2019.11.12 Tue
THE JAPANESE CRAFT COCKTAIL日本の伝統的ホテルバーの門出に
梅酒泡が香るヴェスパー・マティーニ
永光秀次氏 × ジャパニーズクラフトスピリッツ&リキュール
今回「ジャパニーズ クラフト カクテル」を創作いただいたのは、The Okura Tokyo「オーキッドバー」の永光秀次さんです。永光さんのつくるカクテルは、ROKU、HAKU、奏の柚子を使った日本版ヴェスパー・マティーニ。梅酒の香り、ROKUと奏で味わう和素材はどれも日本人には馴染み深く、まさに日本らしさを堪能できるクラフトカクテルでした。(撮影/The Okura Tokyo「オーキッドバー」)
梅酒が香る日本版ヴェスパー・マティーニ。
私どものホテルは、約4年の歳月を経てこの9月に新しく生まれ変わりました。さらなるご愛顧をより多くのお客様にいただけるよう、門出や新しい出発の意を込めたカクテル『Starting Over』(スターティングオーバー)を創作いたしました。原点は、映画007に出てくるヴェスパー・マティーニです。ジンとウオッカ、ベルモットをシェークし、らせん状のレモンピールをグラスに落とすのが映画でのレシピですが、その日本版としてROKUとHAKUを使い、レモンピールの代わりに奏の柚子を加えました。柚子の甘みが舌に長く留まり、日本ならではの柑橘をじっくり堪能いただけます。
酒精を強化し、カクテルに飲みごたえをプラス。
HAKUほどクリアなウオッカに出合ったことがありません。そもそもウオッカはクリアなスピリッツですが、それでもアルコール独特の匂いは残ります。でもHAKUにはそれがない。お米由来だからなのでしょうか。まろやかでシルキーな舌触りを感じます。当バーでは、カクテルにもう少し強さがほしい時など、HAKUを加え酒精を強化するといった使い方もしています。今回の『Starting Over』では、奏やベルモット、レモンジュースなどを入れるとどうしてもROKUの酒精が下がります。それをアップさせる意味でもHAKUの役割りはとても大きなものがありますね。
合わせる素材にストーリー性を持たせ
ROKUでなければならないカクテルづくりを。
ウイスキーをストレートで飲むように、ROKUはそのままでも本当においしく飲めるジンです。もちろんジンですから、副材料次第でどんなカクテルでもつくれますが、それならROKUじゃなくてもいい。おいしさを損なわないためには極力シンプルに、そしてHAKUや奏などをうまく組み合わせたストーリー性のあるカクテルであればROKUを使う意味があると思うんです。海外のお客様は、日本のスピリッツやリキュールのクオリティに高い期待を寄せている分、それを生かしたカクテルをご提供していかなくてはと思っています。
RECIPE
◎ROKU/40ml
◎HAKU/30ml
◎ベルモット/10ml
◎奏(柚子)/5ml
◎レモンジュース/10ml
◎オレンジとマンダリンのビターズ/2dash
◎梅酒のアイレ/適量
つくり方
氷を入れたシェーカーに梅酒のアイレ以外の材料を入れシェーク。グラスに注ぎ梅酒のアイレを浮かべる。