
NEW2025.06.18 Wed
ミクソロジーの世界に、新たな彩りを添える『コッキ』イタリアで130年磨かれ続けてきた
ベルモット『コッキ』が
日本で本格展開をスタート!
アイデイ商事株式会社
アイデイ商事株式会社の代表取締役・土居景久氏(写真右)
試飲会の冒頭、新たに『コッキ』の正規輸入代理店になったアイデイ商事株式会社の代表取締役・土居景久氏から、「ジュリオ・コッキ社とアイデイ商事株式会社は、家族経営であることと、品質を追求する姿勢が共通しています」と語られた。
次に、『コッキ』への理解をより深めるため、EUが定めた、アロマタイズドワインとベルモットのレギュレーションと歴史、製造方法の説明がなされた。
なかでも、ベルモットとして世界で唯一、地理的表示に登録されている“ベルモット・ディ・トリノ”は、コッキ社の尽力もあり承認されたという。今回、日本で展開される『ベルモット・ディ・トリノ・エクストラドライ』『ストーリコ・ベルモット・ディ・トリノ』は、“ベルモット・ディ・トリノ”に該当すると聞くと、参加者は期待を膨らませた。
コッキ社は1891年に、ジュリオ・コッキ氏により、イタリアのピエモンテ州・アスティの街で創業された。伝統的な製法を守り高品質を維持し、地域社会に貢献してきたことが評価され、イタリアの歴史的企業として公式に登録されている。
コッキ社は、130年以上続く伝統を未来に受け継いでいけるよう、環境に配慮した取り組みも積極的に行っている。
コッキ社の130年以上続くDNAは、6つのキーワードによって表される。
1つ目は “アスティ”。コッキ社はイタリアの北西部、ピエモンテ州・アスティで創業した。ピエモンテ産のワインやハーブを積極的に用いることで、地域の魅力を世界へ発信し続けている。
2つ目は ”家族経営”。クラフトマン精神を支え、長期視点を可能にしている。
3つ目は “革新性”。コッキ社は、独自のレシピの開発や、蒸留器の特許取得を通じ、アロマタイズドワインのカテゴリーをリードしてきた。
4つ目は “ワイン造りへのこだわり”。コッキ社の製品は全てワインベースであり、同社は「ワインの品質が製品の品質に直結する」と考えワインの品質を重視してきた。現在は、陽当たりの良い丘陵地に50haのブドウ畑を保有し、人間にも自然にも優しい農業を行っている。
5つ目は “世界志向”。『コッキ』は1935年にアスマラ、1940年代にはベネズエラ、1950年代にはニューヨークへと展開。現在は世界70か国以上で愛されている。
6つ目は、 “ホスピタリティ”。創業者ジュリオ・コッキ氏が1912年に始めた、自社製品を試飲できるバール『コッキ』は、顧客体験を創造し、地域に社交の場を提供して続けている。
テイスティングでは、自らがオーナーバーテンダーを務める、川崎市の『Bar NOW』と横浜市の『Bar Prima』の2店舗で『コッキ』を愛用しているという、安里勇哉氏の解説と共に味わった。
「『アメリカーノ・ビアンコ』のポップなラベルのデザインに惹かれて、『コッキ』を使い始めました。『コッキ』の魅力は、なんといっても味の立体感とボリューム感。カクテルに少量用いるだけでも、存在感を発揮してくれます。ソーダ割にしても苦味が出ず、ボディがしっかりしている点も秀逸ですね」と安里氏。
ウェルカムドリンクの『アメリカーノ・ビアンコ』のソーダ割を飲み、頷く参加者の姿が目立った。

