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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2016.02.16 Tue

麗しきバーテンダーたちマンダリンバー
中村淑恵さん、荒木和恵さん

たまさぶろ 元CNN 、BAR評論家、エッセイスト

あのひとの手から紡ぎ出される至善のカクテルを、今宵も。疲れた夜、打ちひしがれた日、何かいい事があった時、分厚い扉を開けてバーへ足を踏み入れる。彼女たちはどんな時も変わらぬ美しい笑顔で迎え、それぞれの思いを込めた一杯をこちらへ滑らせてくれる。一口ふくむ、何も言う事はない――。

幅約70センチのカウンターを隔てて、夜ごと客と向き合う女性バーテンダーたちの半生から、酒に寄り添う思い、職業観、目標まで、本音を引き出し紹介。北海道から九州までのバーでシェイカーを振る女性を紹介する。これは、単なるガイドではない。 『【東京】ゆとりを愉しむ至福のBAR』の著者が贈る女性バーテンダー讃歌である。

2015年6月1日発売、書籍『麗しきバーテンダーたち』から転載とした。

 


 

「マンダリンオリエンタル東京」の「マンダリンバー」を訪れると、いつも映画「ブレードランナー」の登場人物になったような気分になる。一方、たおやかなサービスに定評があり、スタッフ全員が女性だ。在籍バーテンダー9人中2人の話を聞けた。

「カクテルグラスの綺麗なお酒を、カウンターで1人呑む女性が憧れだった」。20歳の頃、中村淑恵(なかむら・としえ)さんは「1人で呑みに行く勇気が無く、働いてみればマナーや愉しみ方が判るかな」とバーでアルバイトを始めた。その後、伝説的バーテンダーを輩出した「東京會館」に就職した。当時、バー勤務は「女人禁制」だった為、クローク担当に。2002年、念願叶い浜松町東京會館の「BAR39」へ移った。
「商談やプロポーズなどを陰ながらお手伝いできる存在でありたい」。社交場では、常に客の背景事情を考えながら接客すべきだと考える。
好きなカクテルは「雪国」。「冷たさ寒さとがネーミングに現れ、見た目からもその魅力が伝わってくる。日本生まれのカクテルが、世界のスタンダードとなり、それでいて、どのバーで頼んでも、非常に味わいに特徴がある。呑み手からしても、本当に楽しい一杯です」とママさんバーテンダーは勧める。
中村淑恵さん_2
中村淑恵さん(撮影:斉藤美春)

荒木和恵(あらき・かずえ)さんは2003年に旧東京全日空ホテルに入社。ストリングスホテル東京インターコンチネンタルに転職後、突如、バーに配属された。

「お客様、一人ひとりに合った空間を演出できるかどうか」が、バーテンダーの力量と認識。「お客様のその時の気分を、そのまま受け入れられる場所を創り出すことが重要」

休日も外食に出掛け、世の中で何が流行っているのかを常に把握するよう心掛けている。「カクテルも、ハーブやスパイスを使ったオーガニックな材料で健康指向であることが求められる時代」と考える。

夜景が美しい高級ホテルのバーで珠玉のカクテル堪能するのは、至福のひと時。女性のひとり客が多いというのも、頷ける。

荒木和恵さん_2
荒木和恵さん(撮影:斉藤美春)


マンダリンオリエンタル東京 東京都中央区日本橋室町2-1-1 TEL: 03-3270-8800
※『麗しきバーテンダーたち』より転載。最新情報については、店舗に連絡を。


たまさぶろ
元CNN 、BAR評論家、エッセイスト
立教大学文学部英米文学科卒。週刊誌、音楽雑誌編集者などを経て渡米。ニューヨーク大学にてジャーナリズム、創作を学ぶ。CNN本社にてChief Director of Sportsとして勤務。帰国後、毎日新聞とマイクロソフトの協業ニュースサイト「MSN毎日インタラクティブ」をプロデュース。日本で初めて既存メディアとウェブメディアの融合を成功させる。これまでに訪れたバーは日本だけで1000軒超。2015年6月、女性バーテンダー讃歌・書籍『麗しきバーテンダーたち』上梓。米同時多発テロ事件以前のニューヨークを題材としたエッセイ『My Lost New York』、2016年1月発売予定。
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official site たまさぶろの人生遊記
http://www.mag2.com/m/0001604971.html

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