『BIRDY.』12周年記念プロジェクト十二支のスタート「子」と日本初のカクテル「柳陰」。 “始まり”をテーマにネズミも喜ぶ遊び心あふれたおいしい一杯。

『BIRDY.』は2025年11月、ブランド誕生から12周年を迎えました。
職人技術に裏打ちされた卓越した品質と洗練されたデザイン――。『BIRDY.』の12年は、常にプロフェッショナルバーテンダーとともに歩んできました。創造性、技術、ホスピタリティといったバーテンダーが体現する美学も、『BIRDY.』が大切にしてきた価値そのものです。

今回、この12という数字にちなみ、干支を重ね合わせた特別企画「十二支でめぐる物語」がスタートします。12人のバーテンダーが、自身の干支をモチーフにオリジナルカクテルを創作する特別プロジェクトです。

一杯のカクテルのみならず、そこに至る思いや歩みに触れられる内容です。世代もスタイルも異なる12人が紡ぐ、12の個性と12の物語。『BIRDY.』の12年とともに巡る、新たなストーリーをお届けします。

子年（ねずみどし）編でご登場いただくのは、『The SG Tavern』（東京・丸の内）の亀井 康平さんです。バリスタからバーテンダーへと転身し、2025年の『RÉMY MARTIN BARTENDER TALENT ACADEMY 2025 JAPAN』で優勝し、世界大会でもトップ3入りを果たした亀井さん。その確かな技術と感性で、いま注目を集める若手バーテンダーの一人です。文化や素材の組み合わせに独自の視点を持ち、その表現はいつも新鮮。まずは、バーテンダー人生の中で、大きな影響を与えた出来事についてお話をうかがいました。

子年生まれのバーテンダー 亀井 康平さん（The SG Tavern）。

■バーテンダー人生の中で、大きな影響を与えた人や出来事はありますか
今年、自分のバーテンダー人生にいちばん大きな影響を与えたのは、やはり『RÉMY MARTIN BARTENDER TALENT ACADEMY』に挑戦したことです。
人生で初めて応募したコンペティションで、日本大会を優勝できたことは本当に信じられない経験でしたし、そのあと世界大会で3位という結果をいただけたことも、自分にとって大きな自信になりました。
準備の期間は、とにかく考えて、試作して、またやり直す……という日々で、毎日が本気の積み重ねでした。大会当日はこれまででいちばん緊張した瞬間で、頭が真っ白になるほどでしたが、最後までやり切れたのは応援してくれる仲間の支えがあったからだと思います。
あの挑戦が、今の自分の軸をつくってくれた、そう感じています。

■バーテンダーとしての信念、大切にしていることは何でしょうか
「すべてのお客様に美味しいものを」。私がバーテンダーとして大切にしていることです。通常の営業はもちろんですが、大会では、お酒の背景やつくり手の想いをどう伝えるかが常に問われます。その過程で、自分自身もお酒の奥深さに改めて気づかされましたし、それを知ってもらうことが一杯の“美味しさ”につながるのだと実感しました。
だからこそ、どんなお客様に対しても、味はもちろん、そのお酒の魅力や出会う楽しさまで含めて届けること、それを大切にしたいと思っています。

子年は十二支の中で一番最初にくるので、“始まり”をテーマに、日本で最初期に生まれたカクテルと言われる『柳陰』（やなぎかげ）をフレンチスタイルでツイストしました。柳陰は、みりんと焼酎を合わせた江戸時代に生まれた一杯で、当時から親しまれてきた日本の古いカクテルです。

今回はその柳陰を、『レミーマルタン VSOP』をベースに再構築しました。アレンジの中では、ネズミの好物として知られるチーズをインフューズし、さらにフランス料理でおなじみのラタトゥイユをクリアにした液体を加えることで、味わいに奥行きを持たせました。
“ねずみも喜ぶ” 遊び心と、おいしさを掛け合わせた一杯です。

