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NEW2024.12.10 Tue

LEGENT特集 トップバーテンダーインタビュー甘味に内包されたスパイシーさと後熟した樽の香ばしさが重層的に広がる。

耳塚史泰さん(Bar耳塚/東京・銀座)
[PR]サントリー株式会社

2023年から数量限定で発売されたプレミアムなアメリカンウイスキー「LEGENT(リージェント)」が、2024年11月26日(火)より通年販売されることとなった。ビーム社のマスターディスティラー フレッド・ノウ氏が造ったバーボンの原酒を用い、サントリーのチーフブレンダー・福輿伸二氏がブレンドを担当。ふたりのレジェンドが新たな領域に挑戦して誕生したアメリカンウイスキーである。
その味わいはいかに? カクテルにする可能性は?
「LEGENT」通年発売記念企画として、3人の著名なバーテンダーに「LEGENT」を体験してもらい、その魅力と可能性を語ってもらう。


アメリカンウイスキー「LEGENT(リージェント)」


ふたりのレジェンドの挑戦
「山崎」「響」の開発を手掛ける福與伸二による精緻なブレンディング技術と感性、​そして、バーボンの歴史を背負うフレッド・ノウが守り続けてきた、アメリカの大地が育んだ力強いバーボンの原酒が融合。

常識を超えた新しい製法
ビーム家が200年以上の守り続けてきたストレートバーボンに、ワイン樽とシェリー樽でそれぞれ後熟させた原酒をブレンド。バーボンらしい力強さにワイン樽由来の芳醇な香りと甘み、シェリー樽由来のスパイスのような香味が加わり、これまでにない複雑味を実現しています。

「LEGENT」ホームページ
https://www.suntory.co.jp/whisky/legent/


●容量 750ml ●アルコール度数 47%
●希望小売価格(税別) 7,200円

 

甘味の輪郭の内側にスパイス香や果実味、香ばしさが包まれていて、重層的な構成を感じる

日本屈指のバーの街、銀座。日本トップレベルのバーがあちらこちらに綺羅星のごとく瞬いている。「Bar 耳塚」もまた、「第38回 全国バーテンダー技能競技大会」で日本一に輝いた最高峰のバーテンダー、耳塚史泰さんが営むバーである。
地下2階という隠れ家的なロケーション。初めてなら、少々の緊張を強いられるかもしれない。でも扉を開けると、ベスト姿に身を包んだ耳塚さんがそんな緊張を吹き飛ばすような明るい笑顔と声で迎えてくれる。


東京・銀座「Bar 耳塚」オーナーバーテンダーの耳塚史泰さん。「いらして頂いたお客様にはとにかく愉しんでいただきたいですね」。明るいもてなしが印象的だ。

常連客、初めて来店する客、インバウンド問わずカクテルを所望されることが多く、カクテルの注文の割合は約8割に上る。バーボンについても、普段はカクテルで提供することが大半だという耳塚さんに、「LEGENT」をテイスティングしてもらう。
ボトルからグラスに注ぎ、まず香りながらこう語る。

「バニラやレーズン、アプリコットのコンポートを思わせる上質な甘さが際立ちます。その後ろに蜂蜜も感じますね。シナモンやクローブといったホールスパイスの柔らかい香りも漂ってきました。スワリングすると凝縮感がほどけてさらに立体的な香りが立ち上ります」

続いて、口をつけて少量を味わう。

「香り同様に、甘味と旨味の輪郭をしっかり感じます。その内側にスパイスのニュアンスがあり、さらにその内側にワイン樽・シェリー樽で後熟した原酒の果実味や香ばしいフレーバーがある、という重層的な構成を感じます。ストレートの時点で幾重にもレイヤーが重なっていて、おいしいカクテルが持つバランスがきっちり組み立てられている印象です。口の中全体を包み込む粘性も感じますね。ストレートバーボン、ワイン樽とシェリー樽でそれぞれ後熟させた計3種類の原酒が重なり合ってひとつのユニットになっています。余韻は緩やかな傾斜で伸びて、まるでコニャックのような伸びを感じます」

加水した印象はどうだろうか。

「LEGENTのバランスが崩れないよう、加水はティースプーン1杯で十分ですね。それだけで印象がガラッと変わります。ワイン樽やシェリー樽の華やかさが感じられ、新たなレイヤーが浮き出てきました」

