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2022.07.4 Mon

Woodford Reserve Old FashionedOld Fashioned Angelica

宮﨑 剛志さん(Bar 'Pippin')


宮﨑剛志さん(Bar ‘Pippin’)によるウッドフォードリザーブ オリジナル オールドファッションド「Old Fashioned Angelica / オールドファッションド アンジェリカ」をご紹介します。

Old Fashioned Angelica
レシピ
・ウッドフォードリザーブ 50ml
・ホームメードシロップ 5ml
(水、カソナード、シナモン、クローブ、大和当帰を煮詰めたもの)
つくり方
ウッドフォードリザーブとシロップをミキシンググラスに入れてステア。氷を入れたグラスに注ぐ。

少ない材料で極限までバランスを突き詰めていく
宮﨑 剛志さんインタビュー


ウッドフォードリザーブは副材料を選びやすいバーボン
アレンジがしやすく、使える副材料の幅が広いのがオールドファッションド。ホテルバー時代から、地元・奈良の素材を使ってアレンジし、その魅力を伝えるということを続けており、OLD FASHIONED ANGELICAは当時のレシピが元になっています。
ウッドフォードリザーブは、とてもバランスが良い印象で、味わいのどこにフォーカスして副材料を使っていくのか、考えやすいバーボンです。今回のレシピでは、甘さとテクスチャーにフォーカスし、滑らかな口当たりをさらに活かすべく、奈良の大和当帰を用いたシロップを使っています。

加水を意識することの重要性
シロップは、ビターズの役割も担っています。カソナードの甘さにシナモンとクローブが立体感や奥行きをもたらし、さらに大和当帰特有の香りと苦味がバランスを整えています。
ロックスタイルのオールドファッションドにおいては、氷から溶け出す水を意識してバランスを整えることも重要です。
マティーニのように、ステアの際の加水量を完璧にして仕上げるタイプとは真逆で、グラスの氷からの加水が進んでも味の骨格がぼやけないようにするのが重要なカクテルであり、だからこそ甘味や苦味、複雑性など、味のバランスを完璧に整え、短時間で練り上げるようにステアしています。
そうすることで、じわじわ加水されていくことで丸く柔らかな舌触りが強調されるようになりますし、味の本質が出てくるんです。

極限まで削ぎ落として精度を高める
最近は、少ない材料で味わいの精度を高めていくのが楽しいと感じています。極限まで削ぎ落として突き詰めていくことで全てのバランスが整い、良い意味で水のごとく入るようになるんです。
少ない材料を研ぎ澄ませたOLD FASHIONED ANGELICAは、全体的に丸い印象で、シルキーなタッチの中にウッドフォードリザーブとカソナードのコクのある甘さがある。そして最後に、大和当帰の特有の香りが鼻を抜け、余韻を綺麗に引っ張る…そんな仕上がりになっています。

宮﨑 剛志(みやざき つよし)
「奈良ホテル」に25年勤務し、各セクションを経験しながら、ヘッドバーテンダーとしても活躍したのち、2019年8月に独立。「Bar ‘Pippin’」を開業する。2013年には日本代表として挑んだ「ワールドクラス」にて世界3位とアジアパシフィックチャンピオンを受賞。そうした経験を活かし、2014年より2つの専門学校にて講師業も行うなど、現在は次世代のバーテンダーの教育に注力している。


Bar ‘Pippin’
奈良県奈良市大宮町5-3-20 アクシスビル 1F
ジャズやクラッシックなどのレコードに合う空間にこだわり、時間と場所を提供することに重きを置いたバー。落ち着いた雰囲気の店内では、マティーニやマンハッタンなど、極限まで研ぎ澄まされたクラシックカクテルや、奈良の素材を使ったオリジナルのカクテルを楽しめる。



宮﨑 剛志さん(Pippin)の「Old Fashioned Angelica / オールドファッションド アンジェリカ」メイキング動画をご覧になれます。撮影場所:Bar ‘Pippin’

インタビュー・文 小針真悟
酒専門メディア「LiquorPage」運営責任者。記事の執筆のみならず、写真撮影、WEBデザインまで一人でこなす。自身のメディアでの活動だけでなく、ジン関連の書籍やテキーラの専門誌などへの執筆協力、カクテルやイベントの撮影協力のほか、大小様々な酒類イベントの運営に参画した実績も持つ。近年は酒類メーカーのWEBマーケティングにも携わるなど活動の幅を広げている。



   

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