NEW2024.12.25 Wed
LEGENT特集 トップバーテンダーインタビュー東西の技を融合させた「LEGENT」はインターナショナルな都市にふさわしいウイスキー
ジム・ミーハンさん(ミクソロジスト、バーコンサルタント/アメリカ)[PR]サントリー株式会社
2024年11月26日(火)より日本で通年販売となったプレミアムなアメリカンウイスキー「LEGENT(リージェント)」。ビーム社のマスターディスティラー フレッド・ノウ氏が造ったバーボンの原酒を用い、サントリーのチーフブレンダー・福輿伸二氏がブレンドを担当。ふたりのレジェンドが新たな領域に挑戦して誕生したアメリカンウイスキーだ。
2019年より先行発売されているアメリカで「リージェント」は、どのように認知されているのか。バーディレクターや著者として活躍する伝説的バーテンダー、ジム・ミーハンさんに「リージェント」の魅力を訊いた。
アメリカンウイスキー「LEGENT(リージェント)」
ふたりのレジェンドの挑戦
「山崎」「響」の開発を手掛ける福與伸二による精緻なブレンディング技術と感性、そして、バーボンの歴史を背負うフレッド・ノウが守り続けてきた、アメリカの大地が育んだ力強いバーボンの原酒が融合。
常識を超えた新しい製法
ビーム家が200年以上の守り続けてきたストレートバーボンに、ワイン樽とシェリー樽でそれぞれ後熟させた原酒をブレンド。バーボンらしい力強さにワイン樽由来の芳醇な香りと甘み、シェリー樽由来のスパイスのような香味が加わり、これまでにない複雑味を実現しています。
「LEGENT」ホームページ
https://www.suntory.co.jp/whisky/legent/
●容量 750ml ●アルコール度数 47%
●希望小売価格(税別) 7,200円
世界的に著名なバーテンダーのジム・ミーハンさん。彼の名を世界にとどろかせたのは、2011年、彼のバー「PDT(Please Don’t Tell)」が「世界のベストバー50(The World’s 50 Best Bars)」で第1位を獲得したことによる。以来、バーテンダーとして活躍を続け、現在はアメリカ・ポートランドの「スノーピークUSA」が運営する日本食レストラン&バー「Takibi」のドリンクのディレクションや空港内のラウンジのカクテル開発、カクテルにまつわる著作の執筆など幅広く活動している。
ジムさんが「LEGENT」に出会ったのは、アメリカで先行発売した2019年のこと。当時の状況をこう振り返る。
「ちょうど私が『Takibi』で働き始める頃がLEGENT発売のタイミングでした。日本のインスピレーションを受けたものを扱いたかったので、まさに私にとって完璧なウイスキーでした。残念なのは、その頃はコロナ禍の真っただ中でバーもレストランもクローズしていたことです。バーテンダーやお客様に紹介する度に『すごくいいね!』と声を揃えるので、非常に高いポテンシャルを感じます」
かねてから日本のウイスキーに強い興味を持っているジムさん。その魅力は造りの姿勢にあるという。
「いいたいことは、たくさんあります(笑)。もっとも大事な要素を挙げるなら、日本のウイスキーは、常に改善していいものを造り続ける姿勢があることです。サントリーのウイスキーは歴代のブレンダー達の妥協なきものづくりによってウイスキーの品質はどんどん上がっています。一般的なウイスキーが一度決めたことをある意味ずっと維持していることと比べると、常に成長していくところがユニークです。だからこそ、将来に対する期待感は抜きんでたものがあります」
ジムさんは「LEGENT」の味わいや、ケンタッキーバーボンにブレンドしたワイン樽やシェリー樽で後熟した原酒の存在をどのように感じているのだろうか。
「味わいはエレガントで洗練されていて、どこか落ち着きがあるけども主張もありますね。初めて飲むときは、どんな味なのか想像がつきませんでした。ジムビームのバーボン………といっても、ノブクリークのようなのかオールドグランダッドのようなのか。味わってみると、あくまで私の個人的なイメージとしてはオールドグランダッドにノブクリークがうまく混じり合ったようで、複雑味と奥行きを感じました。一般的なホワイトオークのシングルカスクはタンニンの渋味を感じがちですが、LEGENTはワイン樽で後熟させた原酒をブレンドしているためか、味わいが構造的でありながら、舌触りがとてもなめらか! こんなにもなめらかな飲み口なことに驚きを受けました」
どんなシーンで、どんな人に寄り添うウイスキーなのか。
日本のエッセンスを取り入れている飲食店や日本とアメリカのカルチャーをミックスしてうるバーなどで映えることを前提としながら、ジムさんは「LEGENT」の可能性をこんな風に読んでいる。
