1999.02.17 Wed
伝統のフロアモルティングを継承する原酒づくり伝統の原酒づくり
SPEYSIDE SINGLE MALT WHISKY
スペイサイドでは2箇所のみ。伝統のフロアモルティング
ベンリアックでは、蒸溜所から半径50マイル以内の大麦を使用しています。それは、鮮度の良い大麦からはいいモルトができる、という考えからです。また、蒸溜所では閉鎖していた60年間はウイスキー製造を行っていませんでしたが、近隣にあるロングモーン蒸溜所に麦芽大麦を供給するため、フロアモルティングは常に生産し続けていました。現在では「モルティングシーズン」と呼ばれる5月に、年一度の生産をしています。スペイサイドでフロアモルティングを行っているのはベンリアックを含め2箇所のみ。とても希少な存在です。
ミネラル豊富な仕込み水を4回投下でフルーティーな原酒づくり
仕込み水は、敷地内の地下250mにある帯水層を汲み上げています。硬度180mg/lの硬水はミネラル分が豊富で、ベンリアックの特徴であるフルーティーな仕上がりに一役買っています。
マッシング(糖化)における仕込み水の投下は一般的には3回ですが、ベンリアックではミネラル豊富な水を4回に分けて投下しています。その分時間はかかりますが、大麦の甘みを最大限に引き出すことができる欠かせない工程です。これもフルーティーな原酒を得られる元となり、蒸溜所では「フォー ウォーター マッシュ 」と呼んでいます。
発酵は平均80時間。長期発酵で得られるフルーティーな香りに
ステンレス製のウォッシュバック(発酵槽)は全部で8基。発酵時間は平均で80時間かかります。短くて68時間、長ければ100時間をかけることもあります。スコットランドにある他の蒸溜所では発酵時間の平均が52時間のため、ベンリアックはかなり長いと言えます。長時間発酵させることで、特徴である果樹園のフルーツの豊かな香りが引き出されるのです。