「オンザロックは氷のサイズで味が変化。小さな氷をステアせずに加えるのが私のベストバランス」

「オンザロックとひと言でいっても、氷のサイズの大小やステアの仕方、ウイスキーの温度によっても味わいは全然違います」と耳塚さんは言う。冷やしすぎては、味わいは穏やかにはなるものの「LEGENT」の持ち味の多様なフレーバーを閉じ込めてしまう。多彩なアプローチを試し、耳塚さんのベストバランスを見出した。

「1ジガーのウイスキーに1ジガーの氷。ウイスキーと氷が1対1のバランスです。それも大きな氷ではなく、キューブアイス程度の小さな氷を入れてステアせずに味わいます。ストレートの状態を保ちながら、純粋に温度を下げていくのです。渋味や苦味、えぐみといったネガティブな要素が出ず、LEGENTが持つ味の輪郭や旨味がちゃんと残り、バランスが崩れません。氷から溶け出る水でより穏やかになっていく変化を愉しめます。これコニャックだっけ?と錯覚するほどのまろやかさが出てきますよ。氷が溶け切れば、結果的にトゥワイスアップになり、緩やかな甘さと心地いいビターな余韻を堪能できます」

さまざまな角度から「LEGENT」を味わった耳塚さんは、「LEGENT」を薦めるにどんな人を思い浮かべたのだろうか。

「バーボンが苦手という方ほど召し上がっていただきたいです。今、アメリカンウイスキーはここまで変化しているとお伝えしたいですね。バーボンというカテゴリーにとらわれるのではなく、自分にとってどんなウイスキーなのかと向き合ってみていただきたいです」

冷やしすぎず、ハーバルなフレーバーを一体化させて「LEGENT」にさらなる奥行きを与える

「LEGENT」を使うクラシックカクテルとして耳塚さんが提案するのは、 「カクテル」という分野が認識されて以来最古のカクテルといわれる「サゼラック」だ。

「すでに重層的なフレーバーを備えているLEGENTのポテンシャルと最大限に引き出すことを踏まえると、本来のバランスを崩したくはありません。副材料は最小限にし、LEGENTにハーバルなフレーバーを与えて、さらに奥行きを出すようにしました。サゼラックは本来アブサンを加えますが、バランスを考慮するとアブサンは濃厚すぎます。ハーバルでいて軽さを出すために、ここではペルノを採用します」

カクテルの手法も材料も極めてシンプル。だがひと口飲むと、ボディ感は保ちながらも至極繊細で甘やか。香草の爽やかさと温かみを感じる味わいが広がり、次々と味わいのレイヤーが折り重なる。

「ポイントはステアの際に冷やしすぎないことです。LEGENTの内側にハーブのフレーバーをしのばせるようなイメージでステアします。冷やす、というよりは一体化させてとろみを出すのです」


ガーニッシュも添えず、吟味した最小限の材料でつくる『サゼラック』。重層的な「LEGENT」の特長を最大限に引き出した上質感と風格が漂う。「カクテルにする際は、LEGENTの本質を捉えることが大事です」と耳塚さん。

『サゼラック』by Fumiyasu Mimitsuka
〈材料〉
・リージェント……60ml
・アンゴスチュラ・アロマティック・ビターズ ……2dashes
・ペルノ(アニスリキュール)……1/2tsp
・シロップ……1/2tsp
〈つくり方〉
ミキシンググラスにすべての材料を入れて軽くステアし、氷(分量外)を加えて、再びゆっくりとろみが出るようにステアしてグラスに注ぐ。


『サゼラック』by Fumiyasu Mimitsuka のメイキング動画をご覧ください。


耳塚 史泰(みみつか・ふみやす)
1975年生まれ、愛媛県出身。19歳の時、アルバイトでバーに勤め始め、21歳で東京・銀座のオーセンティックバー『リトルスミス』に入店。1999年、休職してカナダへ1年間の語学留学をする。2011年「第38回 全国バーテンダー技能競技大会」総合優勝。2012年「第61回 IBAワールドカクテルチャンピオンシップ」(中国・北京)にてアフターディナー部門優勝、ベストテクニカル受賞。2014年、独立して「Bar耳塚」開店。

Bar 耳塚
東京都中央区銀座6-16-19 若松ビル地下2階 Tel:03-6274-6629
カクテルはメニューから選ぶのではなく、好みを伝えて注文する。スタンダードなクラシックカクテルを中心にしながら、マスターの耳塚さんの細やかなアレンジをきかせた1杯を愉しめる。店内は、ゆったり座れるカウンター席とテーブル席3卓。


インタビュー・文 沼由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『読本 本格焼酎。』、編集に『EST! カクテルブック』『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある

サントリー「LEGENT(リージェント)」オフィシャルサイト
https://www.suntory.co.jp/whisky/legent/

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