2015.12.13 Sun
麗しきバーテンダーたちオークラアクトシティホテル浜松
宮田裕子さん、井口有香さん
たまさぶろ 元CNN 、BAR評論家、エッセイストあのひとの手から紡ぎ出される至善のカクテルを、今宵も。疲れた夜、打ちひしがれた日、何かいい事があった時、分厚い扉を開けてバーへ足を踏み入れる。彼女たちはどんな時も変わらぬ美しい笑顔で迎え、それぞれの思いを込めた一杯をこちらへ滑らせてくれる。一口ふくむ、何も言う事は無い――。
幅約70センチのカウンターを隔てて、夜ごと客と向き合う女性バーテンダーたちの半生から、酒に寄り添う思い、職業観、目標まで、本音を引き出し紹介。北海道から九州までのバーでシェイカーを振る女性を紹介する。これは、単なるガイドではない。 「【東京】ゆとりを愉しむ至福のBAR」の著者が贈る女性バーテンダー讃歌である。
この度、書籍『麗しきバーテンダーたち』の6月1日発売を記念し、当該書籍から転載とした。
(※勤務先は取材当時の情報となります。)
オークラで求人募集を見つけ、パガニーニのウエートレスに。メインバー「ドン・ジョバンニ」のバーテンダーが辞め、見習いになる機会が巡って来た。最初は何も出来なかった。2年目から各種のカクテルコンペに出場。給料もボーナスもコンペに注ぎ込み、きつい時期もあった。だが、全国の有名バーテンダーたちと壇上にのぼり、目標を明確に、経験を積むことで、仕事の幅が広がった。機会を逃さずに、自らの成長に投資をしてきたことで自信が生まれた。バーには「仕事に終始しない魅力がある。大きな賞が取れるようこれからも精進していきたい」と大きな目を輝かせる。
ワインの勉強をした経験もあり、バーテンダーは高嶺の花のような職業だと考えた時期もあった。入社半年後、婚礼アシスタントかバーテンダーかという配属の選択肢を上司に与えられ、「これを逃したら、次のチャンスは無い。迷っている場合じゃない」とメインバー配属に。
自分の仕事は「心の医者」と心得る。だからこそ、責任の重さを自覚もしている。「ちょっとしたことで癒やされてもらえればいい」。今日もそう気を引き締め、カウンターに立つ。
※『麗しきバーテンダーたち』より転載。最新情報については、店舗に連絡を。
元CNN 、BAR評論家、エッセイスト
立教大学文学部英米文学科卒。週刊誌、音楽雑誌編集者などを経て渡米。ニューヨーク大学にてジャーナリズム、創作を学ぶ。CNN本社にてChief Director of Sportsとして勤務。帰国後、毎日新聞とマイクロソフトの協業ニュースサイト「MSN毎日インタラクティブ」をプロデュース。日本で初めて既存メディアとウェブメディアの融合を成功させる。これまでに訪れたバーは日本だけで1000軒超。2015年6月、女性バーテンダー讃歌・書籍『麗しきバーテンダーたち』上梓。米同時多発テロ事件以前のニューヨークを題材としたエッセイ『My Lost New York』、2016年1月発売予定。
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