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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2024.10.1 Tue

NIKKA FRONTIER Collaboration cocktails日本の素材を使い、ウイスキーサワーをアレンジ。滑らかな海面に浮く波の泡を表現する一杯に。

南雲主于三(スピリッツ&シェアリング)
[PR]ニッカウヰスキー株式会社

2024年で創業90周年を迎えるニッカウヰスキー。この節目となる年の10月1日に、「余市」モルトをキーモルトにしたブレンデッドウイスキー「ニッカ フロンティア」が新発売する。創業者・竹鶴政孝のフロンティアスピリットと同社の革新的な挑戦を表現したウイスキーだ。

ニッカ フロンティアの発売を記念して、新しい分野を切り開いてきたフロンティア精神溢れる5人のバーテンダーにこれまでの挑戦を訊き、「ニッカ フロンティア」にふさわしいハイボールとカクテルを提案してもらう。世界的に活躍するバーテンダーへのスペシャルなインタビュー、最初に登場するのは、『スピリッツ&シェアリング』の南雲主于三さんだ。

南雲主于三さんのフロンティアストーリー

「ミクソロジー」の分野を拓き、その先にある専門性の高いカクテルの世界を創造してきた

「ミクソロジー」というカクテルの一つの分野は、今ではすっかり浸透した。「Mix」と「Logic」を融合させた言葉で、論理性をもって素材や調合を広く捉え、新しいカクテルを追求するスタイルだ。
南雲主于三さんが独立を果たした2009年。日本では「ミクソロジー」という言葉すらなじみがなかったものの、それを前面に打ち出し、ミクソロジストとして革新的なカクテル創りをしてきた。だが、南雲さんが切り拓いてきたのは、それだけではない。

「開業から2016年までは、これまでのカクテルではあまり使われてこなかった素材や調合を取り入れて、自由な発想でカクテルを創ることにチャレンジしてきました。7年を経て、幅広くなったカクテルの世界の先に、より専門的な深いカクテルの領域があることがわかってきました。そこで、いろんな専門ジャンルのスペシャリストを迎える『マスタークラス』という勉強会を自店で行ってきました。それが、2017年に『GINZA SIX』の中にお茶のカクテルに特化したバー『Mixology Salon』の開店につながります。以来、ミクソロジーの先にある専門性の高いバーを開いて深めてきました」

現在、南雲さんの会社「スピリッツ&シェアリング」が営む国内のバーは5店舗。
遠心分離機、減圧蒸留、真空調理などの技術を駆使して幅広い考え方でカクテルを広く捉える、赤坂『MIXOLOGY AKASAKA』。抹茶、玉露、ほうじ茶、台湾烏龍茶、ジャスミン茶といった厳選茶葉を用いたカクテルを提供する、銀座『Mixology Salon』。ヴィンテージウイスキーやスピリッツに加え、古酒をブレンドしたカクテルでクラシックカクテルの新しい定義と形を目指す、日比谷『Mixology Heritage(ミクソロジー ヘリテージ)』。世界中から届くカカオ豆やパルプ、クーベルチュールを使ってカクテルに仕上げる、虎ノ門『memento mori』。そして、日本酒や焼酎といった国酒と国産スピリッツを使った新しいカクテルを提案する、日比谷『FOLKLORE』。

走り続ける南雲さんは、これだけに収まらない。すでに次の挑戦を見据えている。

「香りと味覚の体験にしっかり向き合える場を創りたいと思っています。その場で好きな香りを調合して、口から摂取できる飲み物として提供するオリジナルカスタマイズのドリンクを提供するような。お酒は人生を豊かにしてくれたり、心をほぐしてくれるものであり、『酔う』だけではない愉しみ方を考えたいのです」

