
NEW2026.06.15 Mon
『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』発売記念イベント「Blender’s Talk」「竹鶴ピュアモルト」の哲学をチーフブレンダーが語る。限定シリーズ『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』イベントレポート
BAR TIMES レポート[PR]ニッカウヰスキー株式会社
「竹鶴を超えられるのは、竹鶴だけ」。
プライドをかけたブランド哲学を掲げ、日本にしかできないウイスキーを体現する「竹鶴ピュアモルト」が新シリーズを発表した。
2030年に発売30周年を迎える節目に向け、2026年から5年にわたり、毎年数量限定発売するシリーズで、2026年6月16日に第1弾『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』が登場する。
2026年5月、フォーシーズンズホテル東京大手町で開催された発売記念イベントでは、発売前の『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』をテイスティング。構成原酒として使われている貴重な「余市」「宮城峡」の2000年原酒も提供された。
ブランドマネージャーの織田大原希美(おだおおはら のぞみ)さんを聞き手に、チーフブレンダーの井関潤治(いせき じゅんじ)さんがこの度の設計と新しい幕開けにかける思いを語った。
東京・大手町、最上階から都心を一望する夕暮れの会場で、『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』の発売記念イベントが開催された。窓の外にはゆっくりと夜へ向かう東京の景色が広がり、15名の参加者が新しい「竹鶴」の幕開けを見届けた。
「竹鶴ピュアモルト」は2000年に誕生したブランドだ。ニッカウヰスキーが誇る「余市」と「宮城峡」、2つの蒸溜所のモルト原酒をヴァッティングし、力強さと華やかさを共存させている。「余市」モルトの重厚なコクとピート感、「宮城峡」モルトのフルーティーでやわらかな香り。異なる個性を調和させることで、「竹鶴」ならではのなめらかな飲み心地が生まれている。
会場となったフォーシーズンズホテル東京大手町 39F「ソーシャルルーム」。
ニッカウヰスキー チーフブレンダーの井関潤治さん。1996年アサヒビールに入社し、2001年よりニッカウヰスキーブレンダー室へ。北海道工場(現・北海道 余市蒸溜所)での製造部長やニッカウヰスキー本社にて、生産戦略立案や原料調達などで経験を積み、25年にチーフブレンダーに就任。
発売当時を振り返り、井関さんは「2000年は、ニッカウヰスキーにとって大きな転換期だった」と語る。親会社にあたるアサヒビールとの営業統合を目前に控えた時期に発売された「竹鶴」は、市場から高い評価を獲得した。
「非常においしいという評価をいただき、ここから行くぞ、という空気を社内にもたらしたブランドでした」
一方で、「竹鶴」という名を商品に冠することには、並々ならぬ覚悟があったという。創業者・竹鶴政孝氏の名を付けることは、社員にとって特別な意味を持っていた。織田大原さんは、元社員から聞いたエピソードとして、「たとえ商品名だとしても政孝さんを呼び捨てにはできない」と戸惑う関係者もいたと明かした。それでも、ウイスキー消費量が低迷していた冬の時代を打破するため、ニッカウヰスキーは覚悟をもって「竹鶴」の発売を決断したのである。
そして2026年、新シリーズ『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ』が始動する。「竹鶴」の本質=エッセンシャルを、毎年異なる角度から掘り下げていくシリーズだ。 井関さんは言う。
「竹鶴の最大の魅力は、異なる原酒同士が調和してひとつの世界をつくり上げるブレンディング技術にあります。第1弾は、創業の地である余市の石炭直火蒸溜がもたらす香ばしさにフォーカスし、香ばしく力強い原酒の新しい表情を描きます」
“竹鶴ピュアモルトとしての飲み心地のよさは担保しながら、余市蒸溜所が誇る石炭直火蒸溜から生まれる香ばしさ、力強さを表現してほしい”
本商品の開発のための最初のミーティングで、織田大原さんが井関さんへ伝えたリクエストは、まさに相反する味わいを両立させることがテーマだった。その場に参加していたブレンダー陣が思わず「大変だ……」と漏らしたことで、織田大原さんはその難題ぶりを察したと振り返る。
