
NEW2025.06.28 Sat
一般社団法人銀座社交料飲協会
岸 久 会長 インタビュー岸久会長が語る、銀座の未来
銀座社交料飲協会100周年記念特集銀座社交料飲協会(以下、GSK) 第19代会長・岸 久氏は、日本を代表するトップバーテンダーの一人です。オーセンティックバー、銀座「スタア・バー」のオーナーバーテンダーでもある岸会長は、2005年のIBA世界カクテルコンクールで日本人として初めて世界チャンピオンの座に輝きました。2014年には、卓越した技能者に贈られる「黄綬褒章」を受章しています。
岸氏は、「GSKはバーテンダーにとっても存在意義のある協会」だと語ります。
「僕がGSKに入会した40年ほど前、僕が20代の頃は、バーテンダーは今ほど認知された職業ではなく、世界一のバーの街といわれる銀座にもオーセンティックバーは少ないものでした。GSKの会員は、日本バーテンダー協会の会員も多く、いわば銀座における“車の両輪“といった関係。社会常識や商品の知識を学ぶという面では同様ですが、GSKには高級なクラブや飲食店をはじめ、ビルのオーナーなどさまざまな業種の経営者が集っていて、協会に所属することでバーテンダーの認知もさらに広がっていったのです。この街においてバーテンダーは、GSKとともに歩んできたといえるでしょう」
錚々たる方々が会員として所属しているGSK。そこから紡がれる縁はかけがえのないものです。
「たとえば、今時は鮨屋においても修業などいらないという方もいます。たしかに、万に一人の能力あれば、すぐにでもおいしい鮨が握れるかもしれません。でも、継続して本当にいいマグロを適量、適正価格で買い続けるには、信頼関係が必要です。それは、鮨屋と仲卸が長い年月をかけて作りあげる信頼関係であり、大きな鮪の塊を師弟や仲間の店で分け合うような信頼関係かもしれません。いずれにしても、一朝一夕では築けないことです。「銀座=一流」の誇りをもって、協会加盟店は恥じないサービスを提供し続けてきました。だからこそ、大きな財産となるご縁が紡がれるのです。GSKは利己的な協会ではありません。加盟店のみなさまに、さまざまなご縁を分かち合える協会でありたいと思っています」
岸氏に今後の100年に展望を訊ねると、「決して協会を無理に存続させたいわけではありません」と少々過激にも聞こえる答えが返ってきました。そこには「今やらなければいけないのは、どこまで絞り込んで、どれだけ組織を強固にできるかジャッジすることであり、維持を無理強いすることで誰かが苦労するのを避けたい」という真意がある。
「GSKは、本来、みんなのためを考えられた仕組みで、互助会のような感じで成り立っています。あまたの著名な企業や有名店や、歴史ある店が加盟していて、どこか一店舗のみが街の中心的な存在になるわけではなく、見守り、そしてときに注意やアドバイスを促すといった風潮があります。銀座は決して閉鎖的ということはなく、むしろリベラルな街です。根本に『それぞれが銀座の一員』という自負があるからです。次の100年をどう考えるか――。それは、僕たちが一方的に決めるのではなく、銀座の夜を担う加盟店舗がお客様にどのように利用され、愛されていくかで決まります。常に全体を面で見てはいけません。日本全国と比較するのではなく、銀座という街を点で寄って見なければなりません。もし繁華街が滅びるとしたら、銀座は日本で最後の街になるのではないかというぐらい特殊であり、独自の強みがあると思います。時流や国や行政の制度の変革を注視しながら、協会の在り方を考えていくことが大事だと思います」
株式会社銀座カードサービス代表取締役 亀島 延昌 氏(左)一般社団法人銀座社交料飲協会 会長 岸 久 氏(右)
銀座社交料飲協会100周年記念特集のトップ
https://www.bar-times.com/contents/146447/
一般社団法人銀座社交料飲協会の公式サイト
https://gsk.tokyo/
銀座社交料飲協会へのご入会について
https://gsk.tokyo/入会案内/