2017.12.15 Fri
キューバンカルチャーセミナー
キューバ共和国大使館
マイレン·リベロ経済通商担当参事官キューバンカルチャーとそのルーツ
BAR TIMES 編集部2017年11月28日、西麻布 COHIBA ATMOSPHEREにて開催されたバーテンダーを対象とした[ハバナクラブ]主催「キューバンカルチャーセミナー」をレポートします。
来年開催される国際カクテルコンペティション『ハバナクラブ カクテル グランプリ 2018』。日本では4年ぶりとなる国内の代表選考会も実施されます。ペルノ・リカール・ジャパン[ハバナクラブ]は国内選考会の開催に先駆けて、キューバンカルチャーの専門家を講師に招き、バーテンダーを対象としたセミナーを行いました。
ゲストスピーカーそれぞれの詳しい講義内容を4回に渡ってご紹介します。第一回は、キューバ共和国大使館 マイレン·リベロ経済通商担当参事官の「キューバンカルチャーとそのルーツ」をご紹介します。
キューバは15の地域と地方自治体によって構成される島国です。首都はハバナ、公用語はスペイン語です。日本からは約12,561kmと遠く離れており、残念ながら直行便では行くことが出来ません。それでも今日多くの日本人が独自の文化に触れるためにキューバを訪れています。
キューバ文化を代表する伝統料理。コングリと呼ばれる黒豆や小豆と一緒に炊いたお米、ローストポーク、コーンタマ―レス(ちまき)、ユッカ(キャッサバ)、私たちが「フリホレス・ドルミードス」と呼ぶ濃厚な豆のペーストなど豊かな食文化があります。
キューバにはいつでもリズムがありカラフルです。「歌うように話し、踊るように歩き、歌詞と共に恋に落ちる」という古いことわざがあるほど。音楽、芸術、文学、映画など豊かな文化があります。フレンドリーで気取らない生き方で誰もが人生を楽しんでいます。
暑いキューバでネクタイをすることは地獄です(笑)。キューバの正装である「グアヤベラ」は伝統的でありながら、気候に適した快適さとエレガントさを兼ね備えた合理的な服装です。男性、女性問わずフォーマルなシーンで着られる「グアヤベラ」はキューバンカルチャーの象徴の一つです。
キューバ人は週末によく飲みに出かけます。ラムをストレートで飲んだり、もちろんカクテルも楽しみます。モヒート、ダイキリ、キューバリブレやハバナクラブのソーダ割りも人気です。ハバナ市内にはたくさんのバーがありますが、カテドラルスクエアのエル・フロリディータやベダードエリアのバー、ナイトクラブなどがアイコニックな場所です。年代、性別問わずバーを楽しむ人はたくさんいますが、若い人たちは友達や恋人と一緒にお酒が飲めて踊れる場所で夜を過ごすことを楽しみます。キューバの人々はお酒とダンスが組み合わされば夜でも昼でも、どんな時でも楽しめるのです。
男性はロック、女性はカクテルを好みますが、もちろんストレートでも楽しみます。サラミ、オリーブ、チーズ、サラダなど、どれもラムとの相性は抜群ですが、満腹になる料理は食べません。キューバ人はみんなラムに詳しくどんな時に、どんなラムを、どんな飲み方をすれば美味しいかを知っています。ラムのないパーティは考えられません。No Rum, No Partyです!キューバ音楽を聴きながら楽しむラムとキューバンシガー(またはコーヒー)の組み合わせは最高です。キューバ人はこの組み合わせを“幸せの3角形”と呼び、この3つが揃えばディナーの後の夜明けまでを完璧に過ごせます。
コーヒーとシガーはキューバを語る上で欠かせませんが、この分野は後に登壇するスペシャリストに譲ることにします。
来年2月に開催される国内選考会では日本発のオリジナルでありながら「キューバ」らしさが感じられるような作品が生まれることを楽しみにしています。世界的にも評価の高い日本のバーテンダーの皆様の活躍を心より期待しております。
[講師]
キューバ共和国大使館
マイレン・リベロ経済通商担当参事官