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2022.01.10 Mon

新しい価値のウイスキー「ニッカ セッション」をカクテルに新しく自由なウイスキーが
往年のカクテルを現代的に輝かせる

ニッカ セッション × 新宿ウイスキーサロン 静谷和典

2020年9月、ニッカウヰスキーが6年ぶりにリリースした「ニッカ セッション」。
グレーンを使わず、スコットランドと日本のモルト原酒のみをブレンドした、次世代のプレミアムウイスキーだ。
今回は、3人のトップバーテンダーに、自由な感性と創造性で、「ニッカ セッション」の潜在力を引き出す新しいウイスキーカクテルを提案してもらう。3人目は、東京・新宿3丁目「新宿ウイスキーサロン」の静谷和典さんである。

「モルトブレンデッドならではの多層感と一体感。カクテルでもボディ感が保たれます」

ジャパニーズウイスキーの“アンテナショップ的バー”とでも言おうか。「新宿ウイスキーサロン」は、国産ウイスキーの品揃えの充実ぶりはもとより、その造りやコンセプトを伝える伝道師であり、ウイスキーカクテルの提案にも長けたバーである。そして、オーナーバーテンダーの静谷和典さんは、日本に10人しかいない、ウイスキーの国内最難関資格試験「マスター・オブ・ウイスキー」の取得者だ。

静谷さんは、「ニッカ セッション」の香りと味わいの印象をこう語る。
「スコットランドの多くの原酒に感じるような、エステリーで青リンゴや甘味を帯びた柑橘、たとえばオレンジのような華やかな香り立ちがしますね。味わいは、パパイヤやマンゴーといったトロピカル感とバターやマドレーヌといった洋菓子のような感じが広がり、後からビターでトースティーなフレーバーが尾を引きます。“宮城峡モルト”らしい軽やかさも感じますし、後半は“余市モルト”のたぎるように力強いエッジが効いているように思います」シンプルに飲むなら、「ニッカ セッション」3に対し、湯1の割合のお湯割りもおいしい、と語る静谷さん。そのうえで、「カクテルにも向くウイスキー」と言う。
「『ニッカ セッション』はいくつもの味わいの柱があるのにそれがまとまっている、多層感と一体感があるウイスキーです。グレーンが入らないモルトブレンデッドなので、ほかの材料と合わせても存在感が消えず、骨格が維持されてボディ感が保たれる印象なのです」


青い炎上る往年のカクテルが、「ニッカ セッション」で生まれ変わる

日々、ことに、ウイスキーカクテルの研究を重ねている静谷さんが提案するのは、173年も前に誕生した往年のカクテル「ブルーブレイザー」をもとにしたものだ。
1849年、ニューヨークで活躍していたジェリー・トーマスというバーテンダーによって開発され、ウイスキーに着火し、2つの銅製マグを使ってスローイングで仕上げる。青い炎が立ち上る、目でも魅せるカクテルである。

「ウイスキーカクテルとしては最古といっていいほど歴史があるのに、あまり知られていません。飲んだことがない方も多く、むしろ新鮮に感じられるカクテルだと思います。ボトルの青、ラベルの躍動感のあるデザインから、すぐこのカクテルが思い浮かびました。躍るような青い炎は、ボトルのイメージそのままです。本来のレシピは、ウイスキー、湯、レモン、蜂蜜ですが、『ニッカ セッション』の“宮城峡モルト”由来であろうフラワリーなフレーバーにエルダーフラワーシロップをリンクさせ、湯ではなくダージリンティーで深みを出します。炎にシナモンを振ると火花のように見えるのですが、これはニッカウヰスキー・余市蒸溜所の石炭直火焚きを演出したくて」

ポットを行き来する青い炎、シナモンの火花。エンターテイメント感満載のバーテンディングは拍手を送りたくなるほど。
湯気と共に、ハーブや花、柑橘、ダージリンの香りが立ち上り、柔らかく軽やかでいて余韻は深く長い。
「ニッカのウイスキーのお湯割りがすごく好きなんです。自由な発想から生まれたウイスキーだから、火を付けたりホットに仕上げたり、カクテルのアプローチも飲み方も自由でいいのでは、と考えました。このカクテルを飲んでいただいた後には、ストレートかロックでも味わっていただきたいですね。『ニッカ セッション』が持つ個性をより感じ取れると思います」

静谷和典さんのニッカ セッション オリジナルカクテル「セッション ブルー ブレイザー」

[材料・材料のつくり方]

  • ニッカ セッション:50ml
  • エルダーフラワーシロップ:10ml
  • レモンジュース:5ml
  • ダージリンティー:140ml
  • シナモン(粉):適量
  • ドライレモン:1枚

[つくり方]


  1. トルココーヒーポットに、ニッカ セッション、エルダーフラワーシロップ、レモンジュースを入れる。
  2. 1に着火し、別に用意したトルココーヒーポットと交互に6、7回スローイングする。
  3. 耐熱グラスに注ぎ、シナモンを振る。
  4. ダージリンティーを注ぎ、ドライレモンを浮かべる。



静谷和典さん プロフィール
1985年、栃木県生まれ。新宿三丁目「BAR LIVET」「BAR 新宿ウイスキーサロン」オーナーバーテンダー。ウイスキーベースのカクテルの開発・普及を目指すバーテンダーチーム「Whisktail.tokyo」の代表を務める。ウイスキー文化研究所が主宰する知識、鑑定能力を問う資格認定制度の最難関「マスター・オブ・ウイスキー」を取得しており、雑誌『Whisky Galore』のテイスターとしても活動中。


新宿ウイスキーサロン
ジャパニーズクラフトディスティラリーをテーマに、現在稼働中で熟成3年以上のボトルをリリースする国内全蒸留所のウイスキーを揃える。“フライトセット”を用意し、希少なジャパニーズウイスキーの飲み比べが可能。ウイスキーのカクテルを「Whisktail(ウイスクテイル)」と称し、特に力を入れている。モクテルや旬のフレッシュフルーツカクテルも評判。
東京都新宿区新宿3-12-1佐藤ビル3階
Tel: 03-3353-5888



インタビュー、文 沼由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)、取材・執筆に『日本全国 ご飯のとも お米マイスター推薦の100品』(リトルモア)、『読本 本格焼酎。』(プレジデント社)などがある。


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