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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

NEW2024.12.3 Tue

LEGENT特集 トップバーテンダーインタビュー厚みのある甘味と唯一無二の複雑味が、ブレンドの技でクロスオーバーする。

藤井 隆さん(CRAFTROOM/大阪・梅田)
[PR]サントリー株式会社

2023年から数量限定で発売されたプレミアムなアメリカンウイスキー「LEGENT(リージェント)」が、2024年11月26日(火)より通年販売されることとなった。ビーム社のマスターディスティラー フレッド・ノウ氏が造ったバーボンの原酒を用い、サントリーのチーフブレンダー・福輿伸二氏がブレンドを担当。ふたりのレジェンドが新たな領域に挑戦して誕生したアメリカンウイスキーである。
その味わいはいかに? カクテルにする可能性は?
「LEGENT」通年発売記念企画として、3人の著名なバーテンダーに「LEGENT」を体験してもらい、その魅力と可能性を語ってもらう。


アメリカンウイスキー「LEGENT(リージェント)」


ふたりのレジェンドの挑戦
「山崎」「響」の開発を手掛ける福與伸二による精緻なブレンディング技術と感性、​そして、バーボンの歴史を背負うフレッド・ノウが守り続けてきた、アメリカの大地が育んだ力強いバーボンの原酒が融合。

常識を超えた新しい製法
ビーム家が200年以上の守り続けてきたストレートバーボンに、ワイン樽とシェリー樽でそれぞれ後熟させた原酒をブレンド。バーボンらしい力強さにワイン樽由来の芳醇な香りと甘み、シェリー樽由来のスパイスのような香味が加わり、これまでにない複雑味を実現しています。

「LEGENT」ホームページ
https://www.suntory.co.jp/whisky/legent/


●容量 750ml ●アルコール度数 47%
●希望小売価格(税別) 7,200円

 

しっかりしたバーボンの風味と、ドライフルーツやカラメルのような厚みのある甘味と旨味がクロスオーバーする

大阪駅に西梅田駅、北新駅と地下連絡通路でつながる大阪駅前ビル。第1から第4まで4棟が連なる広大な雑居ビルである。バー「CRAFTROOM」は、地下2階、飲食店や金券ショップがぎゅっと詰まる賑やかなフロアの一角に溶け込んでいる。
扉を開けると空気は一変。世界規模のカクテルコンペティション「ワールドクラス 2016 ジャパンファイナル」で日本一を制し、世界第2位の座を射止めた藤井隆さんがカウンターで腕を振るう。自家製の素材を駆使した先進的なカクテル、そして世界中のカクテルラバーに響くようなクラシックなスタンダードカクテルを提供する。

聞けば藤井さんは、大のバーボン好き。「もはやコレクターです」と自負するほど古いボトルも収集している。店の棚には、1960年代のボトルも置いてある。
長年バーボンを飲み込んできた藤井さんに、「LEGENT」をテイスティングしてもらう。


大阪・梅田「CRAFTROOM」オーナーバーテンダーの藤井 隆(りゅう)さん。バーボンは大好きで、「アメリカで発売した2019年からLEGENTに注目していた」という。

「後熟で用いたシェリー樽やワイン樽のノート(香調)がしますね。味わいは干したレーズンや熟したバナナ、シナモン、杏仁、アプリコットのニュアンスを感じます。カスタードプリンのカラメルソースや、クレームブリュレの香ばしくキャラメリゼした焦げ目といった厚みのある甘味と旨味が押し寄せますね。まるで濃厚なシロップをいただいているようです。いわゆるシンプルなケンタッキーストレートバーボンに比べるとずっと複雑です。余韻が長いですねぇ。フレッドさんが厳選した原酒が熟成によってさらにいい深みを増していて、重厚な味わいの広がりを感じます。ブレンドの技によって、バーボンらしさと多彩な香りや味わいがクロスオーバーしている印象です」

「ラフで純粋にいいところを抽出して味わえるオンザロックが好きです」

続いて、オンザロックでも味わってもらう。

「少し酸味を感じるようになりましたね。その後に続いて甘味が押し寄せます。ストレートの時に感じた多彩なフレーバーは閉じ込められますが、純粋に重厚な甘味を感じとれます。ゴールデンシロップにシナモンやクローブ、カルダモンといったチャイに入っていそうなスパイスの風味も感じられます。この軽やかな酸味は決してネガティブではなく、レモネードやゆずといった素材にマッチするように思います」

ストレートとオンザロックを飲み比べてみて、仮に、プライベートタイムに藤井さん自身が味わうなら、と問いかけると「僕は、オンザロックですね」と答えが返ってきた。

「仕事柄、ストレートだとついストイックに味わいすぎてしまうのです。テイスティンググラスなどで飲んでしまうと特に、です。その点、オンザロックはラフに飲めて、LEGENTの甘味が立ち、いいところを純粋に抽出して味わえる気がします。氷が溶けて温度が上がってくる変化をゆっくり愉しむのも好きなんです。時間が経って、氷が溶けたLEGENT風味の水のようになった状態ですらおいしいと感じてしまいます(笑)」

