fbpx

バーをこよなく愛すバーファンのための WEB マガジン

2019.11.1 Fri

特集企画 カクテル・ルネッサンス第四回 「オールドファッションド」

取材協力 Ben Fiddich

禁酒法時代にまで遡るアメリカのカクテル黄金期。その時代に生まれ、長く忘れ去られていたカクテルに、現代の素材と技術で新しい息吹を吹き込む「カクテル・ルネッサンス」。[The World’s Best-Selling Classic Cocktails 2019]でベスト50に選ばれたクラシックカクテルの中から、毎回一つのカクテルに注目。ベーシックなレシピやつくり方だけでなく、BAR TIMES が今もっともおすすめしたい進化したクラシックカクテルをご紹介します。第四回目は[オールドファッションド]。言わずと知れた、世界中で愛されるウイスキーベースのクラシックカクテルです。今回は、西新宿にあるBen Fiddich(ベンフィディック)の鹿山博康さんにオールドファッションドの魅力をうかがいました。


Drinks International
The World’s Best-Selling Classic Cocktails 2019


オールドファッションドの人気は7年連続1位!
ウッドフォードリザーブは世界のバーテンダーも支持。

Drinks International社が実施した『世界で人気のクラシックカクテルベスト50』の調査によると、オールドファッションドは堂々の第1位を獲得。しかも、7年連続1位とのことでカクテルファンから根強い人気を誇っています。さらに、ウッドフォードリザーブは、オールドファッションドのベースとして世界中のバーテンダーから高く支持されています。世界のバーでウッドフォードリザーブは、カクテルづくりになくてはならない存在なのです。




ウッドフォードリザーブをベースにしたスタンダードなオールドファッションド。


鹿山さんが思うオールドファッションドの魅力とは
どのような点ですか。

「海外に行くと、オールドファッションドは日本より一般的なカクテルだと実感します。どのバーに行ってもまったく同じものがないですし、その店ごとのアイデンティティが表現されていて、バリエーションがすごく広いんです。僕の店でも、『この店独自の方法でツイストしてほしい』というオーダーを海外のお客様からよくいただきます。さすが、世界でもっとも人気のあるカクテルですよね。私もいくつかバリエーションを持っていますが、中でも日本の素材を使った和のオールドファッションドはとても喜んでいただけます。オールドファッションドというひとつのカクテルで、様々なスタイルが楽しめる点に非常に魅力を感じますね。」

バーにとってオールドファッションドとは
どのような位置づけのカクテルだと思いますか。

「日本のバーでいうジントニックのような感じかもしれないですね。日本のバーカルチャーでは、1杯目にジントニックを飲むことが多く、ポピュラーなカクテルなだけにその店それぞれの味わいがあります。海外だとジントニックはアペリティフ的な感覚なので、バーでの1杯目とはあまりならないんですが、その店の味という意味ではジントニックと同じ。日本でもゆくゆくは、オールドファッションドが1杯目に頼まれるようになって、店ごとのバリエーションが楽しめるようになったらいいなと思います。」


鹿山 博康(かやま ひろやす)
「Bar BenFiddich」のオーナーバーテンダー。カクテルに使用するハーブ等を自ら栽培するなど薬草に関する造詣が深く、ハーブ、スパイスを使ったミクソロジー・カクテルを提供している。同店は、Asia’s 50 Best Bars に2016年から3年連続、The World‘s 50 Best Bars でも2017年、2018年にランクイン。


ウッドフォードリザーブをベースとする良さは
どこにあると思いますか。

「ウッドフォードリザーブは濃厚で力強い反面、このウイスキーにしかないまろやかさがあります。ですから、オールドファッションドのベースにするなら、僕は断然スパイスが合うと思うんです。ウッドフォードリザーブの濃厚さと華やかなフレーバーに、それぞれ味わいの異なるスパイスやフルーツを重ね合わせ、全体をブーストさせるイメージです。いいオールドファッションドは、ベースであるウイスキーの骨格がきちんと残ったうえで、味わいの変化があるものだと僕は考えます。そういう意味では、しっかり軸を残せるウッドフォードリザーブは、オールドファッションドにぴったりのウイスキーだと思います。」


鹿山さんにとってオールドファッションドとは
どのようなカクテルですか。

「店をオープンして2、3年経った頃、それまでオールドファッションドってあまり頼まれるカクテルではなかったんですが、海外のお客様が増えてきた途端、何だかやたらとオーダーを受けました。非常に困惑しましたね(笑)。それから何年か経った2016年、仕事でニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルスに行く機会がありました。オールドファッションドについてはずっと模索していたんですが、日本にいると何が正解か分からないじゃないですか。

だから絶好のチャンスだと思い、毎日バーに行きまくってどのバーでも必ずオールドファッションドを頼んだんです(笑)。合計すると十数杯、研鑽を重ねましたよ。それで分かったのは、つくり方の工程は同じだけど、どれひとつとして同じものがないということ。正解なんてないんじゃないかって思ったんです。それから自分なりに考えて、研究して、失敗して……。で、今のように様々なバリエーションを持つスタイルに至ったわけです。僕にとってオールドファッションドは、そんな思いが詰まったカクテルですね。」



鹿山さんには、ウッドフォードリザーブをベースとした2つのオリジナル オールドファッションドをつくっていただきました。


ベンフィディック スパイシー オールドファッションド

[レシピ]
ウッドフォードリザーブ60ml/カルダモン2つ/ナツメグ適量削る/コリアンダーシード適量/シナモンスティック2/3本 /クローブ1つ/アールグレイ茶葉ひとつまみ/角砂糖1個/オレンジピール1枚
[つくり方]
すべてのスパイスとアールグレイ茶葉を薬研に入れ軽くひき、ウッドフォードリザーブを30ml注ぎ、再びひく。角砂糖、オレンジピールを加えてひき、ウッドフォードリザーブを30ml注ぎ、再びひく。シェーカーに氷と共に入れシェーク。氷を入れたグラスに注ぎ、ナツメグをグレーターでおろし、ピールしたオレンジを入れる。



ホームメイドハニー オールドファッション

[レシピ]
ウッドフォードリザーブ60ml/オレンジビターズ3dash/ハチミツ1tsp/オレンジスライス1枚/炭酸少量

[つくり方]
ウッドフォードリザーブ以外の材料をすり鉢に入れ、練るように混ぜる。ウッドフォードリザーブを注ぎ、再び混ぜる。ストレーナーで濾して氷の入ったミキシンググラスに注ぎステア。蜂の巣を下に敷き、ぐい呑みに注ぐ。最後にオレンジをピールする。




スタンダード オールドファッション

[レシピ]
・ウッドフォードリザーブ/60ml
・デメララシロップ/15ml
・アンゴスチュラビターズ/3dash
・オレンジビターズ/2dash
・オレンジピール/1枚
[つくり方]
氷の入ったミキシンググラスにオレンジピール以外の材料を入れよくステア。グラスに注ぎ、ピールしたオレンジを入れる。







   

BAR TIMES INFORMATION

関連記事はこちら

PAGE TOP