2018.02.1 Thu
開催10年目の節目を迎えるワールドクラス 2018 セミナーレポート
BAR TIMES レポート今年で開催10年目となる世界最大級のバーテンダーコンペティション「WORLD CLASS(ワールドクラス)」が、 1月31日(水)キリン日本橋ビルにてワールドクラスセミナーを開催いたしました。徐々に変化していくワールドクラスのなかで頂点を目指すバーテンダーへ向けた特別プログラムということもあり、ディアジオ グローバルブランドアンバサダーのパウロ・フィゲイレド氏、「ワールドクラス 2017」日本代表の槇永優氏を招き、新しいチャレンジのポイントなどが丁寧に紐解かれる濃密な90分間となりました。
ワールドクラスにて求められる最新グローバルトレンドを、「シグネチャー」「ヒートオブザモーメント」「リリースフル・バーテンダー(メックス・エコ)」の3項目に分け、槇永氏が昨年度の経験を踏まえながら丁寧に解説。①バーテンダー自身の個性とバーの特徴の両方を表現し、日常的に提供できる実現性の高いカクテル「シグネチャー・カクテル」を完成させるには、普段自分が気付かないような新たな自分を発見する作業が必要であること、②与えられた材料と器具で絶妙なバランスのとれたカクテルを即興で作る「ヒートオブザモーメント」にあたってはフレンチやバリスタなど多様な業界から応用できる技術を常に学ぶ姿勢が試されること、③そして環境問題への持続可能な取り組みをカクテルで表現する「リリースフル・バーテンダー」においては限りある資源を有効活用する意識を日常的に持つことの重要さなどが説かれました。
パウロ氏による海外の成功しているバーの事例紹介。最高の顧客体験を実現し、彼らの店がなぜ『GOOD」から「GREAT」になり得たのかを、ロンドン・ニューヨーク・パリなど多くの事例を紹介しつつ、彼らに共通することが分析されていきました。①世界がグローバルに繋がっていることの意識から芽生える「SNSの活用」、②飲食に限らず建築やアートなど様々な領域と交じ合うことで自由な発想が生み出される「コラボレーション」、③店舗内の風通しの良さが時に素晴らしいアイデアと非常に強い力となる「チーム力」など、あえて日本から遠く離れた海外の事例を取り上げることにより、パウロ氏から日本のバーテンダー達へ新たな思考のヒントが受け渡されているようでもありました。
槙永氏が「ワールドクラス 2017」世界大会にて作成したカクテルの実演が行われました。実際の演技と同じように進めながら、なぜ自分がこの材料を使用するに至ったかの経緯や演技上で留意すべきことなどが説明されていきました。
■「ワールドクラス 2018」世界大会に向けて
求められるプレゼンテーションとカクテルとは
決して造作や演出の派手さを競うわけではなく、「実現性」と「即興性」の二つが求められる今大会。コンセプショナルなカクテルを作るためにはまず自身を見つめることが第一であり、自分の考えを整理したり、自分とその周りを俯瞰する作業が重要な鍵となってくるようです。また、会場に足を運んでおられた初代日本代表・鎌田真理氏によるアドバイスの時間も設けられました。