藤井さんは、カクテルのベーススピリッツとしても太鼓判を押す。従来のバーボンと大きく異なる「LEGENT」の特長がその理由でもある。

「どんなカクテルに仕上げてもおいしいと思います。カクテルの出来不出来は、ベーススピリッツの熟成年数や原酒の質といった酒質に左右されるところが大きいと思います。LEGENTは酸っぱい副材料と合わせようが、甘いものやビターなものと合わせようが何でも来い。骨格がしっかりしているので、シェイクしてもそうそう簡単に崩れないと思います。LEGENTが従来のバーボンと大きく違うのは、唯一無二の味の複雑味。フレッドさんと福與さんの“おいしいウイスキーを創ること”への努力と技術のぶつかり合いの結晶でしょう。ここ30年ほどのウイスキー造りにおいては、長い伝統を守る一方で、テクニックが飛躍的に上がってきました。こういった新しいスタイルのウイスキーが誕生することも、それが受け入れられる土壌ができてきたことも素晴らしいし、僕自身も興味をもって見ています」 

2つの文化が融合して生まれたカクテルに、2人のレジェンドが生んだアメリカンウイスキーを重ね合わせる

「LEGENT」を使うクラシックカクテルに藤井さんが提案するのは、1930年代、アメリカ・ニューオーリンズで誕生した「ヴュー・カレ」である。モンテレオーネ・ホテル内にある「カルーセル バー」のヘッド バーテンダー、ウォルター・バージェロンが考案したものだ。

「世界的にはとても有名なカクテルです。カクテル名『ヴュー・カレ』は、カクテルが誕生した地区・フレンチクォーターの呼び名で、フランス植民地でありながら現地にはアイルランド系の移民も多く住んでいました。コニャックとウイスキーを合わせるこのカクテルは、まさに両方の異なる文化が合体した象徴的なカクテルです。2人のレジェンドの技が融合したLEGENTと共通するストーリーがありますよね。本来のレシピではライウイスキーを使いますが、LEGENTを使うと濃厚さと重厚さが圧倒的に増し、格段にリッチな味わいになります。“深い時間に飲むにふさわしい贅沢な飲み物”ですね」

藤井さんはじっくり“練る”ようにステアをする。

「氷を動かさないようゆっくり温度を下げていきます。氷を極力解かさずに純粋に温度を下げながら液体を一体化させます」 

コニャックはブドウを原料に樽で熟成させるもの。一方、「LEGENT」は後熟にワイン樽を使っている。親和性が高い2つのスピリッツはグラスの中であたかもはじめからひとつの液体だったかのようにつながっていく。


ウイスキーとコニャック、異文化のスピリッツが融合する「ヴュー・カレ」。「LEGENT」が味わいに奥行きを与え、次の一口を誘う。「マンハッタンにコニャックを足したようなレシピですが、より複雑味があって濃厚でエレガント。好きなカクテルで通常のメニューに載せています」と藤井さん。

『ヴュー・カレ』by Ryu Fujii
〈材料〉
・リージェント…20ml
・カルパノ クラシコ(スイートヴェルモット) …20ml
・コニャック…20ml
・ベネディクティン DOM(ハーブリキュール)…5ml
・ペイショーズ・ビターズ …2dash
・アンゴスチュラ・アロマティック・ビターズ …5dash
・オレンジピール …1片
〈つくり方〉
① シェイカーにペイショーズ・ビターズ、アンゴスチュラ・アロマティック・ビターズを振り入れる。オレンジピール以外のほかの材料をすべて加える。
② ミキシンググラスに氷(分量外)を入れ、1を注いでじっくりステアする。ストレーナを取り付けてグラスに注ぎ、オレンジピールを絞りかける。


『ヴュー・カレ』のメイキング動画をご覧ください。


藤井 隆(ふじい・りゅう)
1983年生まれ、兵庫県出身。大学生だった20歳から、アルバイトでバーの世界に入る。大学卒業後はバーテンダーとなり、神戸市、姫路市のバーを経て、2006年より大阪・北新地「Bar,K」に入社して14年勤める。2011年、国際バーテンダー協会(International Bartenders Association 略称 IBA) のシンガポールにあるトレーニングセンターで、バーテンダーの人材の育成の授業「エリート・バーテンダー・コース(E.B.C.)」を受講し卒業。2016年、「ワールドクラス 2016 ジャパンファイナル」で国内優勝、同年、アメリカ・マイアミで開催された世界大会で準優勝を果たす。2020年に独立し、自身のバー「CRAFTROOM」を開業。

CRAFTROOM(クラフトルーム)
大阪市北区梅田1-3-1 大阪駅前第1ビルB2-70 Tel:06-6341-8601
小体の立ち飲み屋に和洋の料理店、金券ショップにマッサージ店などバラエティ豊かな店舗が連なる大阪駅前第1ビルの地下に位置する。カウンター6席、テーブル1卓のコンパクトな空間で、20世紀前半のアメリカ、ツールが所狭しと並ぶテーラーのお針子の作業場“クラフトルーム”がコンセプトとして店名に掲げる。自家製の材料を交えて構築するシグネチャーカクテルやモクテル、王道のクラシックカクテルなどを提供。2024年「Asia’s 50 Best Bars」では28位にランクイン。全国各地、世界各国からカクテルラバーが訪れる。


インタビュー・文 沼由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある


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