵本、一徹の酒場だより…
一徹さんのことを知ったのは、本との出会い。
ため息が出るような魅力を感じて、白黒の世界が創り出す彩りに引き込まれました。

ある日の夕刻、開店早々一人のお客様。カウンターにお迎えすると、穏やかな表情で差し出された名刺には「成田一徹」の文字。驚きを隠せない私に優しい笑顔で応えてくれました。地方のバーを巡るお仕事の中での事でした。

その日から一徹さんとの親交が始まり、当時京都にいた愚息の修業先にもお出かけ下さって、仕事ぶりを静かに見守って下さいました。いつの日か親子並んでカウンターに立つ姿を切り絵にとお約束していましたが、叶わぬ願いとなってしまいました。

親子それぞれが、異なる場所でお会いしてお話しをした一徹さん。私たち親子の間では、今も鮮明に生き続けています。一徹さんの作品の中にいる私の姿に、時とともに愚息の姿が重なっていくことを願って、一徹さんが愛したバーの灯を守り続けます。


洋酒肆 ふるかわ屋 様から寄せられたお写真


洋酒肆 ふるかわ屋〈三重〉 2011年
一徹が、三重県の地方都市にあるこの酒場を訪れたのは、連載していた雑誌の取材のためである。「ふるかわ」の名は、松田英巳マスターによれば、世話になった師匠の名と、尊敬する今はなき銀座の名店「クール」店主(古川緑郎さん)にちなんで付けたという話には感銘を受けたようで、連載「あの店に会いに行く」での一文でも触れている。白いバーコートを着た、真摯で、職人肌の松田マスターに、「時代遅れだけど、理想のバーの雰囲気を感じた」と後に語っていた。
(「NARITA ITTETSU to the BAR」より)


洋酒肆 ふるかわ屋
〒511-0811 三重県桑名市東方143ー8
営業時間:18:00 – 02:00
定休日:日曜・祝日
電話番号:059-424-1408

成田一徹さんとのエピソードを募集しています。

「NARITA ITTETSU to the BAR」で切り絵モデルとなったバーの皆様へ、成田一徹さんとの思い出エピソードをぜひお聞かせください。


成田一徹(なりた いってつ)
1949年神戸生まれ。サラリーマン生活のかたわら切り絵に目覚め、88年に上京。切り絵作家として独立しました。BARの空間をモチーフにしたモノクロームの切り絵をライフワークとしつつ、新聞、雑誌、書籍を中心に、街の風景や市井に暮らす人々、職人の仕事や生き様など多彩なテーマで作品を発表。エッセイストとしても、軽妙で味わい深い文書にファンも多く、各地で個展、グループ展を多数開催しました。講談社フェーマススクールズ・インストラクターも長くつとめた。2012年10月、脳出血で急逝。著書に『to the Bar 日本のBAR 74選』 (朝日新聞社)『カウンターの中から』(クリエテ関西)『東京シルエット』(創森社)『The Cigger Story-葉巻をめぐる偉人伝-』 (集英社)『成田一徹の切り絵入門』 (誠文堂新光社)『あの店に会いに行く』(中央公論社)『神戸の残り香』 『新・神戸の残り香』(神戸新聞総合出版センター)『NARITA ITTETSU to the BAR』(神戸新聞総合出版センター)など多数。


切り絵作品集「NARITA ITTETSU to the BAR」
バーの魅力をモノクロームの世界で表現した切り絵作家、故 成田一徹氏。彼の作品は、多くのファンを魅了し、圧倒的な支持を集めました。その成田氏の作品を収録した『NARITA ITTETSU to the BAR』の完全改訂版です。再版にあたり、23点の作品を新たに加え、総数271点を収録しました。

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