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2022.04.6 Wed

グレンモーレンジィでつくる2つのホットカクテル
ポートワイン樽熟成「キンタ・ルバン 14年」をフルーティーなコーヒーと。

グレンモーレンジィ キンタ・ルバン 14年 ポートカスク ×
ホテルメトロポリタン(池袋 )バー「オリエントエクスプレス」佐藤大介

1843年に、スコットランド北部のハイランド地方で生まれたグレンモーレンジィ。伝統的な製法を継承しながら、常に革新的に造られるシングルモルト・スコッチウイスキーだ。スコットランドで最も背の高いポットスチルを用いており、フルーティーでフローラルな風味が特徴。“樽熟成のパイオニア”として最高の樽にこだわり続けている。
花冷えの日が続くいま、3人のバーテンダーに、異なるグレンモーレンジィを使ったホットカクテル2種を提案してもらう。
東京・池袋「ホテルメトロポリタン」のバー「オリエントエクスプレス」の佐藤大介さんによる、冬の限定商品「グレンモーレンジィ ウィンター」、「グレンモーレンジィ キンタ・ルバン 14年 ポートカスク」のホットカクテルを紹介しよう。


豊潤なアロマ、チョコレートとミントの風味立つ「キンタ・ルバン 14年」

バーボン樽で寝かせた後、良質のルビーポートの樽で追加熟成した「グレンモーレンジィ キンタ・ルバン 14年 ポートカスク」。美しいローズゴールドの色味を帯び、オレンジやダークチョコレートのような濃厚なニュアンスのアロマ、ベルベットのごとき滑らかな口当たり、チョコレートやミントのような余韻を持つシングルモルトウイスキーである。その質の高さは、「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション」(SFWSC)や「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」(ISC)など、世界的なコンペティションでのゴールドメダル獲得からも伺い知れる。

佐藤さんにその印象を訊ねた。

「香りはオランジェットを彷彿とさせますが、加水することで清涼感のある香りや余韻が出てきます。チョコレートが食べたくなるウイスキーですね。すでに、味わいのバランスが計算されているので、ストレートと加水後で印象が大きく変わります。カクテルづくりの試作では、ビターな副素材と合わせる難しさを感じました」

「キンタ・ルバン 14年」のカクテルは、フルーティーなスペシャルティコーヒーで酸味に焦点

佐藤さんのホットカクテルづくりの軸になったのは、自身が大好きなアイリッシュコーヒー。なんと今回は、普段から懇意にしているスペシャルティコーヒー専門店「COFFEE VALLEY」と共に、「キンタ・ルバン 14年」に見合うコーヒーの豆探しから焙煎具合まで相談して決めたという。

「最初はビター感で合わせようと考えていたのですが、実際に合わせてみると難しい。そこで、「キンタ・ルバン 14年」の香りやテイスティングから拾ったイメージを膨らませて、バリスタと一緒に、コーヒーを試飲しては、少量ずつ合わせることを繰り返しました。結果、酸味に焦点を絞り、華やかでフルーティーなコーヒーを合わせることにたどり着いたのです」

選んだ豆は、“エチオピア”の果肉が付いたまま乾燥させた“ナチュラル”。浅煎りで焙煎した、華やかでフルーティーなスペシャルティコーヒーだ。「キンタ・ルバン 14年」のバランスを崩すことなく、その存在感を持ち上げ、ボリューム感を増す。さらに、ポートワインを加えてコクをプラス。仕上げにのせたカカオニブの風味、食感も秀逸である。

重厚に仕上げがちなアイリッシュコーヒーだが、こちらは軽やかでエレガント。思わず2杯目もお願いしたくなる。

佐藤大介さんのグレンモーレンジィ キンタ・ルバン 14年 ポートカスク オリジナルカクテル「ゲーリックコーヒー ~ルバンの魅力~」

[材料]
・グレンモーレンジィ キンタ・ルバン 14年 ポートカスク:30ml
・テイラーズ ヴィンテージ・ポート:10ml
・カカオニブシロップ:15ml
・キンタ・ルバンイメージ スペシャルティコーヒー:60ml
(キンタ・ルバン 14年をイメージして選んだもので、豆の種類はエチオピアのナチュラル、浅煎りを採用)
・生クリーム:50ml
・カカオニブ:適量

[つくり方]
(下準備)
浸漬式ドリッパーに、スペシャルティコーヒー10gを入れ、お湯160mlを注ぎ、1分30秒浸漬したのちにサーバーなどに落とす。
生クリームは、ミルクフォーマーで軽くかき混ぜておく。

1.グラスにお湯を注いで温め、湯を捨てる。
2.1のグラスに、キンタ・ルバン 14年、テイラーズ ヴィンテージ・ポート、カカオニブシロップ、スペシャルティコーヒーを入れてかき混ぜる。
3.2に、バースプーンを添えながら、生クリームを静かに注ぎフロートする。
4.カカオニブを飾る。


 

佐藤大介(さとう だいすけ)
「ホテルメトロポリタン」のバー「オリエントエクスプレス」マネージャー。2007年に入社し、オールデイダイニング「クロスダイン」ダイニング&バー「オーヴェスト」を経て、2020年からバー「オリエントエクスプレス」へ。2018年開催「第31回HBAクラシック創作カクテルコンペティション チャンピオンシップ」ブラインドテイスティング部門優勝や、「第3回本格焼酎&泡盛カクテルコンペティション」 優勝をはじめ、カクテルコンペティションの優勝・入賞多数。

バー「オリエントエクスプレス」
池袋「ホテルメトロポリタン」内にあるオーセンティックバー。ヨーロッパ大陸を横断する豪華列車「オリエント急行」をモチーフにした重厚感がある。ゆったり配したカウンター席、列車の旅気分を味わえるようなテーブル席があり、どちらも趣きのある造りとなっている。スタンダードカクテルやウイスキーをはじめ、オリジナルカクテルにおいては、焼酎やスペシャルティコーヒーを使うものにも力を入れる。
東京都豊島区西池袋1-6-1 ホテルメトロポリタン2F 
Tel: 03-3980-5533(レストラン予約)


インタビュー・文 沼由美子
ライター、編集者。醸造酒、蒸留酒を共に愛しており、バー巡りがライフワーク。著書に『オンナひとり、ときどきふたり飲み』(交通新聞社)。取材・執筆に『読本 本格焼酎。』、編集に『神林先生の浅草案内(未完)』(ともにプレジデント社)などがある。



   

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