南雲主于三さんが感じた「ニッカ フロンティア」

「しっかりモルティで、心地よいスモーキーさとマーマレードを思わせるフルーティーさが融合している」

伝統的なウイスキーの価値観からの変化に挑戦するウイスキー「ニッカ フロンティア」。テイスティングの感想を南雲さんはこう話す。

「しっかりモルティなビター感とアプリコットやイチジクのような熟した果物のフレーバー、マーマレードのようなフルーティーさ、樽由来の香りや渋味、さらにホワイトチョコのようなミルキーさ……これらが絶妙に融合していますね。柔らかなオークの香りと共に、甘さが⾧く続きます。ストレートで飲んでみると、リッチさと飲みやすい味わいを備えていてアルコールのボリューム感もよく、ハイボールにしてもすごくいい。そのまま飲むよりもおいしいカクテルを、どうやってつくろうかと悩みました(笑)」

「ニッカ フロンティア」の参考小売価格は1本(500ml)2,000円(税抜)。モルトベースでいて、これまで「余市」「竹鶴」「宮城狭」の限定品でしか採用してこなかったノンチルフィルタード製法を採用している。

「これまでのニッカウヰスキーは、スコットランドのウイスキーを日本でちゃんとつくろうという意思のもと、クラシックで王道の酒質設計をしてきたように思います。個人的にも『余市1989』なんかがとても好きでした。蒸溜所に行くとよくわかりますが、樽違いでつくり分けていて、いい原酒を多種類保有していることが察せられます。それを銘柄ごとの世界観で展開してきたわけですが、ここにきて『ニッカ フロンティア』がブレンドの技術でこれまでと違う味わいとして誕生したことは大きな変化。現在、とかく軽やかなウイスキーが好まれがちですが、そこに乗らず、これだけリッチで贅沢なつくりのウイスキーをこの価格帯でリリースすることが逆に『今っぽい』ように感じます。ニッカのいいところがきちんと残っているところが、ウイスキー好きにも刺さると思います」

NIKKA FRONTIER オリジナルカクテル

「ニッカ フロンティア」の味わいを生かした2つのカクテルを考案してもらった。1つは、オレンジフレーバーから着想を得たアレンジハイボール。もう1つは、南雲さんのオリジナリティとクリエイティビティを最大限に発揮し、これまでにない革新的なカクテルを創造してもらった。

南雲主于三さんの「ニッカ フロンティア」アレンジハイボール

「ニッカフロンティアにオレンジのフレーバーを感じたことからの発想です。ピールを振りかけるだけでも成立しますが、これまでウイスキーを飲みなれていない新しい層にもトライしていただきたく、甘味と酸味を少し足したいのでマーマレードに。レモンサワーとハイボールを混ぜて、オレンジを加えたようなイメージです。フィズのような印象になります。マーマレードは持ちがよく、保存もできるのもつくりやすさにつながります。甘味の強弱の差やスパイスのきいたものなど好みのマーマレードを選ぶとよいと思います。口径の広いグラスを用い、小さめの氷を使うのは、炭酸の粒が氷に当たって香りが立ちやすいからです。飲むときの氷の緩衝が少なく、ウイスキーの味がよく感じ取れますし、爽快感も出ます。ゴクッと飲める飲み心地もいいですね。逆に、2軒目、3軒目といったシチュエーションでゆっくり飲みたい時は大きめの氷を使うのがお薦めです。

マーマレードハイボール
〈レシピ〉
・ニッカ フロンティア:30ml
・炭酸:90ml
・マーマレード:1tsp
・レモン(1/8カット):2切れ
〈つくり方〉
大きめのハイボールグラスにマーマレードを入れ、レモンを搾り入れてよくかき混ぜる。ニッカ フロンティアを注いで氷を入れてステアし、炭酸を注ぎ、軽くステアする。

