2022.03.14 Mon
切り絵作家 成田一徹 作品集『NARITA ITTETSU to the BAR』
完全改訂版
発行:株式会社北澤企画事務所(BAR TIMES STORE)『NARITA ITTETSU to the BAR』完全改訂版
著者:成田一徹
サイズ:264×210mm
ページ数:256ページ
発行元:BAR TIMES(株式会社北澤企画事務所)
※仕様は変更になる場合がございます。
販売価格 2700円+税(送料別)
本書は書店での販売はいたしません。BAR TIMES STORE オンラインストアのみ販売しております。
オンラインストアでのご購入はこちらから
切り絵作家 成田一徹。一軒のバーの扉を開けたことから、彼の切り絵作家としての人生が始まりました。バーやバーテンダー、街の風景、職人など幅広いテーマで切り描いた作品は、どれも細かな描写、人々の豊かな表情、独創的な構図から見る人の心をつかんで離しません。雑誌等でいくつもの連載を抱えるほど多忙であった成田氏は、2012年10月、脳溢血により突然この世を去りました。
彼の生前の願いを叶えるため、2014年にバーをテーマに切り描いた『NARITA ITTETSU to the BAR』を有志により刊行。現在は絶版となり手に入れることができなくなってしまいました。
成田氏の作品を画集として一人でも多くのバーテンダーやバーファンにお届けしたい、そんな想いから、ご家族や関係者の皆様のご協力のもと、完全改訂版をこの度BAR TIMESで販売することといたしました。
再版にあたって、表紙をソフトカバーに変え重さを軽減したほか、中身も若干の仕様変更をしております。また、店舗情報を修正・更新したほか、ページ数を増やし、23の切り絵を新たに加え、総数271点を収録いたしました。
新たに加わった23点の作品は下記になります。
・2nd RADIO (東京)1990年代前半・Bar Shanks(東京)2005年・KAZZ(東京)2004年・Bar ラ・ポポット(東京)2005年・Bar Noble(横浜)2005年・Bar GLORY大倉山(横浜)2000年・Bar Eau de Vie(神奈川・相模原)2004年・Paris(横浜)2005年頃・Bar SAKAMOTO(埼玉)2004年・Cooper’s(埼玉・春日部)2005年・EAU・DE・VIE Hills Top(埼玉)2004年・Cocktail Bar Point(群馬・高崎)2005年・Bar 白馬館(富山)2012年・Bar Ron Cana(愛知・豊田)2003年・BAROSSA(岐阜)2004年・わか屋(大阪)1994年・Bar TEN(大阪)1992年・サルーンバー・ムルソー(大阪)1994年・Just a Little Bit(大阪)1992年・バードランド(京都)1993年・Bar玄(京都)1992年・Bar Blew(兵庫・宝塚)1992年・Pub el MOROCCO(愛媛・松山)2005年
成田一徹作品集『NARITA ITTETSU to the BAR』改訂版発行にあたりコメントをお寄せいただきました。
輿水精一さん(サントリースピリッツ株式会社 名誉チーフブレンダー)
突然の訃報に接してから早くも8年が経ちました。同じ昭和24年生まれ、しばしば酒席を共にした身として、いまだにどこかのバーのカウンターでひょっこりお目にかかれるのではという気がしてなりません。そんな思いに駆られるのも、自宅に飾られている切り絵のせいでしょうか、全国各地のバーで成田さんの切り絵に遭遇するからでしょうか。そこには名店が醸し出す心地よい緊張感と安らぎ、ゆるやかに流れる時間、そして極上の一杯があります。作品がある限り成田さんは永遠に生き続けることでしょう。このたびの『NARITA ITTETSU to the Bar』完全改訂増補版を片手に、もう一度成田さんと一杯やるのが待たれてなりません。
城アラキさん(漫画原作者 『バーテンダー』『ソムリエ』など)
成田一徹さんの『NARITA ITTETSU to the BAR』再版(完全改訂増補版)が発売される。成田さん没後、閉店したバーも多く時の流れを感じる。「今度一緒に」と約束していた神戸のバーも今はない。しかし店は閉まってもバーテンダーの師弟関係は脈々と続いている。そんなことに思いをはせ、この本を開いて傾ける一杯は至福の時間だ。
太田和彦さん(グラフィックデザイナー/作家)
成田さんの切り絵を世界に類のない表現と尊敬し、バー仲間でもあった私は、氏の没後に作品集制作の依頼を受けて使命感をもち、決定版にしようとした。大きな版型、ハードカバー、ゆったりと、しかし網羅した作品構成、付随資料の精度。考えたのは、成田さんの厳しく洗練された白黒だけの世界ゆえ、本も白黒だけ、グレーも使わないことだった。でき上がったものは満足できたが、成田さんへのプレゼントのつもりで、真っ赤なトレーシングペーパーの帯を巻いて、紅一点を添えた。このたびソフトカバーで再刊されるのはたいへんうれしい。
月刊「清流」より@上田佑勢
成田一徹 プロフィール
1949年神戸生まれ。サラリーマン生活のかたわら切り絵に目覚め、88年に上京。切り絵作家として独立しました。BARの空間をモチーフにしたモノクロームの切り絵をライフワークとしつつ、新聞、雑誌、書籍を中心に、街の風景や市井に暮らす人々、職人の仕事や生き様など多彩なテーマで作品を発表。エッセイストとしても、軽妙で味わい深い文書にファンも多く、各地で個展、グループ展を多数開催しました。講談社フェーマススクールズ・インストラクターも長くつとめた。2012年10月、脳出血で急逝。