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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2021.09.15 Wed

BARの、あのジントニック気泡一つ一つに味を“なじませる”のが
「オーパ」のジントニックです

— BAR オーパ 田畑道崇さんの場合 —
国内売上No.1(※)ジン
伝統を守り継ぐブランド、「ビーフィーター」


ブランド誕生以来、変わらぬレシピを守り続け、今なおロンドン市内で蒸溜されているビーフィーター。

厳選された9種類のボタニカル(ジュニパーベリー・レモンピール・セビルオレンジピール・アーモンド・オリスルート・コリアンダーシード・アンジェリカルート・リコリス・アンジェリカシード)とこだわりの製法によって生み出されたその味わいは、クリーンな風味と爽やかな柑橘香が特長です。世界中のバーテンダーから愛されているロンドンドライジンの代表格です。

ブランドサイト http://beefeater.jp/gin/

(※)IWSR2020日本国内におけるジン販売数量に基づく


バーにおいて絶対的な人気を誇るジントニック。ロングドリンクでは少なくとも十数年は不動の地位を得ているのではないでしょうか。さらに、バーテンダーにとってもジントニックほどとことん追求するに値するカクテルはないといいます。その秘密は何なのか。ロンドンドライジンを代表する『ビーフィーター』をベースにしたジントニックについて、国内外の人気バーで、その秘密を探るとともに、ジントニックへのこだわりをご紹介します。

BAR オーパ(東京・銀座)田畑道崇さんのジントニック

田畑 道崇(たばた みちたか)
1974年生まれ、鹿児島県出身。地元のバー「Food’s Bar Ken’s」を経て、1999年に上京し銀座「リトルスミス」入店。2004年に当時「リトルスミス」の姉妹店であった「Bar 東京」へ。2006年「BAR オーパ」に入店。2009年「第36回 全国バーテンダー技能競技大会」総合優勝。2010年「I.B.A.世界バーテンダーコンクール シンガポール大会」ファイナリスト 総合4位。
師匠・大槻健二さんの薫陶を受け、店を守り、後輩の指導に尽力してきた。


ジントニックは、「オーパ」という“学校”のお題となるカクテルです

師匠・大槻 健二さんは、ジントニックをことに大事にしたバーテンダーで、「BAR オーパ」の代名詞的カクテルです。自身が好き、ということも大きかったと思います。「オーパ」では、バーテンダーとして入店すると最初に練習するカクテルであり、一人前と認められるのもこの一杯が判断基準の一つとなります。氷の組み方、ライムの搾り方、トニックウォーターの注ぎ方、そして混ぜ方。ステアでつくるカクテルの基礎の要素が詰まっているんです。
だから、スタッフが毎日のように、営業後もジントニックの練習をします。大槻さんが元気だった頃は、各自が大槻さんに味見をしてもらうんです。みんなのものを味わった後、おもむろに自分でつくって、「やっぱり俺のが一番うまいな」と頷いていたことがありましたね(笑)。

ジントニックは、「オーパ」の名前とともにあるカクテルだと思います。


「毎回、一定に、理想のジントニックをつくり続けるのは本当に難しいことです」と語る田畑さん。
完全になじませることで、
スーッと入って最後まで爽やかさが続く

オーパの理想のジントニックとは、飲んだときに何かの味わいが突出するのではなく、飲み込んだ時に口にスーッと入ってきて、舌の上で炭酸が弾け、最後のひと口まで爽やかさが続くものです。それを実現するための大きなポイントを挙げるとすると、まずはライムの搾り方でしょうか。ライムの果芯には苦味があるので、搾る際は芯をずらし、さのうと白皮を出来るだけ傷つけないように、ツイストせず均等に押すように搾ります。使うのは搾りたての果汁のみで、果皮からオイル分が出過ぎないように搾ったカットライムなどは入れません。ライムも適度に張りがあって、ジントニックに適するものを選んでつかっています。
次に、すべての材料をしっかりなじませることです。まずは、ジンとライムジュースをステアします。そしてトニックウォーターを注いで、さらにステアして、完全になじませます。バースプーンを下から上、上から下に動かし、手に伝わってくる氷と液体の抵抗が一定になる感覚までステアするのです。
トニックの炭酸の泡ひとつひとつに味を含ませるようなイメージです。“混ぜる“のではなく“なじませる”ことで、すべての材料が一体となり、スムーズに口に入って来て爽やかさが最後まで続くのです。

適度な“骨格”、柑橘の爽やかさ、バランスのよさがビーフィーター ジンの魅力

ビーフィーター ジンを選んだのは、現在のこのレシピで理想とする味わいと合っていたからです。しっかりとしたアルコール感や酒質による適度な“骨格”は、マティーニやギムレットにもふさわしいものです。レモンやセビルオレンジのピールの爽やかな香りは、「オーパ」のジントニックで目指す爽やかさととても近く、しっかりとしたニュートラルスピリッツで造られていてジン単体の味わいのバランスもいいのです。
私は、「オーパ」に入店して15年、このスタイルのジントニックをつくり続けていますが、いまだに難しいのは、味わいを毎回同じように一定につくることです。お客様が「これだよ」と頷くジントニックをつくれているか——。永遠に追求しがいがあるカクテルです。


キーボタニカルのレモンピール、セビルオレンジピールは、ビーフィーターの特徴である爽やかな柑橘香を生み出す大きな役割を担っています。



果芯をずらし、ツイストせず均等に押すように搾ります

ステアは“混ぜる“のではなく“なじませる”ことをイメージ


BAR オーパ(東京・銀座)田畑 道崇さんのジントニック

ジントニック レシピ
◎ビーフィーター ジン47度(冷凍庫で保冷):45ml
◎フレッシュライムジュース:ライム1/2個分(6~8ml)
◎トニックウォーター(冷蔵庫で保冷):適量
つくり方
ガラス製の搾り器に、半分にカットしたライムの果芯は突起部分に当てず、搾り器と平行に押すように果肉部分を当てて搾る。この時、ツイストしたり、果汁を搾りきらないように気をつける。 グラスに大ぶりの氷(分量外)を入れ、ビーフィーター ジンを氷に当てるように注ぐ。 ライムジュースを入れ、ステアする。 トニックウォーターを氷に当てないように注ぎ、ゆっくりグラスの下から上へ、上から下へと位置を変えながらステアする。


BARオーパについて
1996年9月、「第23回 全国バーテンダー技能競技大会」で総合優勝も果たしたトップバーテンダー、大槻健二さんが開いたバー。同大会で「BARオーパ」からは、チャンピオンを今現在5名輩出しており、日本で最多である。大槻さんは、2012年7月、47歳という若さで永眠されてしまうが、オーパを引き継いだ、妻・麗子さんや後輩バーテンダーによって、オーセンティックでいて気さくな雰囲気、そして癒しの空間が守られている。
店名は、作家・開高健のアマゾン釣紀行『オーパ!』にちなんで命名された。「オーパに来れば何かびっくりすることに出逢える……たとえば『美味しいジントニックと巡りあう』という期待を裏切らない店にしたい」との思いが込められている。
自家製のビーフジャーキーやピクルスなど、お酒に引き立てる料理も用意している。


取材協力 / サントリースピリッツ株式会社


   

BAR TIMES INFORMATION

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