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2019.10.29 Tue
THE JAPANESE CRAFT COCKTAIL若い世代に向けバーとお酒の第一歩に
柚子香るやわらかなショートカクテル
佐藤一真氏 × ジャパニーズクラフトスピリッツ&リキュール
今回「ジャパニーズ クラフト カクテル」を創作いただいたのは、ホテル阪急インターナショナル「バー ケレス」の佐藤一真さんです。佐藤さんのつくるカクテルは、すべての素材を等分で合わせ、フルーティーで分かりやすい味わいを目指したマティーニのアレンジ。ショートカクテルは飲んでみたいけど、強いお酒は苦手という若者をターゲットにしたやわらかい一杯でした。(撮影/ホテル阪急インターナショナル「バー ケレス」)
柚子の万能性を取り入れたフルーティーなカクテル。
個人的に柚子が好きなんです。存在感のある香りで、他の素材を引き立てる力もあって、すごく万能だなって思うんです。奏の柚子は、味わいも香りも本物さながらで、アルコール感もちょうどいい。強いお酒が苦手という若い人には、ぴったりのリキュールなんじゃないでしょうか。今回創作したカクテル『スタートライン』は、そういった強いお酒を得意としない若い方をターゲットに考えました。ベースのROKUは、厚みがありながらも甘くまろやかなので、そのまま飲んでも十分においしいジンです。
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佐藤氏作『スタートライン』。見た目はマティーニのようなキリッとしたショートカクテルだが、奏の柚子の香りがふわっと漂うやわらかな味わい。「強いお酒が苦手な若い人に、バーでのカクテルを楽しむ第一歩の一杯になれば」と佐藤さんは語る。
素材の繊細な香りを楽しむのも日本人ならでは。
日本でつくるお酒には、日本の素材をうまく使ったものが多いですよね。その土地でしかとれない穀物やフルーツがとても多く、中には海の素材を使ったものなどもあって、日本はなんて資源が豊富なんだろうってつくづく思います。ROKUもHAKUも奏も、すべて日本の素材が使われています。しかも、どれも香りが豊か。日本人はよく味覚が繊細と言われますが、香りに関してもすごく繊細だと思うんです。今回つくったカクテル『スタートライン』にも、日本ならではの柑橘、柚子をきかせることで、香りからも日本らしさを表現してみました。
シャープな味わいからやさしい味わいまで
ROKUは幅広いカクテルに対応できる。
当バーには、海外のお客様もいらっしゃいます。皆さん、やはり日本のお酒に対しての関心が高いので、例えばジントニックのご注文があった場合など、極力日本のジンをおすすめするようにしています。ボトルをお見せし、どのようなジンなのか、使われているボタニカルや製法、味わいの特徴などをお話した上でデザインの意味もご説明すると、「ワォ!」と多くの方が興味を示されますね(笑)。中でも、甘味がひとつの特徴であるROKUは、キリッとシャープな味わいのカクテルや、ふんわりしたやさしい味わいのカクテルまで幅広くつくれるので、一般的なジンの型にとらわれない様々なご提案ができるのがいいですね。
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佐藤一真(さとう・かずま)
ホテル阪急インターナショナル「バー ケレス」のバーテンダー。所属する一般社団法人 日本ホテルバーメンズ協会が主催する大会やメーカー主催のコンペティションに挑戦するなど、今後の活躍に大きな期待が集まる。
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『スタートライン』
RECIPE
◎ROKU/30ml
◎奏(柚子)/30ml
◎ミスティア/30ml
つくり方
氷を入れたミキシンググラスにすべての材料を入れ、よくステアし、グラスに注ぐ。