2017.08.4 Fri
カクテル文化振興会 上野秀嗣氏によるガローネミキシンググラスセミナー
BAR TIMES レポート日本のバーシーンでもにわかに注目を集めている「ガローネミキシンググラス」。イタリア発祥のこの美しいバーツールのセミナーが、株式会社レイジースーザンの主催で7月27日に実施されました。講師はカクテル文化振興会の上野秀嗣氏。バープロデュース、カクテルコンペティション審査員、セミナー講師など、世界各国からのオファーが引きも切らず。年間の約200日を海外で過ごす、世界で最も影響力のあるバーテンダーの一人です。今回のセミナーは、上野氏がオーナーを務める BAR HIGH FIVE において日本バーテンダー協会銀座支部の約30人を対象に行われました。この貴重なセミナーを BAR TIMES 編集部がレポートいたします。
セミナーでは、ガローネの歴史、機能と特徴、使い方、そしてガローネがつくりだす新しい価値について上野氏より詳しい講義が行われました。例えば歴史についての講義では「ヴェネチアのハリーズ・バーのチプリアーニ氏が、ベリーニを作るために特製のガラス容器を作らせたのがはじまり」という発祥のエピーソドとともに実際にベリーニをつくりガローネの使い方が披露されました。ガローネとはイタリア語で「ガロン」の意。それゆえ “いっぺんに大量のカクテルがつくれるツール” と認識されることも多いですが、工夫次第で幅広い使い方が出来るツールです。一方で 「 “なぜガローネを使うのか” その意味や必然性を正しく理解することが大切」と上野氏は言います。
ガローネの最もポピュラーな使い方はトルネード(スワリング)ですが、最近ではミキシンググラスとして使われることも増えてきました。ガローネでステアするには技術的に多少の慣れが必要ですが、イタリアの美意識がつくり出したガローネと日本人の洗練された仕事の融合はカウンター越しのお客様を魅了します。
よりエレガントな所作を演出するには長めのバースプーンがおすすめとのこと。セミナーには、おいしいカクテルをつくるだけでなく、美しくつくるためのヒントが散りばめられていました。
セミナーでは、ベリーニ続き、ロブロイ、ネグローニが実演されました。大きな空間を利用してスモークを炊いたり、使う人の自由な発想によっていろいろな使い方ができるのはガローネの魅力の一つです。しかし、最後はやはりクラシックな技法であるシェイク、ステア、ビルドで仕上げます。「ベースとなる技術があってこその道具。自分の体の一部と思えるほど使いこなせなければ道具の良さも生きてこない」と上野氏。まさにプロフェッショナルのための貴重なセミナーでした。
主催:株式会社レイジースーザン イタレッセ営業部
会場:BAR HIGH FIVE(銀座)
「ガローネミキシンググラス」は是非バータイムズストアでお買い求めください。