2016.12.16 Fri
SAKETRY 「思い出のボトル」第二十回よりシングルトン1980 パティキュラー
越智 卓 氏
絵:佐藤英行文と写真:いしかわあさこ
越智さんがシングルトンに出合ったのは、国立のバー「ヒース」を営む大川貴正さんの下で働き始めて一年目の頃。客からこのボトルを勧められ、ウイスキーの美味しさに目覚めた。上品な甘さがあって、柔らかい飲み口。スペイサイドのオスロスク蒸留所で生産されたウイスキーだが、その発音がスコットランド人以外には難しいため、1986年に12年ものをリリースする際、シングルトンという銘柄になった(※)。
「君はいくつだ。これを飲んで、味がわかるのか」
なんとか飲ませてもらえたものの、恐縮して味は覚えていない。しかし、トニーさんに師事し、後任となった妹のベッティさんと共にこの場所を守り抜いた。
Tはトニー、Oは大川と二人の師匠の名を付けた自身の店。間に入るドットは赤色で、ベッティさんを表している。シンプルなロゴだが、その思いが客人の心を温かくする。
※1997年よりディアジオ社の所有となり、「オスロスク」の名で発売することに。以降、頭に「シングルトン・オブ~」と付いたシリーズがグレンオード、ダフタウン、グ レンダラン蒸留所から登場している。
Bar T.O
東京都港区新橋1-4-3 芝ビルB1F
03-5537-0546
営業時間:16:00~00:00/日・祝休み
イラストレーター野口佐武郎に師事。模写を通じ写実の技法を学ぶ。1998年、古舘伊知郎氏のトークライブ「トーキングブルース」の会場展示用絵画を作成し、フジテレビやWOWOWの同番組内で使用される。2000年、講談社kfsメルヘンイラストコンテストで大賞受賞。 2007年、文芸社VA出版文化賞で最優秀賞等を受賞。現在、スコッチモルト販売の「ディスティラリー・コレクション」シリーズでスコットランドの蒸留所を描いた経緯から、Barをモチーフとした作品をライフワークと定め、バーホッピングの日々を送る。
ブログ http://satohideyuki.usukeba.com/
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いしかわあさこ
東京都出身。ウイスキー専門誌『Whisky World』『ウイスキー通信』の編集を経て、バーを中心としたフリーライターに。世界のバーとカクテルトレンドを発信するWEBマガジン『DRINK PLANET』などに寄稿している。編著書に『The Art of Advanced Cocktail 最先端カクテルの技術』『Standard Cocktails With a Twist スタンダードカクテルの再構築』がある。
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