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2016.02.26 Fri

湊町にいがたの純米蔵今代司酒造

北澤企画の蔵元めぐり[その一]

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北澤企画の蔵元めぐり[その一]

BAR TIMES を運営する北澤企画事務所が独自の視点で注目する蔵元をご紹介します。

[その一]は新潟の今代司酒造です。今代司は、明和4年(1767年)の創業。明治中期から本格的に酒造りを始めた全量純米仕込みの酒蔵です。現在の商標「今代司」になるまで、弥彦、参逸、今代一と四代に渡って老舗としての暖簾を守り、淡麗で雅味ゆたかな味を極め続けてきました。

かつて新発田藩の米蔵があった場所に近く、酒・味噌・納豆・醤油などの発酵食製造業が古くから集まる「沼垂 醸す地区(ぬったり かもすちく)」に位置しています。江戸から明治時代に栄えた湊町・新潟の風情を残す酒蔵は明治三十年頃に建造されたものです。


今代司酒造の酒造り

磨き上げた酒造好適米を使用
普段私たちが食べるお米は、玄米を8~10%ほど精米したものですが(精米歩合92%~90%)、日本酒造りに使う場合は30%程度磨き(精米歩合70%)、特定名称酒になると40~50%も磨きます(精米歩合60~50%)。お米の外側にはタンパク質や脂肪や灰分などが含まれていますが、これらは良い酒造りの妨げとなるため、それらを取り除き、お米の中心部分にあるデンプンをより多く使うために磨かれます。

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さて、酒造好適米と呼ばれる酒造りに適したお米をご存じでしょうか。このお米は、「米粒が大きい」「タンパク質の含有量が少ない」「水を吸いやすく糖化性がいい」という特徴があります。また心白率が高く、蒸米を長く冷却しておいても“もろみ”の中で溶けやすいなど、まさに日本酒造りにぴったりのお米といえるものです。今代司ブランドで販売するお酒には新潟県産の酒造好適米を使用しています。

仕込み水は天然水
日本酒造りには水がとても大きな意味を持っています。

洗米、仕込み、瓶詰め用と、原料米の重量の約20~30倍の水が必要とされますが、なかでも仕込みに使う水、そして割水といって最後に加える水の質が重要です。これには醸造用水といって、特別の水質基準を満たした水が使われます。醸造用水は、味、におい、濁りが無いことが絶対条件ですが、麹菌や酵母菌の発育に必要なミネラル分が適度に含まれており、酒質劣化の原因となる鉄分やマンガン、有機物が少ないことなども大切な要件となります。今代司酒造では、仕込み水はすべて新潟のブランド名水でもある「菅名岳」の天然水を使用しています。

越後杜氏の技と知恵
日本酒造りには多くの技術者が関わります。その技術者集団を蔵人(酒造技術者)と呼び、その長が杜氏といわれる最高責任者です。杜氏はリーダーとして酒造りの各過程の専門技術者たちを統率し、酒造りの全責任を負います。つまり、良いお米と良い水を得て、最後は杜氏の技と知恵が日本酒の出来を決定するというわけです。今代司酒造ではすべて純米造りのため、最後にアルコール添加やその他副原料を使って酒の味や香りを調整することができません。そのため、最初から最後まで、酒造りのすべての工程が緊張感あふれる真剣勝負です。新潟が誇る越後杜氏の腕が、素材の良さを存分に引き出し、味と香りに磨きをかけます。

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