2020.07.30 Thu
伝統的なキューバンカクテルをモダンツイスト江刺幸治のオリジナルカンチャ
デザートカクテル『Cuba Reviver』
江刺幸治(SPIRITS BAR Sunface SHINJUKU)ラムのスタンダードカクテルといえば、モヒート、ダイキリ、キューバリブレなどを思い浮かべますが、ラムの本場、キューバの歴史あるカクテル「カンチャンチャラ」をご存知でしょうか。キューバの中央に位置するトリニダー市に、1740年から店を構える老舗バー『ラ・カンチャンチャラ』の名物カクテルです。最近では「カンチャンチャラ」をさらに進化させた「カンチャ」が注目を集めています。
特集「ハバナクラブ7年 ツイスト カンチャ」では、2人のラムカクテルのスペシャリストに登場していただき、ハバナクラブ7年でつくる「カンチャ」の魅力とオリジナルツイストカクテルをご紹介いただきます。今回は、ハバナクラブ カクテルグランプリ 2018日本代表の江刺幸治氏(Spirits Bar Sunface Shinjuku)にお話をうかがいました。
味わいやバーで飲むカクテルとして、江刺さんの思う「カンチャ」とはどのようなカクテルですか。
甘酸味のバランスがとれたオールラウンダーなカクテルですね。「カンチャンチャラ」というキューバの伝統的なカクテルをツイストし、ハバナクラブ7年や蜂蜜、クレイカップなど、キューバらしい要素が詰まった非常にストーリー性のあるカクテルだと思います。
ベースとなるハバナクラブ7年をどう生かしていますか。
ハバナクラブ7年は熟成感のある甘さが特徴的ですが、かといってベタつきのある甘さではありません。ですからカクテルベースにとても適したラムだと思います。先ほども申し上げましたが、「カンチャ」は甘酸味のバランスがポイントなので、蜂蜜だけではないハバナクラブ7年ならではの甘さも生かされています。ただ、ブラウンスピリッツなので美しい色合いになりにくいのが難しいところですが、クレイカップで提供する「カンチャ」はそのウイークポイントを見事にカバーすることができますね。
基本的には自由です(笑)。ハバナクラブ7年をベースに、甘味にはキューバの特産である蜂蜜をぜひ使っていただきたいですね。ハニーウォーターに何を加えるかによって、アレンジが無限に広がりますから。クレイカップは色味を気にしなくて良いので、いつも以上に自由な発想でツイストしていただきたいと思います。
「カンチャ」の伝道師として、今後、どのように広めていきたいと思っていますか。
これという決まったレシピがなく、その店独自の味わいが楽しめるカクテルで、しかもクレイカップというこれまでにないスタイルの提供方法なので、目新しさ満点です。カウンターに「カンチャ」のメニューを目立つように置くなどして、定番カクテルにしていきたいですね。
[レシピ]
・ハバナクラブ7年/45ml
・オレンジハニーウォーター/30ml
・フレッシュライムジュース/20ml
・コーヒービターズ/10drop
・卵白/1個分
・炭酸/適量
・シナモンパウダー適量
[つくり方]
炭酸以外の材料をシェーカーに入れ、ハンドブレンダーで撹拌した後にシェーク。氷の入ったクレイカップに注ぎ、炭酸でアップして軽くステア。仕上げにシナモンパウダーを振りかける。
[コンセプト]
「カンチャ」の汎用性を表現するために、スターターの印象が強いオリジナル「カンチャ」のレシピをデザートカクテルとしてツイスト。コーヒーやシナモンの香りでホッとひと息つき、明日への活力にしていただきたいリバイバルカクテルです。
江刺幸治(えさし こうじ)
ラムやテキーラをはじめとしたスピリッツへの造形が深く、2011年にスピリッツをコンセプトとしたバー「SPIRITS BAR Sunface」をオープン。グローバルなカクテルコンペティションにも積極的に参加し、そのうちのひとつである「ハバナクラブ カクテルグランプリ」も2018に日本代表に選出されている。