2015.07.14 Tue
room No.202
ルームナンバー202ここ最近、若者のお酒離れや景気の影響などで、日本のバー業界に元気がなくなっていると感じました。私は2008年から5年間ニューヨークに暮らしていたのですが、あちらではみんなカクテルを楽しんで飲んでいるんですね。ですから、カクテルやバーはもっと身近なものなんだとこの大会を通して伝えたいと思いました。もうひとつ、私が思うには日本人がつくるカクテルはとても繊細でおいしいんですよね。おそらく世界一だと思うんです。ニューヨークで体験した自由な発想のカクテルと日本人の繊細さ、それをもっと国内外に向けて伝えたいとも思っています。元々ジンの中でもビーフィーターが好きでしたから、このジンをつくった先人に対する敬意もありますし。ですから、本大会への挑戦にはいろいろな思いがありますね。ベースのクラシックカクテルに「ギムレット」を選んだのは、私がシェークでつくった初めてのカクテルだったからです。思い入れがあるのとシンプルなレシピという点が好きですね。
このカクテルは、とある茶室(room No.202)に、ロンドン塔を守るビーフィーターを招き、もてなすというコンセプトです。今、様々な道具を使った多彩なカクテルスタイルが増えてきましたが、原点回帰というかとにかくシンプルなつくりと素材にこだわり、和をベースとしたカクテルをつくりたいと思いました。材料が多いのでシンプルに思われないかもしれませんが、これらの素材はすべて必然です。青柚子フレッシュジュースの酸味、煎茶シロップの苦みと甘味、大根と紫蘇の辛味、塩の縁味と五味を感じられます。また、グラスを乗せる石も仙台・気仙沼の雄勝硯の石を使っています。震災の影響で薄れつつある日本の伝統をもう一度復興させるプロジェクトがあり、この大会で和のプレゼンテーションをしたい私の思いとぴったりマッチしましたね。日本ファイナルのステージに上がるからにはぜひロンドンへ行きたいです。緊張しないと言えば嘘になりますが、緊張しつつも楽しんで挑戦しようと思います。
プロフィール
20歳からバーテンダーとして10年修業を積んだ後、2008年にニューヨークへ単身渡米。日系レストランBOHEMIAN NYのバーを立ち上げるなど様々な活躍の後2013年帰国。
- ルームナンバー202
- レシピ
- ・ビーフィーター24/50ml
・青柚子フレッシュジュース/20ml
・自家製煎茶シロップ/20ml
・大根/適量
・ 紫蘇/1~2枚
・ゲランドのお塩/ひとつまみ
・自家製梅ビターズ/適量(リンス)
・日本酒スパークリング/適量 - つくり方
- 自家製梅ビターズをグラスにリンスする。シェーカーにビーフィーター24、青柚子フレッシュジュース、自家製煎茶シロップ、大根おろし、紫蘇、塩、氷を入れシェーク。グラスに注ぎ最後に日本酒スパークリングでアップする。
Laboratory 24/福井 昌和(ふくい まさかず)/ホテル ラ・スイート神戸 ハーバーランド
RAVEN MASTER/大場 海人(おおば かいと)/BAR BESO
Plant Hunter/木下 恭伸(きのした やすのぶ)/SAVOY Puert
Tip Top BEEF EATER/五十嵐 愛(いがらし あい)/Bar TRENCH