2016.12.15 Thu
ヘネシー X.O カクテルコンペティション 2016 初代チャンピオン 秋谷修二氏に聞く
ヘネシー X.Oへの特別な思い
BAR TIMES 編集部
このカクテルをより多くの方にお届けしたい
世界で初めて“eXtra Old”の名が与えられた、コニャックのラグジュアリーブランド『ヘネシー X.O』。世界初となった今大会は、そのヘネシー X.Oをカクテルとして創作するという贅沢なコンテストだが、その反面非の打ちどころがないほどに完成されたコニャックを使う難しさもある。秋谷氏はこの大会にどのような思いを持って臨んだのだろうか。
「ヘネシー X.Oのリッチ感やラグジュアリー感を皆様に楽しんでいただくために私自身がどのようなカクテルを作れるのか、この大会にチャレンジするにあたりその点がとても楽しみでした。今回の大会で作ったカクテル「Old Rich Time(オールドリッチタイム)〜特別な時間を〜」は、そのお酒の持つ歴史や伝統を大切にしつつモダンな形で表現し、それを五感で楽しんでいただくという、長年思い描いていた世界観を形にしたものです。ヘネシーには251年の歴史と脈々と続くコニャックづくりの伝統があり、中でもX.Oの味わいは滑らかでとてもリッチです。これまでいろいろなブラウンスピリッツで試してきましたが、ヘネシー X.Oほどその世界観にピタリと当てはまるお酒はありませんでした。このカクテルをより多くの方にお届けしたい、そんな思いからコンペティションに臨みました」
五感を使って楽しんでいただきたい
「ヘネシー X.Oの7つのチャプターの中で、特にバニラやチョコレートといったスイーツにつながる部分を強くしました。そのうえで、まずは香りやフレーバーを細分化させ、それを副材料に落とし込んでいき再構築していきます。具体的には、自家製バニラシロップで甘味を、同じく自家製のチョコレートビターズで甘味と苦味を、そして少し酸味のあるコーヒーも副材料に加えています。甘味・苦味・酸味の三角形がありその中心にヘネシー X.Oがある、そんなイメージですね。また、このカクテルにはケーキも添えています。これはカクテルに使われている材料を別の形で表現したもので、バニラケーキにチョコレートをディッピングし、コーヒービーンズを飾って、ヘネシー X.Oを入れたスポイトを挿し演出しました。ヘネシー X.Oに感じる目に見えない香りや味わいを五感を使って楽しんでいただくことが、このカクテルを構築する上で欠かせないひとつの大事な要素なのです。そしてもうひとつ、カクテル名の「Old Rich Time(オールドリッチタイム)〜特別な時間を〜」ですが、特別な休日に本を読みながらヘネシー X.Oを味わい、コーヒーとシガーを嗜みながら、デザートを味わう。ゆったりとした時間をこのカクテルと共に楽しんでいただきたい、そんなストーリー性も持たせています」
ヘネシー X.Oをもっとつなげていきたい
「正直、これまではコニャックやブランデー自体の需要はそれほど高いものではありませんでした。しかしこうしてカクテルでご提供することで20代、30代のお客様からも『コニャックのカクテルっておいしいんですね』と、ヘネシー X.Oに親しんでいただくことができます。そうすると今度はストレートで飲んでみたいとおっしゃる方もいらっしゃいます。カクテルから入り、そのお酒自体に興味を持ち、おいしさを知っていただくというひとつのつながりを作れたことは私自身とても嬉しく思います。また、よくお店にいらっしゃる60代のご夫婦がこのカクテルを飲まれている別のお客様を見て「私たちもあのカクテルを飲んでみたい!」とオーダーされることもあります。このカクテルをより多くの方にお届けしたいという思いで大会に臨みましたが、幅広い年齢層の方に楽しんでいただけているのを見ると少しずつでも実を結んでいるのだと思います。今回の大会に挑戦したことはヘネシー X.Oに対する向き合い方を改めて考える大きなきっかけになりました。心、技術、知識、人とのつながりなどより磨きをかけられる機会を与えてもらったと思っています。私の大好きなヘネシー X.Oを通してお酒の世界、バーの世界がもっと素敵にも楽しいものであることをこれからもお届けしていきたいと思っています」