2022.08.8 Mon
Woodford Reserve Old FashionedNoname Old Fashioned
小川 良さん(BAR EMANON)小川 良さん(BAR EMANON)によるウッドフォードリザーブ オリジナル オールドファッションド「Noname Old Fashioned / ノーネーム オールド ファッションド」をご紹介します。
- Noname Old Fashioned
- レシピ
- ・ウッドフォードリザーブ 60ml
・ ウッドフォードリザーブ チョコレートビターズ 3dash
・ オールドフォレスター シナモンビターズ 3dash
・ カソナード(ブラウンシュガー) 1tsp
・ オレンジスライス 1 枚
・ グリオッティンチェリー 3 粒
・ オレンジピール 1 片 - つくり方
- オレンジスライスにカソナードをまんべんなく均一に振りかけ、バーナーで炙る。
氷をベストルで砕いてグラスに入れ、2種のビターズとウッドフォードリザーブを加え、ステアする。
オレンジスライスとグリオッティンチェリーを飾り、オレンジピールを搾りかける。
ツイストはキャラメリゼのみでシンプルに
小川 良さんインタビュー
ウッドフォードリザーブの蒸留所を訪ね、2種のビターズを使ったレシピを考案
現在、同じビルで2つのバーを営んでいます。私はウイスキーが大好きで、両店ともウイスキーは厚くラインナップしています。ウッドフォードリザーブの販売数が多かったことから、2019年にはアメリカ・ケンタッキー州のウッドフォードリザーブ蒸留所を訪ねる機会を得ました。帰国後、本場を訪ねた刺激が新鮮なうちに、現地で買い込んだ素材をいろいろ組み合わせてオールドファッションドの新しいレシピを試作をしてみました。その中で最もマッチしたのが、ウッドフォードリザーブにチョコレートとシナモンの2種のビターズを合わせることでした。バーボンをしっかり入れても、やさしい飲み口になるのです。カクテル名は、「NO NAME」の綴りを逆さにした店名「EMANON」にちなんでいます。
オレンジをキャラメリゼし、より柔らかな飲み口に
私自身は、ウイスキーをストレートや炭酸割りで飲むのが好きなので、オールドファッションドにする場合も、多種の副材料を使うより、シンプルにつくりたいと考えました。でも自分なりの工夫は効かせたい。そこで思い切って、オレンジをキャラメリゼすることに。炙ることで香ばしく甘い香りが立ちますし、カクテルに浸すとマイルドな甘味が加わります。それまで提供していた、「ホテルオークラ」仕込みのスタンダードなオールドファッションドは、クラシカルでドライな印象です。一方、こちらは、シロップを加えていないのに心地よい甘さが味わえます。オレンジの表面のカラメルを溶かしながら召し上がってみてください。
ウッドフォードリザーブのまろやかさや香りを生かしたい
アルコール度数43%のウッドフォードリザーブを60mlと、たっぷりの量を入れてもまろやかなのは、ウッドフォードリザーブ自体が心地よい口当たり、まろやかな甘味、香りのよさを持っているからです。シンプルな材料に抑えたのは、その持ち味を生かしたいからにほかなりません。ちなみに、氷をペストルで砕いて入れるのはこのカクテルだけ。結構、痛いんですよ(笑)。でも、クラッシュアイスでは溶けすぎますし、丸氷では溶けづらすぎる。中間のこのサイズの溶け具合がちょうどいいんです。少しずつかき混ぜながら飲み進めると、しっかりアルコール感を感じるひと口目と、溶けた氷がなじんで緩やかに味わえる最後の方と、味わいの変化をグラデーションで愉しめます。
小川 良(おがわりょう)
1977 年、神奈川県茅ケ崎市生まれ。1998年「ホテルオークラ東京」に入社し、バーテンダ ーとして、メインバー「オーキッドバー」、スコティッシュバー「バー ハイランダー」、ワインダイニング&シガーバー「バロン オークラ」を担当。2005年から「RAI’S BAR」で勤め、2009年に同店三代目オーナーバーテンダーに。2020年、同ビルに「BAR EMANON」をオープンする。
BAR EMANON
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町 1-7-5 YT ビル 4F
(「RAI’S BAR」は同ビル 1F)
店名「EMANON」は、英語「NO NAME」の綴りを逆にした言葉遊びであり、小川さんが愛するサザンオールスターズの曲名でもある。アフターディナーのバーがテーマで、ウイスキーを中心にラムやブランデーを揃え、オールドボトルにも力を入れる。シガーも愉しめる。「RAI’S BAR」は、よりカジュアルな雰囲気で、ウイスキーと共にカクテルにも定評がある。
小川 良さん(BAR EMANON)の「Noname Old Fashioned / ノーネーム オールド ファッションド」メイキング動画をご覧になれます。撮影場所:BAR EMANON
インタビュー・文 沼由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『読本 本格焼酎。』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。