安里氏が「ミドルからラストにかけて、薬草風呂に入っているかのようなハーバル感が広がりますね」と表現するように、洗練された爽やかさが特徴のベルモットだ。
会場内には心地良いハーブの香りが漂った。テイスティングでは、うっとりとした表情で余韻を愉しむ参加者の姿も。
続いて、『コッキ』の代名詞でもある『ストーリコ・ベルモット・ディ・トリノ』。創業者のジュリオ・コッキ氏が130年以上前に考案したレシピに従って製造されている伝統的なベルモットだ。地理的表示“ベルモット・ディ・トリノ”の承認を後押しした製品のひとつでもある。英国業界誌『Drinks International』が発表する年間ブランドレポートでは、9年連続でベルモット部門のトップ3にランクイン。世界のトップバーテンダーに選ばれたベルモットなのだ。味わいは、ココアやビターオレンジを感じさせ、リッチで芳醇。
「初めて飲んだ時は、どこか懐かしい気持ちになりました。ビールに少量加えると、苦味と甘味が共鳴し合いますよ」という安里氏のアイデアに、早速、取り入れようとメモを取る参加者の姿も。
次は、『アメリカーノ・ビアンコ』。創業者のジュリオ・コッキ氏が1891年に考案したレシピに従って、途切れることなく製造され続けてきたアロマタイズドワインだ。“アメリカーノ”という製品名は、ベルモットを氷とソーダで飲むアメリカの習慣から。ラベルは、1930年代にデザインされた未来派スタイルの雄鶏を描いたもの。食欲を呼び覚ます、食前酒としての機能を現わしている。
『アメリカーノ・ビアンコ』は、食前酒としてだけではなく、バーシーンでも存在感を放っており、映画『007』シリーズの公式カクテル“Skyfall”に使用される材料のひとつでもある。ロンドンのサヴォイホテル内にあるバーのヘッドバーテンダーを務めるエリック・ロリンツ氏が考案したレシピは、ゆず果汁がアクセントに用いられている。
「エリック氏がゆず果汁を用いているのは、さすがだなと感じました。『アメリカーノ・ビアンコ』は、苦味だけではなく、オレンジやリンゴといったフルーティーな甘みがあり、桜や梅などの和の素材に合うと感じます。『Bar NOW』と『Bar Prima』で提供しているシグネチャーカクテルには、味噌を用いているんですよ」という安里氏の言葉に、ミクソロジストたちは創造力を掻き立てられていた。
最後は、『バローロ・キナート』。創業者のジュリオ・コッキ氏が考案したレシピを、今でも忠実に守って製造されているアロマタイズドワインだ。ベースワインは、DOCGに認定された赤ワイン・バローロ。そこに、キナ、ルバーブ、リンドウ、カルダモンを常温で浸漬する。その後、樽で1年間熟成。イタリアの農村部では薬用酒として親しまれているだけでなく、贅沢な食後酒としてお客様へのもてなしにも重用されている。チョコレートとのマリアージュもお勧めだという。
「フレーバーの完成度が高く、奥行きがあるので、55℃くらいに温めて、内側にある香りを呼び起こしてあげるのが好きですね」と安里氏。「紅茶に入れてもおいしそうですね」と参加者と盛り上がった。
ネグローニとマティーニは、シンプルなレシピだからこそ、『コッキ』のベルモットのクオリティの高さが感じとれる。
安里氏のレシピによる『ストーリコ・ベルモット・ディ・トリノ』を用いたネグローニと、『ベルモット・ディ・トリノ・エクストラドライ』を用いたマティーニも試飲し、生ハムやチーズといったイタリアの食材とのマリアージュを愉しみ、新しい表現を模索していたミクソロジストたち。イタリアの伝統が、ミクソロジーの新たな扉を開いてくれる予感がした。

『ベルモット・ディ・トリノ・エクストラドライ』
地元ピエモンテのコルテーゼ種ブドウを使用した上質なワインに、ニガヨモギ、アンゼリカ、コリアンダー、ミントなどのボタニカルを加え、芳醇で完璧にバランスの取れた風味を生み出しています。マティーニなどクラシックカクテルに最適。
■商品スペック
・アルコール度数/17% ・容量/500ml
・3,700円(税別)

『ストーリコ・ベルモット・ディ・トリノ』
ココアやビターオレンジの鮮やかな香りとコク深い甘みが特徴。高級ベルモットの国際的復興を牽引し、バーテンダーの間で「ベルモット・ディ・トリノ」が再評価されるきっかけに。ネグローニなどのカクテルに最適。
■商品スペック
・アルコール度数/16% ・容量/750ml
・4,400円(税別)

『アメリカーノ・ビアンコ』
1891年に考案されたレシピを守り、途切れることなく製造されています。オレンジピールの苦味とキナの風味が絶妙に調和し、食前酒として理想的な一杯です。アスティでは最高のアペリティフとして認識されています。
■商品スペック
・アルコール度数/16.5% ・容量/750ml
・4,400円(税別)

『バローロ・キナート』
ジュリオ・コッキ考案のレシピを今も守り、バローロDOCGワインにキナ、ルバーブ、ゲンチアナ、カルダモンなどを浸漬し、樽で約1年熟成。口に含んだ瞬間に広がる調和のとれた味わいと、長く続くアロマが特徴。
■商品スペック
・アルコール度数/16.5% ・容量/500ml
・8,200円(税別)
COCCHI オフィシャルサイト:http://cocchijapan.jp
COCCHI instagramアカウント:https://www.instagram.com/cocchi.japan/
慶應義塾大学を卒業後、ラグジュアリーブランドに総合職として入社。『東京カレンダーWEB』にてライター・デビュー。エッセイスト&オーナーバーマンの島地勝彦氏に師事し、ウイスキーに魅了され、蒸留所の立ち上げに参画。ウイスキープロフェッショナルを保有し、酒類コンペティションの審査員も務める。公社)日本観光振興協会 日本酒蔵ツーリズム推進協議会 会員。