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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2016.08.23 Tue

SAKETRY 「思い出のボトル」第十四回よりラフロイグ15年
野村 貴美 氏

絵:佐藤英行
文と写真:いしかわあさこ

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ガード下に飲食店が連なる神田駅界隈。 南口から東京駅方面へ少し進むと、“Sandy Mac”のネオンが窓に掛かっている。 有楽町「キャンベルタウンロッホ」、新橋「クロンダイクハイボール」に続く3店舗目としてオープンしたのが2006年。当初から、野村貴美さんがカウンターに立っている。
「実はそれまで、ウイスキーがあまり得意ではありませんでした。特にピート香が苦手でしたが、初めて素直に美味しいと思えたのがラフロイグ15年だったんです。スモークやヨードの香りだけでなく、甘みや温かさもあってクリーミー。今年、4年ぶりに3度目のアイラフェスティバルへ行って、カーチェスと200周年記念ボトルの15年を買ってきました」


1815年に創業したラフロイグ蒸溜所は、スコットランド・アイラ島の静かな入り江に面して建てられている。キルン(麦芽乾燥塔)は現役で、今もフロアモルティングを行っている数少ない蒸溜所だ。カーチェスは毎年FOL(※)向けにリリースされているボトルで、今回はラフロイグ蒸溜所でフロアモルティングした麦芽を100%使用している。バイセンテナリーに相応しい逸品である。
「時間が経つと徐々に香りが開いてきて、しっかりとしたヨード香と共にグレープフルーツのような香りを感じます。一方、200周年のボトルはフルーティでありながら優しくて温かい、クレームブリュレを思わせるウイスキーですね」
 ウイスキーと音楽の祭典「アイラフェスティバル」は、毎年5月末に開催される。帰国してまもない野村さんの旅行話を聞きながら、ラフロイグをじっくりと飲みたくなった。
※ FOLフレンズ・オブ・ラフロイグ。1994年、ラフロイグ愛好家のためのクラブとして設立した。会員は、ラフロイグ蒸溜所が持つ土地の一区画を所有できる。

SANDY MACDONALD
東京都千代田区鍛冶町1-2-13 JR高架下
03-5294-2171
営業時間:17:00~02:00
(金 ~04:00、土・日・祝 ~23:00)/無休

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佐藤英行
イラストレーター野口佐武郎に師事。模写を通じ写実の技法を学ぶ。1998年、古舘伊知郎氏のトークライブ「トーキングブルース」の会場展示用絵画を作成し、フジテレビやWOWOWの同番組内で使用される。2000年、講談社kfsメルヘンイラストコンテストで大賞受賞。 2007年、文芸社VA出版文化賞で最優秀賞等を受賞。現在、スコッチモルト販売の「ディスティラリー・コレクション」シリーズでスコットランドの蒸留所を描いた経緯から、Barをモチーフとした作品をライフワークと定め、バーホッピングの日々を送る。
ブログ http://satohideyuki.usukeba.com/
facebook https://www.facebook.com/h.sato.phs

いしかわあさこ
東京都出身。ウイスキー専門誌『Whisky World』『ウイスキー通信』の編集を経て、バーを中心としたフリーライターに。世界のバーとカクテルトレンドを発信するWEBマガジン『DRINK PLANET』などに寄稿している。編著書に『The Art of Advanced Cocktail 最先端カクテルの技術』『Standard Cocktails With a Twist スタンダードカクテルの再構築』がある。
facebook https://www.facebook.com/asako.ishikawa.5

saketry

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