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2022.02.5 Sat

Empirical Brand Story 5独自の蒸溜法

「エンピリカル」は15℃〜20℃の低温で真空蒸溜を行っています。昔はラースがスクラップから作った⼩さい真空蒸溜器を使っていましたが、今は何倍も⼤きい⾃家製の真空蒸溜器を使っています。植物や穀物、酵⺟などが⽣み出すフレーバーをすべてキャッチできるからです。⼀般的な蒸溜所ではおよそ85℃の高温で蒸溜しますが、それではせっかく⽣み出したフレーバーを破壊してしまう恐れがあります。
蒸溜回数は2回。最初の蒸溜を終えてから2〜3日休ませ、2回目の蒸溜を行っています。また、最近では超⾳波噴霧器も使⽤しています。超⾳波噴霧器は表⾯積を増やすため、液体はより低温で蒸発し、分⼦レベルで攪拌することにより、さらに効率的なフレーバーの抽出が可能となります。

昔使われていた、ラースがスクラップから作った⼩さい真空蒸溜器。
現在使われている真空の減圧蒸溜機。

蒸溜時のカットは、ヘッド、ハート、テイルの3回が一般的ですが、「エンピリカル」は、何と80〜100回のセクションにカットしています。一度に500ℓ蒸溜するので、5ℓごとのボトリングとなります。
蒸溜は、初めにフレーバーを引き伸ばすことから始め、その後でフレーバーをより敏感に感じることができるようにしていきます。こうすることで細かくカットした際、蒸溜過程で起きる様々な差異をキャッチすることが可能になるのです。
原料を細分化し、微妙なニュアンスを⾒つけ出し、それらを組み合わせて、思い描いた通りのフレーバーをつくり出していきます。


⼀般的な蒸溜所は⽔で希釈してアルコール度数を調節しますが、エンピリカルはそうしません。
カットはそれぞれ⾃家製のビネガー、コンブチャ(植物性の発酵ドリンク) 、また⼀回⽬の蒸溜で使った植物等とブレンドされます。なぜなら⽔で希釈しないことにより、様々なアルコール度数を⾃ら確かめ、もっとも「フレーバーフル」な味わいを造り出すことができるからです。

独自に蒸溜している(左)ビネガーや(右)コンブチャ

フレーバーの探求は必ずしも⽩紙からスタートするわけではありません。普通では考えられない材料もリソースとして考えています。例えば、製造過程で生まれる“カス”です。この“カス”を使い、ピリッと⾟いホットソースやタレ、また味噌などをつくりアップサイクル(再利⽤)しています。もちろん使い終わった麹も植物由来の原料として醤油などに再利⽤しています。

使い終わった素材もソースなどに再利用される。




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