「テーマは“イーストミーツウエスト”。東西の文化を融合したウイスキーですから、ロンドンやニューヨーク、東京といったインターナショナルの都市で、インターナショナルなマインドを持っている方たちに響くのではないでしょうか。日々、お酒の仕事をしていて思うのは、地元に根付いて虫の目で活動してる人もいれば、鳥の目で広く世界を見ている人もいるということ。ことにケンタッキーのバーボンにおいては、ケンタッキー州でホースレースを見ながら、無骨にストレートで味わう、といった世界観が根強く残っています。それはそれで素晴らしい。でもLEGENTは、従来の世界観をぐっと広げて、新しい大きい視野を切り拓いてくれるウイスキーだと思うのです」
どんな飲み方をしても「LEGENT」の魅力は活きてくる。
「LEGENTにはワインフィニッシュの特徴が出ていて、マンハッタンやオールドファッションドといったスターター的なカクテルは柔らかさが増しますし、ロックで味わってもいいですね。今回提案するカクテル3種類は、ビルド・シェイク・ステアといった三者三様の異なるスタイルと味の方向性でLEGENTの幅の広さを表現しています」
人生の転機となったカクテル「ゴールドラッシュ」を「LEGENT」でツイスト。
「ニューヨークに『Milk & Honey(ミルクアンドハニー)』という超有名バーがあって、2003年、私はそこでゴールドラッシュというカクテルを飲んで、自分の人生をカクテルに捧げよう、と決意しました。材料はバーボン、レモンジュース、ハチミツ。そのツイストのカクテルとして誕生したのがペニシリンで、ブレンデッドのスコッチウイスキー、生姜の搾り汁、ハチミツ、さらにスモーキーなアイラウイスキーをフロートし、砂糖漬けの生姜を飾ります。今回はLEGENTを軸に、日本の要素として柚子を取り入れ、フォーク・ロックシンガー、ニール・ヤングのアルバムタイトルと掛けて『After the Goldrush(アフターザゴールドラッシュ)』と名付けました」
- 『After the Goldrush』
- 〈材料〉
- ・リージェント…2oz(約59ml)
・レモンジュース…0.75oz(約22.2ml)
・ジンジャーハニーシロップ…0.75oz(約22.2ml)(※1)
(ガーニッシュ)
・柚子ピール
・ジンジャーキャンディー(※2)
(※1)スロージューサーで絞った生姜汁と白砂糖を重量比で4:3で合わせたものと、ハチミツと熱湯を重量比で3:1に合わせたものを、同量混ぜ合わせる。
(※2)砂糖漬けにした生姜にザラメなどの砂糖をまぶしたもの。 - 〈つくり方〉
- シェイカーにすべての材料と氷(分量外)を入れてシェイクし、大きな氷(分量外)を入れたロックグラスに濾しながら注ぐ。
- 『Julep Ceremony』
- 〈材料〉
- ・リージェント…2oz(約59ml)
・抹茶シロップ(※1)…5oz(約147.8ml)
・ミントの葉(枝付き) …4枚
(ガーニッシュ)
・ミントの葉
・紫蘇の葉…2枚
(※1)シェイカーに抹茶、グラニュー糖、水を入れてシェイクする。 - 〈つくり方〉
- 抹茶シロップとミントをジュレップカップに入れて軽く混ぜ、リージェントとぺブルアイス(石ころ大の氷)を入れてかき混ぜ、さらにぺブルアイスを加えて満たす。紫蘇とミントの葉を飾る。
- 『Founder’s Legacy』
- 〈材料〉
- ・リージェント…2oz(約59ml)
・ルスタウ クリーム“イースト・インディア”(もしくはクリームシェリーやドライサックなどの甘口のシェリー) …0.75oz(22.2ml)
・赤玉スイートワイン …0.5 oz(14.8ml)
・ペイショーズビターズ…3dash
・梅酢…1drop
(ガーニッシュ)
・オレンジピール
・若桃(甘露煮) - 〈つくり方〉
- ミキシンググラスにすべての材料を入れ、氷(分量外)を加えてステアし、冷やしたクープグラスに注ぐ。オレンジピールを絞りかけ、カクテルピックに刺した若桃を添えて飾る。
大学生だった18歳の時、ウィスコンシン州マディソンにあるバー「ステート・ストリート・ブラッツ」で働きはじめ、22歳でバーの世界に入ることを決意。「ペグ・クラブ」をはじめ、ニューヨークの名だたるバーやレストランで働いた後、2007年にバー「PDT(Please Don’t Tell)」をオープン。2011年「The World’s 50 Best Bars」の第1位を獲得し一躍有名に。著書に『The PDT Cocktail Book』(2011年)、『Meehan’s Bartender Manual』(2017年)などを出版。コンサルティング会社 Mixography, Inc.を設立し、オレゴン州ポートランドにて、スノーピークUSAの運営するレストラン「Takibi」をはじめとするビバレッジの監修など、幅広く活動する。
インタビュー・文 沼 由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。
サントリー「LEGENT(リージェント)」オフィシャルサイト
https://www.suntory.co.jp/whisky/legent/