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バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2022.06.17 Fri

ホイッスルピッグでつくるClassic & Originalカクテル
力強さ、多彩な香り、長い余韻。香味の特徴とブランド背景を一杯に込めたストーリーカクテル

ホイッスルピッグ 10年 × Bar Lapin 上野真暉

アメリカ最大の出品数を誇る「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2017」にて、最優秀ウイスキー(Best in Show)の称号を獲得したライ・ウイスキー「ホイッスルピッグ」。世界で最も多くの賞を獲得しているライ・ウイスキーである。
蒸留所の設立は2007年。ライ・ウイスキーの可能性にかけた伝説のマスター・ディスティラー(蒸留責任者)、デイヴ・ピッカレルが率いるチームによって生み出された。

今回、福岡・中洲にある「Bar Lapin」オーナーバーテンダー・上野真暉さんに、ホイッスルピッグの原点ともいえる「10年 スモールバッチ・ライ」を使って、クラシックカクテルとオリジナルカクテルの2種を考案してもらった。


「ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ」は、複雑で深味のあるブランドの原点

「ホイッスルピッグ」の蒸留所があるのは、アメリカ・バーモント州ショアハムの広大でのどかな農場の中。ライ・ウイスキーのよいところを大切に守り、無駄なものは排除し、ウイスキーのために革新を続けることが理念だ。その味わいのよさは、数々の賞を獲得してきたことからも伺い知れ、「ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ」については、権威ある全米のワイン専門誌「ワイン・エンシュージアスト」で96点という高得点を獲得するなど、ライ・ウイスキーの歴史を変えたともされる。


熟したバナナ、キャラメル、バニラ…。他のライ・ウイスキーにはない多彩な香り

最初に、上野さんにホイッスルピッグを初めて味わった際の率直な感想を訊いてみた。

「まず思ったのは香りの多さです。他のライ・ウイスキーにはない香りを感じました。確かにスパイシーさもありますが、熟したバナナやキャラメル、バニラといったトロピカルっぽいニュアンスを受けました。おそらく10年という熟成年数の長さも一因していると思います。同じくらいのアルコール度数を持つライ・ウイスキーもありますが、特段に香りが強いですね。これはウイスキー好きの方に好まれる香りと味わいだと思います」

その特徴的な香りを引き出すにはどのようにすれば良いのだろうか。

「あまりドライにし過ぎると飲みにくくなるかもしれません。個人的に甘味のあるカクテルが好きなんですが、このライ・ウイスキーはメープルシロップなどはっきりとした甘さを加えることで様々な香りが立ち、本来のふくよかさを引き出せると考えています」

 

熟成したシェリー由来のスイートベルモットで仕上げる、リッチで甘美な『オールドパル』

今回、クラシックカクテルとオリジナルカクテルをテーマに、2つのカクテルを考案してもらった。まずはクラシックカクテルから。ホイッスルピッグをベースに上野さんが選んだのは『オールドパル』だ。

「通常のレシピではドライベルモットを使いますが、そこを甘味のあるスイートベルモットに代えることで香りを際立たせます。スイートベルモットも様々ありますが、今回選んだのはルスタウ・ロホ。熟成させたシェリーをベースにつくられていて、甘味も強く、リッチな味わいに仕上がります。ステアも、多少の水を混ぜ込む感覚でしっかりと回します。マティーニもそうですが、ステアでつくるカクテルの場合、5ml、10ml、20mlと少しずつ水を足して、そのお酒がもっとも美味しく飲める水の量を把握します。このカクテルは、ホイッスルピッグのアルコール度数の高さと、他の2つの副材料が濃厚かつ甘味があるので、結構長めにステアしても水っぽくなりません。甘味があってスムースな味わいは、男性、女性にかかわらず幅広い方に飲んでいただけるカクテルだと思います」

野菜のルバーブリキュールとメープルシロップを組み合わせ、『ファームの恩恵』を形に

2つ目はホイッスルピッグのために一から考案したオリジナル『MORTIMER’s gift 〜モーティマー・ジュニアからの贈り物〜』。どのようなコンセプトを持つカクテルなのだろうか。

「ホイッスルピッグは、バーモント州の広大でのどかなファームでつくられています。そこではブタや羊、ヤギなどがいて、カエデの木からはメープルシロップを収穫し、樽の素材となるバーモントオークも育てています。そして何といっても、ファームのブタのトップであり、ライ麦をつまみ食いするモーティマー・ジュニアの存在。彼がライ麦を全部食べず我慢してくれるおかげでで、ホイッスルピッグをつくることができるのです(笑)。そういった様々な『ファームの恩恵』を形にしようとレシピを考えました。ポイントとなる副材料はルバーブという野菜のリキュールです。フルーティーでベジー感があり、ちょっと他のリキュールにはないユニークな味わいが特徴で、メープルシロップとの相性がとてもいいんです。ホイッスルピッグが元々持っている香りということもありますが、メープルシロップを使うことで、熟したバナナやバニラ、トロピカル感といった特徴的な香りが全て出てくるんです。この一杯でホイッスルピッグのバックボーンや香味の特徴を紹介できる、そんなストーリー性のあるカクテルに仕上げています。」


 


 

クラシックカクテル『オールドパル』

【レシピ】
・ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ:20ml
・ルスタウ ロホ:20ml
・カンパリ:20ml

【つくり方】
材料をミキシンググラスに入れステアし、カクテルグラスに注ぐ。


オリジナルカクテル『MORTIMER’s gift 〜モーティマー・ジュニアからの贈り物〜』

【レシピ】
・ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライ:30ml
・ジファール ルバーブ:10ml
・メープルシロップ:10ml
・フレッシュ・ライム・ジュース:12ml

【つくり方】
材料をシェークし、氷を入れたグラスに注いでドライオレンジを飾る。


上野真暉(うえの まさてる)
1975年、兵庫県神戸市生まれ。学校卒業後福岡に。喫茶店のマスターに憧れるも、バーの世界を知りバーテンダーの道へ。中洲にあったバーで8年修業し、北天神の「Bar梅ノ香」という和風のバーで約6年研鑽を積む。その後独立し、2012年に現在の「Bar Lapin(バー ラパン)」をオープン。

Bar Lapin(バー ラパン)
福岡随一の繁華街 中洲にあり、ダークブラウンでまとめられたオーセンティックな雰囲気の店内は、シックで落ち着きのある空間。上野さんの干支である「兎」を象った装飾品が多く置かれ、ほっと和ませてくれる。ウイスキーをはじめとするスピリッツや数々のリキュールがバックバーに並ぶ中、上野さんが好むテキーラのボトルが所狭しと置かれている。
福岡県福岡市博多区中洲2-2-13 松島ビル1F
Tel:092-272-1101


   

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