南雲主于三さんの「ニッカ フロンティア」オリジナルカクテル

「日本的なウイスキーサワーをつくろうと考案しました。本来は、ウイスキー、レモンジュース、シュガーシロップ、卵白でつくるものですが、今回はふきのとうのジン、ハーブ感の強いベルモット、ハーブのシロップ、エッジのきいた酸味のアップルビネガー、それに伝統的ないり番茶を泡立てて使います。ビター感、ハーバルなフレーバー、複雑な酸味を合わせてまとめました。カクテル名の『トランクィル』とは 海や森など自然の穏やかな状態を指します。穏やかな海面に波の泡が浮いている様子をカクテルで表現しています」

トランクィルサワー
〈レシピ〉
・ニッカ フロンティア:30ml
・スプリング スプラウト ビター
リキュール(自家製)(※1):10ml
・リーガルローグ デアリング ドライ
(ベルモット):10ml
・レモンジュース :10ml
・ユーカリ シロップ(自家製)(※2):10ml
・アップルビネガー:2.5
・京都いり番茶(泡)(※3):45mlml(※1)ふきのとうのジン。野沢温泉蒸溜所製造、「スピリッツ&シェアリング」プライベートボトルを使用。(※2)ユーカリの乾燥した茶葉を煮だし、液体の半量の砂糖を加えて煮詰める。(※3)いり番茶にレシチンを加え、ミルクフォーマーで泡立てる。
〈つくり方〉
①シェイカーに、すべての材料と氷を入れてシェイクする。
②①をカクテルグラスに注ぎ、京都いり番茶(泡)をのせる。


味のよさだけでなく、「ニッカ フロンティア」の世界観やつくり手の想いが飲み手の共感を呼ぶ


「伝統的なウイスキーの価値観からの変化に挑戦するウイスキー」を謡う「ニッカ フロンティア」。「生きるを愉しむ」ことも「ニッカ フロンティア」が打ち出すコンセプトの1つだ。

「ハイボールの普及にしても新しい商品の登場にしても、ウイスキーはここ数十年間で大きな飛躍を遂げました。幅広い人に味わえるものを造ることを求められる一方で、飲み手に響くものが求められるのも事実。平均寿命が延びて僕らの人生も長くなり、選択肢は増えて、なおかつ激しく変化している中で、何を手に取るかは味だけではないと思います。世界観だったりつくり手の想いだったり、自分が何に共感するかを考える意識が高くなっているように感じるのです。ニッカ フロンティアはボトルのデザインからしてこれまでの重厚な世界観からかなり変化した印象です。ニッカ フロンティアに代表される新しい挑戦は、創業90周年を迎えた中での大きな変化であり、新たな楽しみ方が広がるきっかけになると思います」


南雲主于三(なぐも・しゅうぞう)
1980年生まれ。オーナーバーテンダー。98年にバー業界へ進み、2006年渡英してメトロポリタンホテル内にある「Nobu London」に1年弱勤務し、帰国前の1ヶ月ほどヨーロッパの各地を巡りイギリスの酒や食文化に触れる。帰国後、丸の内「XEX TOKYO」のオープンに携わり、ヘッドバーテンダーに就任。2009年に現在自身が運営するスピリッツ&シェアリング株式会社を設立。東京・赤坂「The Bar code name MIXOLOGY akasaka」、お茶とカクテルをコンセプトとした東京・銀座「Mixology Salon」、クラシックカクテルの新しい定義と形を目指す東京・日比谷「MIXOLOGY HERITAGE」、カカオとボタニカルがコンセプトの東京・虎ノ門「memento mori」、日本酒、お茶、焼酎、国産スピリッツを使う東京・日比谷「FOLKLORE」、シンガポール「Mixology Salon SINGAPORE」を営む。店舗経営の他に、メーカーのプロモーション企画コンサルティング、大手外資ホテルのメニュー開発、外資酒類大手との商品開発、店舗プロデュースなどでも幅広く活躍。

memento mori/メメントモリ
東京都港区虎ノ門1-17-1  虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー3F
Tel. 03-6206-6625

インタビュー・文 沼 由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。

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