ベースの『レミーマルタン VSOP』は、ブランデーらしい深みと力強さがありながら、レモンジュースを使ったサイドカーのような明るいカクテルにしても、その華やかさをしっかりと表現できる、そんな懐の広さが魅力だと思います。時間や土地、人を大切にしながら進化を続けてきたコニャックの象徴でもあり、フルーティーで繊細なのにパワフルという、相反する要素を併せ持つところがこのコニャックの面白さです。

もともと『レミーマルタン VSOP』が好きで、トニック割りをよく飲んでいたことも、大会に挑戦するひとつのきっかけになりました。カクテルはもちろん、ソーダ割りやトニック割りのようなシンプルな飲み方でもおいしく楽しめるのが、このブランドの魅力だと感じています。

グラスブランド SIP AND GUZZLE『Tanto Bello D.O.F』は、
口当たりのよい薄づくりで、ドリンクが自然と口の中に流れ込み、フレーバーがやさしく広がるのが特徴。ロックグラスとしてはもちろん、ウイスキー、ネグローニ、さらにはお茶にも合う万能な一脚。

『レミーのおいしい柳陰』のカクテルメイキング動画はこちらからご覧いただけます。

最後に道具へのこだわりや、道具によって人生が変わったエピソードについて伺いました。

『BIRDY.』のデキャンタとの出会いです。最初に勤務したSG Groupの『swrl.』（スワール）という店では、カクテルとワインを合わせてデキャンタでスワリングして仕上げるスタイルで、そこで初めてこのツールを手にしました。あの時の“こんな道具があるのか”という驚きは今でも覚えています。

使い続けるうちに、シェークやステアにはない、ふくよかな丸みや、素材がもともと持っている深い香味が引き出されることに気づきました。特に興味深いのは、右回しと左回しで味わいが変わる点です。右回しは全体をやわらかくまとめ、左回しでは素材それぞれの個性が際立つ。ワインやウイスキーだと、その違いがよりはっきりと表れます。これは『BIRDY.』のデキャンタの研磨技術が液体に分子レベルで作用しているためだと感じています。スワリングの仕方も目的によって変えていて、大きく回す時は空気をしっかり含ませ、小刻みに回すときは冷却を意識するなど、自分なりに使い分けています。

このデキャンタは、『RÉMY MARTIN BARTENDER TALENT ACADEMY』の日本大会、そして世界大会でも使用しました。日本大会ではサゼラックをツイストしたカクテルをつくったのですが、本来ステアで仕上げるところを、あえてデキャンタを選びました。コニャックの奥行きや、自分のカクテルの味わいを最も引き出せると感じたからです。さらに世界大会でもスワリングの技法を用いました。世界的に見ても、このスタイルでカクテルを仕上げるバーテンダーはほとんどいません。だからこそ、日本の技術が詰まったこのツールを世界の舞台で紹介したいという思いがありました。

『BIRDY.』のデキャンタとの出会いは、自分の技術や表現を広げてくれただけでなく、大会の場でも大きな支えとなった、本当に特別な存在です。

「『BIRDY.』のデキャンタを使用した時に感じたシェークやステアでは表現できないカクテルの仕上がりを感じた」と亀井さん。今回の企画では、干支のイラストが記されたバーツールが特別に贈られた。亀井さんのデキャンタには、「子」のマークが施されている。

亀井 康平（かめい こうへい）
バリスタとして飲食のキャリアをスタートした後、バーテンダーへ転身。東京・丸の内の『The SG Tavern』で研鑽を積み、技術と表現力を磨き上げる。2025年、『RÉMY MARTIN BARTENDER TALENT ACADEMY 2025 JAPAN』において、コンペティション初挑戦ながら優勝を果たし、世界大会では日本人として初の3位入賞を達成。焼酎とコニャックを組み合わせた独創的なカクテル『Résonance』が高く評価され、国際的にも注目を集める存在に。デキャンタを用いたスワリングなど独自の技法を取り入れ、素材の奥行きを引き出すスタイルに定評がある。日本の伝統と新しい感性を併せ持つ、新世代のバーテンダー。

『BIRDY.』のカクテルツールは、バーツール専門店『BAR TIMES STORE』でご購入できます。

『BIRDY.』公式サイトはこちら。