2017.06.6 Tue
たまさぶろのBAR遊記ニューカレドニアBAR探訪5)
天国にいちばん近い島のお酒事情と
ヌメアのお勧めBAR その1
たまさぶろ 元CNN 、BAR評論家、エッセイスト住んでいると、なかなかその有難みが理解できないものながら、日本はアルコール天国である。店さえ開いていれば24時間365日、アルコールの入手が可能、飲酒OKである。残念ながら、その自由度は「世界の常識」とは言えない。海外旅行の際は、肝に銘じる必要さえある。
さすがはフランス領、ワイン専門店にこの規制はなく、購入し持ち帰ることが可能。また、レストランやバーにおいても、この規制は適用されず、営業時間中の飲酒に問題はない。海外におけるこの規制を日本のバーテンダー諸氏に紹介すると「(飲食店が儲かるから)ぜひ日本でも導入して欲しい」と冗談めかす方が多い。
日本人観光客が足を運ぶ中心都市ヌメア、その南の繁華街・アンスバタ周辺のBARを案内しよう。
ニューカレドニアへと足を運ぶにあたり、日本語のガイドブックは多く用意されているわけではないと気づく。もっとも入手が容易だった「地球の歩き方」を携帯。この表紙に描かれている水上バンガローに見覚えがある旅行者も多いかもしれない。アンスバタ湾に突き出た水上バンガローは、「ル・ルーフ」というフレンチ・レストランと「ボデガ」というバーを含む、複合施設だ。
私が宿泊したシャトーロワイヤル・ビーチ・リゾート&スパから徒歩圏。「どうせ観光地だろう」と思い込んでいたが実際、現地を訪れると地元の若い客で大いに盛り上がっていた。東京からヌメアへの到着便は真夜中、それからアンスバタのホテルに入ると、もちろん24時を過ぎているのだが、週末のためこのカジュアルなバーは山手線ラッシュ時並の大混乱。これほどの混雑は、まとまったパーティ開催時ぐらしか海外でお目にかかったことがないので少々驚く。
深夜ゆえ、ガイドブックには「ホテルからの道すがらは暗いので用心するように」と記載があったが、中年が歩く分には何の不安もなかった。私の先を、クルマから降りた、膝上ミニのホワイトのワンピースに身を包み、白いピンヒールを履いた、バブル期のボディコン張りのお姉さんがひとりでさっそうと歩いていた。後ろに私のようなあやしい外国人の中年がいるにもかかわらず、なんら周囲に気を配る様子もなく、鼻歌混じりで歩いていた程。2017年現在は、街の治安もかなり良いと聞く。観光客が必要以上に神経をとがらすほどではなさそうだ。
むしろ注意を払うべきは飲酒運転らしきクルマだ。ヌメアでは、飲酒運転は大目にみられているとのことで、一杯呑んでからバーを目指しクルマでやって来る輩も。歩行者に目もくれず「びゅーん」と交差点から突っ込んで来る酔っ払い運転多々。治安よりも、こちらの運転に注意を配ったほうがよさそう。しっかりと歩道を行きながら「おい、あぶねえ」と思ったこと、往復の道すがら2度。相手は窓を開け「お、悪い、悪い」と応えるが、その口調は明らかに酔っ払いである。夜道を行く際は、むしろクルマにご用心のほどを。
Bodega(ボデガ)
134 Promenade Roger Laroque Val Plaisance
Anse Vata, Noumea,
Nouvelle-Caledonie, 98800
Phone: +687 26.11.53
ビーチ沿いにクルマを走らせていると「R」というロゴが目につく建物が目に入るので、観光客でもすぐにわかる。2階には「ランドロワ(L’Endroit)」という別のラウンジがあり、こちらはダーツ、プールがあり、ルーフトップも併設。
MVラウンジ
22 Rue Jules Garnier Baie des Citrons
Noumea, Nouvelle-Caledonie
Phone: +687 27.46.46
レ・トロワ・ブラッスウ(Les 3 Brasseurs)
Baie Des Citrons 33 Prom Rodger Laroque
Noumea, New Caledonia 98800
Phone: +687 24.15.16
このクラフト・ビールの歴史は古く100年ほど前、ベルギーとの国境に近いフランスのリールで3つの醸造家が結束し誕生。「クラフト・ビール」という言葉聞かれるはるか以前からベルギー・ビールの普及に努め、1985年前後には現在のようにメジャーになったと言う。フランスはもちろん、ベルギー、カナダでも展開。ここフランス領ニューカレドニアのアンスバタにも、その一軒が存在するというわけ。
私がトライしたのは、写真の通り。左から「ホワイト」、「ブラウン」、「アンバー」、「ブロンド」。どれもスタンダードとも言える、それぞれの特徴を備えた非常に呑みやすい品々。カナダなどのちょっと寒いお国で呑むのとは異なった解放感の下で喉を潤すに最高だ。
ニューカレドニアBAR探訪5)天国にいちばん近い島のお酒事情とヌメアのお勧めBAR その2 へと続く。(後日掲載予定)
元CNN 、BAR評論家、エッセイスト
立教大学文学部英米文学科卒。週刊誌、音楽雑誌編集者などを経て渡米。ニューヨーク大学にてジャーナリズム、創作を学ぶ。CNN本社にてChief Director of Sportsとして勤務。帰国後、毎日新聞とマイクロソフトの協業ニュースサイト「MSN毎日インタラクティブ」をプロデュース。日本で初めて既存メディアとウェブメディアの融合を成功させる。これまでに訪れたバーは日本だけで1000軒超。2015年6月、女性バーテンダー讃歌・書籍『麗しきバーテンダーたち』上梓。米同時多発テロ事件以前のニューヨークを題材とした新作エッセイ『My Lost New York ~ BAR評論家がつづる九・一一前夜と現在』、好評発売中。
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official site たまさぶろの人生遊記
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