「シングルモルト余市を召し上がって、石炭直火蒸溜だからこんなにピーティーなんだね、とおっしゃる方がいらっしゃいます。でもピート香とは原料由来なので、石炭直火蒸溜によって生まれるものではありません。石炭直火蒸溜によって付与されるものとは、香ばしさや複雑味なのです。
私はきちんとそれをお客様に、世界に伝えたいのだと、開発ミーティングでブレンダーの方々に話しました。すると、皆さんの目の色が変わったのです。“そうか、そのように受け止めているお客さまもいらっしゃるのか。であれば、石炭直火蒸溜が生み出すその魅力を、きちんと伝えられる商品をつくらなければいけないね” と、言っていただき、開発への思いが共有された瞬間だったように感じました」
当日、モデレーターを務めたブランドマネージャーの織田大原さん。
「竹鶴ピュアモルト」の最大の特徴は、異なる蒸溜所の異なる原酒が混ざり合いながらも、調和してひとつの美しい世界をつくるブレンディング技術の粋にある。ブレンダー陣はその調和した飲み心地の良さに対して、余市モルトという力強い香味をブレンドするという難しい原酒の組み合わせに取り組んだ。1%未満の配合差を調整しながら、試作品は何十パターンにも及んだ。
「何度もテイスティングを重ねて、これこそが新しく、竹鶴の本質だ、と全員が納得できた時は本当に嬉しかったですね」
最初に、レーズンやドライフルーツのようなリッチで甘やかな香りが立ち上がりながらも、それだけで終わらないのが『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』だ。
「奥から、石炭直火蒸溜を継ぐ余市モルト由来のスモーキーな香ばしさが追いかけてくるのがおわかりいただけるかと思います。口当たりは非常にシルキーで滑らかでいて、中盤からブワッと豊かなコクと、カカオやビターチョコレートのような心地よい苦味が広がります。そして、ここが一番のこだわりなのですが、飲み込んだ後の余韻ですね。宮城峡モルトの軽やかでフルーティーな余韻が抜けた後に、余市の力強いピート香が心地よく、非常に長く持続します」
テイスティングでは、「竹鶴ピュアモルト」と『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』に加え、貴重な構成原酒である2000年蒸溜の「余市」「宮城峡」の原酒を含む計5種類が提供された。2000年というウイスキーの冬の時代は相対的にウイスキー生産量が少なく、非常に貴重なストックである。それを単体で味わえるのは極めて特別な体験だ。当シリーズでは、5年にわたり、この2000年原酒を構成原酒として使用していく予定である。
今回は、最初に完成品である「竹鶴ピュアモルト」と『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』をテイスティングし、その後に構成原酒を味わう構成が採用された。完成形を先に知ることで、それぞれの原酒がどのように全体を形づくっているかを、より立体的に理解できるからだ。
「竹鶴ピュアモルト」は、リンゴやアンズを思わせる甘酸っぱい果実香が印象的で、バナナやネーブルオレンジのようなフルーティーさが広がる。
『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』は、「余市」の原酒由来のモルティで香ばしいトップノートが際立ち、クッキーを思わせる甘い香りに、2000年宮城峡原酒由来の熟成感が重なる。味わいでは、しっかりしたモルトの甘みとピートのコクが共存し、そこにビターなニュアンスが調和する。
井関さんは、「ピートは少量加えると甘さを引き立てますが、入れすぎるとバランスが崩れてしまう。今回は甘みに変換できるギリギリを狙いました」と繊細な設計を明かした。
イベントの最後、井関さんはこう締めくくった。
「2000年に誕生した竹鶴ピュアモルトは、竹鶴政孝の情熱を未来へつなぐために、当時の先輩たちが覚悟を持って送り出したブランドです。今回の『竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026』には、その感謝と未来へ向けた私たちの覚悟を詰め込みました。2030年に向けた5年間の旅を一緒に楽しんでいただければ幸いです」
「竹鶴」の原点と未来、その両方を一夜で体感する濃密な体験会となった。
インタビュー・文 沼 由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『EST! カクテルブック』『読本 本格焼酎。』『江戸呑み 江戸の“つまみ”と晩酌のお楽しみ』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。
">






































