2019.08.1 Thu
トニックエッセンスで広がるカクテルレシピエッセンスの特徴でシャンパンを複雑に。
『フレンチ75』をエレガントにツイスト。
松葉 道彦(Bar,K)本来はシェークでまとめるシャンパンを使ったクラシックカクテル『フレンチ75』を、スワリングの手法で現代風にツイスト。トニックエッセンスを効果的にどう使うのか、松葉さんに聞いた。(撮影場所/Bar,K)
大砲の名前が由来の『フレンチ75』をツイスト。
『フレンチ75』というシャンパンを使ったパリ生まれのクラシックカクテルがあります。ジンとレモンジュースとシャンパンを合わせたカクテルで、ジンフィズの炭酸の代わりにシャンパンを使うと言った方がイメージしやすいですね。『フレンチ75』というカクテル名は、第一次世界大戦でフランス軍が使っていた大砲の口径が75ミリだったことに由来しています。名前からするとエレガントなイメージがありますが、実はパンチとキックのある味わいです。
トニックエッセンスでシャンパンの味わいを複雑に。
もうひとつ、20世紀には生まれていたと思われるシャンパンを使ったカクテルがあります。その名も『シャンパンカクテル』。これは角砂糖にアンゴスチュラビターズを振り、ブランデーとシャンパンで割ったカクテルで、甘味と苦味を加えることでシャンパンの味わいを複雑にします。そのイメージに寄せて『フレンチ75』をツイストしました。トニックエッセンスに含まれる甘味とキニーネの苦味が、ちょうど角砂糖とアンゴスチュラビターズの代わりになるんです。
スワリングで『フレンチ75』をエレガントに。
『フレンチ75』は、シェークして氷を入れたコリンズグラスに注ぐのがオーソドックスなつくり方ですが、シャンパンアップですからやはりそこはスワリングでエレガントにつくりたいと思います。スワリングする理由として、ひとつはワインのデキャンタージュのように味わいがまろやかになるということと、シェークして氷の余分な水分を加えたくないということです。そのため、氷を入れず、フルートグラスでご提供します。また、材料同士をつなぐ接着剤のような役割りとして2dashほどシュガーシロップを加えます。甘味ではなく、あくまでも全体をつないで苦味と酸味のバランスをとるという意味で。ほんの少しですが、入れると入れないとはでは大違いですよ。
トニックエッセンスは苦味のあるカクテルにも使える。
『フレンチ75』のツイストでも使いましたが、トニックエッセンスは苦味の代わりに活用できると思います。例えば、ネグローニやオールドファッションドなんかにね。世界的に苦味のあるカクテルが流行っているので、今の時代にちょうど合っているのかもしれません。
フレンチ75
RECIPE
◎ボンベイ・サファイア 20ml
◎トニックエッセンス 10ml
◎レモンジュース 10ml
◎シャンパン 60ml
◎シュガーシロップ 2dash
①シャンパン以外の材料をデキャンタに入れ、しっかりとスワリングする。
②フルートグラスに注ぎ、冷えたシャンパンを注ぐ。
③グラスの底からよく混ぜる。
松葉 道彦(まつば・みちひこ)プロフィール
一般社団法人日本バーテンダー協会関西統括本部理事。「Bar. K」(大阪・梅田)オーナーバーテンダー。
ボンベイ・サファイア トニックエッセンスは、5人のレジェンドバーテンダー監修のもとに開発された、ボンベイ・サファイアのための本格的なトニックエッセンスです。
トニックエッセンスとは、トニックウォーターの原液です。すでに完成されたトニックウォーターとは異なり、混ぜる炭酸水の水質、硬度、ガス圧、分量などによって味わいが変化します。トニックエッセンスを使うことによってカクテルの幅が広がり、つくり手であるバーテンダーのこだわりと調合技術をカクテルに色濃く反映させることが出来ます。